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条項サンプル:秘密保持契約について

法務部員がやっていること、のロントメチーさんのやっている、契約審査研究所で、秘密保持契約のサンプルが公開されています。

こうやって、サンプルの形で公開するのって、色々な社内のしがらみを考えると、そう簡単にできないよね、と思うので、正直、凄いなと思うのでした。公開に踏み切った英断に、敬意を表するとともに、いくつか気づいたことを。念のために申し上げると、以下は、ロントメチーさんを批判する意図ではなくさらに充実したサンプルにするために、参考になれば、と思い、コメントするものです。

最初に見て気づいた点については、既にロントメチーさんのblogでのエントリにコメントしたのですが、再掲すると次のとおりです。

こんにちは。条項サンプルの開示、有意義ですよね。勉強になります。

このサンプル、前提は、機械とかの技術情報の開示であって、機械自体を見せるというわけではないと思うのですが、その前提であっているでしょうか?機械の分析、リバースエンジニアリングの禁止に関する規定がないので、そのように理解した次第です。

読者にとってより有意義なものにするためには、前提となっている部分については、明示していただいたほうが良いのではないか、と思いコメントさせていただいた次第です。失礼の段、ご容赦ください。

今後とも宜しくお願いいたします。



で、もう少し気づいたので、「追記」でコメントを。ロントメチーさん、2度もすいません。
よく言われることではありますが、秘密保持契約は、簡単なようでいて、色々と考えないといけないことがあるんですよね。まあ、何でもかんでも書く英語の契約と比べれば、もっと色々出てくるのかもしれませんが、そういう視点からではなく、あくまでも日本企業が当事者の日本語の契約で使いそうな話に絞ってコメントしているつもりです。

以下順不同で、すいません。

  • 再委託先などの第三者に秘密情報を開示する場合の扱いについて、当該開示に伴う責任を当該第三者に開示する契約当事者に負わせるのも選択肢ですが、事前に当該第三者への開示について承諾を取るケースもあり得ると思います。事前に誰に開示するのか、確認して、相手方を調べて、開示の可否を決める形を取る必要もあり得ると思います。何か不祥事?が発生した場合に、損害賠償で済ませることができないようなケースもありうると思いますし、そういう場合の対応としては、事前に再委託先についてスクリーニングをすることで、リスクの低減を図ることも選択肢になり得ると思います。

  • 秘密情報の例外について、個々の要素は公知でも、組み合わせが機密に属することから、個々の要素が組み合わせであることをもって、ある組み合わせが公知になるとは限らない、という書き振りをしているケースも見たことがあります。

  • 紛争解決方法について、国内企業同士の紛争であっても、裁判ではなく、仲裁としたほうがいい場合があるかもしれない。裁判は公開が原則なので、公開の裁判では、必要な訴訟対応ができずに、結果的に紛争解決に適さないケースもあると思う(そのために、意図的に訴訟に負けたケースが日本でもあったような)。もちろん、専門性が高い情報について、その重要性に付き裁判所にどこまで理解させられるか、不安があるときにも、専門性のある仲裁人を起用する余地があるというのは、メリット足りうるのでしょう。

  •  秘密情報の内容によっては、漏洩の可能性に対して、仮処分をかける可能性もあるのではないかと思いますが、その辺について手当てをすることもあるかもしれません。これは、英語の契約で見たことがあるだけですが、日本でも事案によっては必要でしょう。事後的な金銭賠償では救済が不十分であることを双方認識し、漏洩などの疑いがある場合に、仮処分などの対象となることを合意するとか書くのではないかと思います。

  • この手の契約を締結するのは、何らかの秘密情報を開示する際ということが多いのですが、この契約書の締結により、何らかの秘密情報の開示を当事者に義務付けるものではない、という規定をするケースも見たことがあります。契約書で規定するのは、自発的に開示した秘密情報の取り扱い方法についてであって、情報を開示するかどうかは当事者の裁量に委ねる旨を規定するという発想かと思います。
  • 工場見学などに際してこの手の契約を締結する場合には、施設内では、施設管理者の言うことや当該施設の管理規則に従うこととか、施設内で財産的・身体的損害を受けても、当該施設を管理する当事者側の故意または重過失がない限りは、当該施設を管理する当事者は責任を一切負わないと規定するケースもあると思います。

  • 何らかの検討を行うための秘密保持であれば、第三者の秘密情報とコンタミするのを防ぐために、当該検討においては、第三者の秘密情報を使うことを禁止する規定を入れておくということもあるのではないかと思います。
長々と書いてみましたが、他にも色々とあるのかもしれません。こちらをご覧になっておられる企業法務の関係者の方々、ご意見などお伺いできれば幸甚です。

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宜しくお願いいたします。

ロントメチー様
コメントをありがとうございます。
却ってお手間を取らせる事態になってしまい、恐縮です。
とはいえ、いっそう充実したサンプルになるお役に立てれば幸甚です。
こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします。

当方のWebSIteの記事を取り上げて頂き、ありがとうございます。dtkさんから頂くフィードバックは的確で、毎回参考にさせて頂いております。
当方のBlogに頂いたコメントの内容もふまえた形で、条項サンプル集を再編集します。
今後ともよろしくお願いいたします。
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