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遅まきながら読んでみました。

ろじゃあさんが熱く語られていたこともあり、読まなきゃ、と思っていた、カブドットコム証券の不祥事に関する特別委員会の報告書と、isologueの磯崎先生のコメントおよび追加コメント(その1その2)、等々を打ち出して(PCで読むのはしんどそうだったので)、時系列に沿って読んでみました。

高名な方々が、それぞれの職責に基づいて書かれたものに、エラソーに物申すのは気が引けますが、部外者の素人目線で思ったこと・感じたことをメモ。見たものは、ここでLinkを貼っているものだけです。
(追記)「追記」部分については、一部修正しました。もう少し考えて、再度修正するかも。
まず最初に、報告書について。

そもそも、この報告書、何故、公開されたのか、よく分からない。公開時のプレスリリースを見ても、

今回の事案を受け、当社は本年5月22日に久保利英明弁護士を委員長とする「特別調査委員会」を設置し、本事案の発生原因等の徹底究明と抜本的な再発防止策の提言を委託しておりました。今般、同委員会より、別紙の通り「調査報告書」を受領いたしましたので公表いたします。
 当社では、特別調査委員会のご指摘、ご提言を真摯に受け止め、関係者の皆さまの信頼を回復すべく、ガバナンス態勢や情報管理態勢の強化等、抜本的な再発防止策の策定と、それらの実施を速やかに行ってまいる所存です。社内処分の内容ならびに再発防止策につきましては、現在検討中ですが、確定次第改めて公表させていただきます。


としか書いていない。これを見て、どうしろと?というのが正直な印象。対策についての提言の記載はあるが(提言自体にも問題があると思うけど、それはとりあえずおいておいて)、それを受けて会社としてどうするのかは、検討中、というだけでは、とりあえずもらった報告書をさらして置いて、不満に対するガス抜きに使ったという以上に何か意味があったのか疑問に思えてくる。

さらに、同社のプレスリリース一覧を見たが、この報告書を受けた形のものは、2009年8月28日の業務改善報告書の提出について、だけのようだ。当該プレスリリースの内容を見ても、報告書の記載内容に対して、どのように検討をして、記載されている骨子の内容になったのか、分からないように思える。不祥事を起こした場合の説明責任の果たし方として、疑問が残るように思う。報告書を外部発表した以上、報告書の内容をどう検討して、結論に至ったのか、説明しないと、結局報告書は何だったのだろうか?と思えてしまう。結局行政からOkもらったから、結果オーライということなのだろうか。それ以上のことを当該プレスリリースから読み解くのは難しいように思う。


報告書の内容全体については、最初から決め打ちしたストーリー(デザイン主義で実質軽視、メール文化、というあたり)があって、それに合うところだけ、出てきた「事実」をつまみ食いして、形にしたのではなかろうか、という印象を持ってしまった。仮説をもって、分析すること自体は問題はないのだろうが、仮説について、検証しながら、適宜修正するというプロセスがどこまで機能したのか疑問が残った。

そう思ったのは、磯崎さんが指揮している、

特別調査委員会は、調査報告書にあるように「同社からの」独立性を非常に重視しており、作成された調査報告書の表現に関する同社側からの意見は、基本的に一切反映されておりません。

会社側の意見を反映していないところとか、磯崎さん達が別途、この問題について検討した社内調査報告書についても、具体的な根拠を示さずに

社内調査報告書については、その作成過程において当社の役職員がレビュー・コメントしている事実が認められることから、当社の経営陣から完全に独立して作成されたものと評価することはできない

(報告書p4より)としている点による。刑事訴訟法を引くまでもなく、外部の独立の第三者であれば、内情について誤解をする可能性があることは否定できず、その意味で、会社側がレビューする機会を設けることは、この報告書をより正確なものにする上でも(作成者の3名の弁護士さんが「依頼者」に対する義務を十全に果たす上でも)、必要ではなかったのか感じてしまうし、それでもそうしなかったのは、書かれていない何らかの理由があったからではなかったのか、と勘繰りたくなってしまう
(追記:一部については、isologueや池永弁護士のblogの記事で説明・仮説の提示がされていることを追記する。ここで僕が一番言いたかったのは報告書だけ読んだ人にとっては上記のような印象を禁じえないし、そういう印象を持たせることにはメリットはないのではないかということ)。

もう一つ気になったのは、ワンフロア・オープンスペース体制の評価の仕方。指摘されているとおり、内部での情報管理の面で、様々な問題があって、その原因になっていたのは確かだろうけど、共有すべき情報を共有する面でのメリットもあった以上、今回のような問題があったからといって、その問題だけを取り上げて、間違いであったと断罪するのは何だか非常に一方的、一面的という印象が拭い去れない。双方を比較して(今回のケースでは比較しても、同じ結論に行き着いたのではないかという気もするのだけど)みないと、どうしても偏った評価をしているという印象を持ってしまう。

余計なことだが、ワンフロア・オープンすベース体制を、形式重視で、実質軽視と評価しているが、本当だろうか?形式が実質を規定することだってあるのではないか。Chinese wallの設置により、情報が遮断され、必要な情報も共有されなくなるとしたら、それこそが、形式が実質を規定する例になると思うのだが。

結論の提言についても、何だか抽象的で、この提言を見て、具体的に何をしないといけないのか会社側が判断できるのか、疑問が残った。特に6項目の提言のうち、ガバナンスに関するところで、細目として5つ出ているうち、「親会社によるモニタリングの強化」というのが、唐突に出てくるところに違和感を覚えた。他の提言が内部の自助努力で対応しようとしているものなのに対して、これは、自分で改善しきれないから、親に監視してもらえという話で、簡単に一言で済ませて良い話ではないと思う。他の項目をやろうとする意欲を殺ぐ可能性もあると思う。加えて、磯崎さんのエントリに引き釣られているのかもしれないが、少数株主の利害と相反することでもあり、そのあたりのケアをどうするのか、考えずに書くのは、不用意ではないかと思うからだ。この点をまじめに考えれば、このような提言をまじめに検討しようとした途端に途方に暮れると思うのだが。

報告書に対する違和感が大きかったので、長くなってしまった。本題の磯崎先生のエントリについての感想は別途(飽きて書かない可能性もあるけど)。

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