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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2009年 06月号



遅まきながら、順不同で印象に残った記事についての感想などのメモ。

前号からの引き続きのCISGについては、何か、消化不良という感じ。ただし、記事の内容が問題というよりもCISGが中途半端という印象があることによるものが大きい。画一的に多数の取引を処理するうえでは、opt outというのが楽なのではないかという印象がぬぐいされないからなのだが。基本契約と個別契約とに分けて契約する際に、基本契約には適用の可能性がない、とか言われると、何のための基本契約か、と思ってしまうし、それくらいなら、いっそのことopt outするほうが確実という話になるのではないかと思う。ただ、opt outするにしても、きちんとopt outできるようになっているかは確認が必要なので、手間のかかる話には違いない。
独禁法特集については、さすがに企業関係者は名前なり企業名を出して書くのは難しいから、どうしても弁護士・公取関係者の記事ばかりになるのだろうが、でも、一番参考になったのは犯則調査に関する企業担当者の生の声だった。洒落にならなさ加減が伝わってくる。

調査に認識と大きく違う点があったとしても、いったんサインしてしまえば、動かぬ「事実」として証拠化されてしまう


覚えていないことは、そのまま思い出せないとはっきり言うこと。


このあたりは重要なのだが、実際には、厳しい状況下では貫徹しにくいのだろう。
あるセミナーで公取・検事経験のある某弁護士さんが言っていたが、公取は事件化したいから(立件してナンボの評価を受ける以上は、当たり前の行動様式かもしれない)調書を取るわけで、そうだとすると言ったことを調書にしてくれないというのはナンセンスなのであろう。立件するために自分のストーリーに合うように調書を取ろうとするのだろうから。この辺は、一旦社内で経験した人がいれば、その人に「語り部」になってもらうことで社内の意識を一気に高めることができるのだろう。

あとは、「中小企業の」となっているが、被害を受けた企業が独禁法に基づく救済を求めていく方法についての記事が面白かった。実際のところは、ハードルも高いし、時間も費用もかかるので、中小企業向けなのかどうかについては疑問が残るけど。

第2特集については、案の段階の話で、第1特集ほどリアリティを感じにくいというかおとなしめな印象だけど、よく考えるとそれなりに仕事に影響しそうな気がする。メーカー勤務なので、工場のリストラとかでは土対法を念頭に置いた対応を求められるし、製造周りでは化審法も関係してくる。ヨーロッパのREACHみたいな話にはならないようで何よりという感じだろうか。外為法についてもライセンス輸出とかにも関係してくる。営業秘密については不正競争防止法が関与することは言うまでもない。
…とはいえ、詳細が分からないものばかりで、実務へのインパクトが読みきれないように思うので、やはりピンとこない。

特集以外では…

CACの話は、一般的すぎて、「だから何」というところ。eDiscovery対応が大変なのは分かるが、特に日本企業として何が大変か、というところ、その点につきどういうケアを提供できるのか書いてくれていないのは如何なものか。少なくともアルファベット以外の文字を使う言語のハンドリングが簡単ではないだろうというところは容易に想像がつくけど、そこについてどこまでのことができるのか、わからないし、また、既に先行する企業もあるなかで、何を差別化するのかというあたりも分からない。また、IT企業のようだが、eDiscoveryは電子データのみを扱うわけではなく、紙のデータも扱うことになる可能性があるがそのあたりはどうか、というようなところは気になった。

ハーシー・カナダのケースはCISGがUSCとともに適用された事例として、興味深いし、それを踏まえた、米国、中国におけるCISGへの対応方法の分析も面白い。ただ、中国については、CISGの適用留保が認められたことが事態をいっそうややこしくしているような気がする。ただ、CISGも使い方次第では使いようがあることはよく分かったような気がする。

以下、business law journalのサイトからの目次の引用。

[第1特集] 高まる課徴金リスクへの備えは万全か 独禁法違反の実態と現場対応
不況期こそ公正な競争が求められる

松山隆英 公正取引委員会事務総長
09年独禁法改正案の概要と今後の動向

玉木昭久 弁護士
違反行為の予防・発見システム

― コンプライアンスを徹底するための具体的手法

渡辺惠理子 弁護士
違反行為を発見したら――

リニエンシー申請のプロセスとリスク判断

石田英遠 弁護士 / 山島達夫 弁護士
中小企業の独禁法活用

― 被害企業からみた独禁法の使い方

長澤哲也 弁護士
法務担当者のつぶやき
海外当局による国際カルテル調査への対応実務

川合弘造 弁護士
実録 公取委の犯則調査
公取委の競争政策のゆがみ

郷原信郎 名城大学教授・弁護士

[第2特集] 09年通常国会提出 主要ビジネス関連法案の影響度チェック
不正競争防止法改正案

伊藤晴國 弁護士
外為法改正案

土地順子 弁護士
著作権法改正案

桑野雄一郎 弁護士
土壌汚染対策法改正案

井上 治 弁護士
化学物質審査規制法改正案

河村寛治 明治学院大学法科大学院教授

Focus
〔座談会〕 ウィーン売買条約発効後の実務対応【2】

吉川英一郎 大阪学院大学法科大学院教授 / 大貫雅晴 日本商事仲裁協会理事 /
小林和弘 弁護士 / 竹下 香 ダイハツ工業法務室室長


Interview
ゴールは不祥事からの再出発 総力を挙げてトータルな視点からダメージ最小化を図る

西村あさひ法律事務所 危機管理グループ


OPINION
不祥事を起こした企業の説明責任

諸石光煕 弁護士
Inside Story
「謀叛人、敗北の連鎖」

三宅伸吾 日本経済新聞社 編集委員
連載
実務解説

下請代金の「減額禁止」、「買いたたき」とは?~親事業者の観点から
遠藤英明 弁護士 田辺総合法律事務所
企業会計法Current Topics

緊密者と証券化
弥永真生 筑波大学大学院教授
プラクティカル英文契約講座

「プロ・ラタ条項」
長谷川俊明 弁護士
Global Business Law Seminar

ハーシー・カナダ事件(米国デラウェア州連邦地裁)の分析
―CISG(ウィーン売買条約)の対「約款バトル」適用事例―
藤原一司 明治学院大学法科大学院非常勤講師
Global Legal Headlines

UAEビジネス法入門
ゴビンド・ナイドゥ Legal Consultant / 石川耕治 弁護士
独禁法違反になる?ならない?「不公正な取引方法」の境界線

「不公正な取引方法」の概念を総整理
森・濱田松本法律事務所 玉木昭久 弁護士
アメリカ法スケッチブック

単位は悩ましい
木俣由美 京都産業大学教授
新連載 法務相談スッキリ解決!Legal Thinking

会社から社長の友人に貸した金の消滅時効 ─会社の行為の商行為性─
岡 伸浩 弁護士
今すぐ使える!? IT Tools&Tips

督促手続オンラインシステムを使ってみた!(後編)
たつき総合法律事務所 平岡 敦 弁護士/たつき総合法律事務所 柴 詠美子 秘書
Legal×Marketing→Branding!

商標法から見た「強いブランド」の権利形成
青木博通 弁理士
牛島信のローヤー進化論
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編集後記・次号予告

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