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「雇用はなぜ壊れたのか―会社の論理vs.労働者の論理 」/大内 伸哉



他にも読むべき本はあるはずなのだが、本屋で見つけて買ってしまった。
理由は普段読んでいる複数のblogで評価が分かれていたから。

一つは法律学者の伊藤教授

私自身は、著者の高尚でない文章の書き方がそれほど好きではなく、著者による分析にも所々で不満を感じたので、結局最後まで、本書を好きになれずに読了してしまった。



確かに文章からは高尚さは感じない。ただ、新書版で多くの人に手にとってもらう本であって、教科書とかではないので、この程度は「あり」ではないかと思う(個人的には最初の章で渡辺淳一が出てきた段階で吹き出してしまった)。

それから、題名がミスリーディングという点は確かにそうだと思う。昨今の雇用情勢について一冊かけて論じているわけではなく、労働法の様々な問題を比較的身近な話をネタにして説明しているという感じの本なのだから。

もう一つは、FJneo1994さんの企業法務戦士の雑感。こちらのエントリで書かれている、バランスの良さや、その一方で見られる現状認識の旧さは、そのとおりと思う。

と、書いているだけではつまらないので、もう少し感じたことを。

企業で働く個々人については、労働者の論理だけではなく、生活者(企業の顧客)としての論理があり得るとして、これらと企業の論理とのバランスをどうとるか、というところが基本的な視点なのだが、FJneo1994さんが指摘しているように、企業の論理、というのも一枚岩とは限らないように思う。その意味では、個々人の側の論理の分析よりも企業側の論理の分析の方がいまひとつ甘いというか、データというか実感、が不足しているのではないか、という気がした。これはひょっとすると、会社勤めの経験がないことに起因しているのかもしれない。労働者、生活者、という立場は著者が普段取っている立場であるのに対して、企業の中に身を置いたことがないだろうから、その所為で実感しにくく、それゆえに分析ができていないのではないかという気がした。

もしそうだとすると、企業に10年以上(おそらくそれくらいいないと分からないと思う)身を置いてから、労働法学者になると、他の労働法学者の皆さんとは異なる分析・視点が提示できるのかもしれない。そういうことを感じた一冊だった。

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