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思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本/郷原信郎



「はじめに」から引用

今こそ、何も考えないで「遵守」するという姿勢から脱却して、起きている物事の本質、根本を理解し、認識し合い、めざすべきものを明確にした上で、力をあわせるべきときです。


このことが、時には当事者として(その所為で信頼性が減じられるという感じはあまりせず、寧ろ重要な事実について不足がなく盛り込まれていて分かりやすくなったと感じた)、具体的な最近の事案について論じられている。不勉強なので、知らない事案もあったし、知っていたつもりの話も理解していないことがよく分かった。

それはともかく、大事なのは、法令が誰のために、何のために、あるのかを踏まえて、形式的に違反していることのみを捉えてあげつらうことを止め、保護すべきものを保護する上で必要な範囲で違反を問題とすること、と理解した。確かにそうしないと、ローソンの焼鯖寿司回収事件のように、害がないはずの食品を回収することになり、非常にもったいない結果になるから。

それは相当難しいと思う。本文で触れられているように、「法化」している社会の中で、きちんと法律を使いこなす(上記のような視点にたって行うもの)ことを個々人に求められても、対応には時間がかかる。「思考停止」に慣れていた人に、きちんと考えろとだけ言うのは不親切というか、おそらく意味がない。どうすればいいのか分からないだろうし、何故そうしなければならないのかも、きちんと説明が必要だろう。

そういう意味で、法律家の役目が重要と言うのは分かるが、当の法律家自身(例えば裁判官)が一定の状況下では「思考停止」している側面も同様に指摘されている。そうなると、誰が「思考停止」していないのか分かったものではない(それでも、法律家が法律との関係では一番「思考停止」しにくいとは思うが)。

法律のあり方を変えるというアプローチは取れないのか、とも思わなくはないが、法的安定性とのバランスも重要なので、一筋縄ではいかないのだろう。ただ、何らかの対策は必要なのだろうと思う。法令のメンテナンスの頻度を上げる仕組み(法令の性質に応じて一定年数を強制的に割り付けるとか)があるべきかもしれない。その場合、メンテナンスを検討した結果、何もしない、ということも可能にしておく必要はあるだろう。そういうことをしないと、形骸化した法令と実態との乖離を生める「現場の知恵」が横行することになり、それが次の問題の火種に繋がりかねない。

企業の法務担当者の目からすれば、文中に出てくるローソンの例のように、企業は保守的に振舞わざるを得ない。誰が「思考停止」しているか、誰がどういうレッテルを貼ってくるか分からない以上、「思考停止」したのと外形的には同じ行動を取ることになるのは、何だか納得いかないが、そうしないのは難しいような気がする。

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