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「カラー版 近代化遺産を歩く 」/増田彰久



内容紹介はつぎのとおり。Amazonからの引用ですいません。

幕末以降150年間に、日本は驚くべきスピードで近代化を進めた。鉄鋼、石炭、造船などの基幹産業を立ち上げ、ダムや鉄道をつくり、ホテルや刑務所を建設した。いまでも現役のものもあれば、すでに取り壊されたものや廃墟と化したものもあるが、そのどれもが力強く、美しい。著者は北海道から九州まで、各地に残された歴史的価値の高い近代化遺産を写真と文で訪ねた。



当たり前かもしれないが収められている写真が素晴らしい。著者は、建設会社で広報部に所属し、建物などの写真も数多く撮られた方(と言っても、インタビューによればかならずしも仕事で撮っていたわけではないようだ)なので当然なのかもしれないが、まずそのことが印象に残った。写真として綺麗なだけでなく、対象の持つ美しさが出ているような気がした。

とはいうものの、文中で引用されている建物の写真が全てあるわけではなく、ついでに言うと、予算の都合か、カラーであるべき写真(文中で建物の色について言及しているもの)が白黒だったりするのが残念。あと、文章が簡潔すぎて、今ひとつ印象が薄いという気がした(他の人、例えば「建築探偵」の藤森教授とかのフォローがあったらもっと面白いものになったような気がする。あとがきにあるような経緯があれば難しい話ではないのではないかという気がしないでもない)。もっとも、新書で1000円前後でこういう本が出ていることにも大きな価値があると思うので、判断が難しいかもしれない。

いずれにしても、こういうものを、用済みとなった時点で切り捨てながら、今まで進んできたような感じがするが、きちんと歴史の資料として残してゆくべきではないかと思った。これは「如何にして残してゆくか」という発想の問題だと思う。取り上げられていた建物等の中には、用途は違えども現在も生かされているものがあって(本来の用途のまま残してくれたほうがいいのかもしれないが、ないよりはましだろう)、余計にそう思う。

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