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「社長!それは「法律」問題です―知らないではすまないビジネスのルール 」/中島茂・秋山進

たまには、法律系の話もあげないと…って、おもっても大した内容になるわけでもないけどね。
と、思い出したが、ろじゃあさん、最近更新がないですよねえ…。

それはさておき、今回はこの本。やや古い本だけど…。



対談形式なんだけど、「プロ」の弁護士と「素人」(文中で中島弁護士が、社外取締役には、ビジネス感覚に優れた偉大な素人が必要という趣旨のコメントをしていたが、この対談相手はまさしくそういう方。)の会話がきちんとかみ合っていて、分かりやすく、読みやすいものになっている(社交ダンスの話しかしないどこかの方には見習ってほしいくらい)。ビジネス法総論という感じで読むこともできると思う。具体例がふんだんに盛り込まれているので、飽きさせないとも思う。
コンプライアンス、知財、独禁法、企業買収などのテーマにわけて対談が進められているのだが、個人的にはコンプライアンスのところが印象的だった。

CSRとコンプライアンスの関係について、よく分からなかったのだが、次のような説明で両者のつながりが見えてきたような気がした。

要するに、コンプライアンスとは「コンプライ・ウィズ・ソサエティズ・リクエスト」、つまり「世の中の期待に応える」ということで、そのための企業側の努力を言うわけです。

会社が生きるか死ぬかという究極の状況になったときに、やっぱり社会に役立っている企業は残らないんじゃないかという。危急存亡のときに問題になるのが本当のCSRであって

CSRが一歩先んじでいろいろな要請をしていって、結果的にCPL(dtk注:コンプライアンス)が必ずそれを追いかけてゆくことになる

法令遵守というと、禁止されているのは携帯電話ですから、運転中の使用は禁止という社内通達を出せばいい。ところがコンプライアンスでは「歩行者の安全」という期待に応えることになるわけですから、同じような危険性があるのなら、ハンズフリーも禁止して、停車してから通話しないとなる。



ただ、コンプライアンスというのが、対象があってのコンプライアンスということからすれば、ある意味当然のことかもしれない、と思う。ただ、予測可能性、ということを考えると、「何に」の部分は明確になっていないとやりづらくなるのではないかという気がする。逸脱に対して結果的に厳しい社会的な制裁が課されてしまうのであればなおのこと、ある程度セーフーハーバーを作ってあげたほうが、結果的にやりやすくなるのではないか、そうでなければ、何が社会的に要請されているのか、という点に関して価値観を共有していない「外」から見ると、結果論から魔女狩りをしているのと区別できないのではないかという感じがしなくもない。

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