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「競争政策論―独占禁止法事例とともに学ぶ産業組織論」/小田切宏之



独禁法を勉強していると、裏にある経済学が知りたくなることがある。とはいうものの、さすがに経済学の教科書まで戻る?のは正直シンドい(そういうときに限って、分厚い経済学の教科書が参考書としてあげられているしね)。独禁法学者になるとかなら必要だろうが、そこまでするのは時間的に厳しい、というところなので、この本のように、独禁法(というか競争法を含む競争政策)を経済学的にどう考えるか、を説明している本は有用な気がする。何よりも分厚くないし、眩暈のするような数式も出てこない。そういう意味でも法務の方々にとっても敷居の高くない本ではないかと思う。

裏を返すと、学問的な厳密さは脇において、経済学的に見て、どう考えるべきなのかを読者に理解してもらうことに主眼をおいている。レベルとしては入門的なのかもしれないし、厳密な理解は無理(詳しい話は著者の別の本を参照するよう、頻繁に言及されているし)だけど、大部にならずに、独禁法の全体について、経済学的な見方の基礎を教えてくれるのは有益だと思う。グラフでの説明は直感的で分かりやすいと思う。

とはいうものの、難しいところに突っ込んでいかないがために、やっぱり分からない、というところがあるような気がする(シュンペーター仮説といわゆるシュンペーター仮説の差異のところとか、もう少し詳しく説明して欲しかったような気がする)。分厚くなって読みにくくなることとのバランスをとっていると思われるので難しかったけど。

あと、やはり経済学者の本なので、公平とかの観点の入ってくる話なると、どうしても歯切れがよろしくない。経済学の知見とずれてくるから、だろう。そういう意味では法学者と経済学者の共著の独禁法の本があるとちょうどいいのかもしれない(一番良いのは双方の学位を持った人が書くことかもしれないけど)。その意味では「はしがき」に出てくる、今年9月に東大出版会から出る予定の「独禁法審判決の経済学」が、法学者・経済学者が参加する独占禁止法審判決研究会が日本の今までの審判決を検討した結果をまとめたものとして出るらしいので、それも読んでみることにしたいと思う(この本自体がその本の入門編なのかもしれないとも思ったりする)。

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