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BUSINESS LAW JOURNAL No.10 1月号



会社で回覧されていたのを、借りて帰ってきて読んだ。以下順不同で特に印象に残った記事の感想を。

特集の「情報共有ノウハウ&漏洩防止策」で企業の事例が上げられているが、情報管理にセンシティブになって当然の企業(のように見える)ばかり取り上げられていて(だからこそ、そういう環境整備について社内の理解が得られやすい)、その他の企業にとってどのくらい参考になるのか疑問。

ただ、社内的な管理の仕組みづくりの中には、ハード的な面というか、行動を「枠にはめる」ことも取り入れること(そもそもゴミ箱をなくすとか、PCを外部に持ち出せないとか)が重要というのがよく分かった。
漏洩防止のためのコンピュータ・フォレンジックに関する記事で気になったのは、内緒で管理用のServletを走らせるという点につき、Servlet自身がウィルスとしてはじかれたりしないのか、とか、そういうものを走らせることが出来るということは、ウィルスがはびこる余地があるということだったりしないのか、とか、いうこと。まあ、専門業者が(宣伝半分かもしれないけど)書いている記事だから、それなりに対応していると思う(思いたい)のだが。

ロジカルシンキングの記事は、そういえば、ロジカルシンキングの講習を受けたっけ、という程度の僕にも、法務の業務の中で、ロジカルシンキングがどう適用されているのかにつき、ありそうな事例を踏まえて書かれていて腑に落ちる感じがした。

差し込まれないための交渉力トレーニングの記事は、これまた、ありそうな話だが、法制度に関する知見のない発展途上国で国営企業との取引をしようというのに、現地弁護士の起用を渋るのは商社ならではなのかな、という気がする。そもそも、最初の段階で弁護士の起用について営業部から疑問が出た時点で、知見がない国の話で現地弁護士なしで丸腰で交渉する羽目になりかねないので、最悪どうなっても知らんと脅かし半分で言いたいよなあと思ったりする。配属されてから半年程度だという設定からしたらしょうがないのかな。

フェアユースの記事は、中山先生の記事は、過激というかアグレッシブで、ガイドラインもなしで、判例法的なものの考え方が一般的とは言えない状況下で、判例法的な形でフェアユースを定着させようというのは無理がないかな、という気がする。せめて刑事罰については、セーフハーバーとか作れないかなという気がする。それに比べると内藤弁護士、伊藤弁護士の意見は穏当な気がした。

メーラーの使い方の記事については、outlook expressが利用者が多い分ウィルスの標的になりやすい点も、ほんの少しとはいえ触れられているのが良かった。書いてあることは企業の法務担当者なら常識的に知っていそうなことばかりで、誰の役に立つのかな、という気がした。

企業会計の記事は、企業会計の国際的な比較可能性への対応のためのコンバージェンスとやらに、漠然とした違和感を覚えていたところに、違和感の一部に説明を付けてくれたような気がしたので、読んでいて溜飲が下がる思いがした。国際的な比較可能性は押し付けるようなものではないという気がしていたのと、投資家サイドにもたらす便益を考慮しても費用対効果で常にプラスに働くとは限らないのではないか、と思っていたので。

REACHの話は、僕の勤め先においても大問題で、社内で対策チームがあって対応しているが、走りながら考える運用もあって、どのみち一筋縄ではいかないし、手間たるや大変なものがあるようだ。なんにしても難儀な話だ、としか思えない...。



ちなみに、目次は次のとおり

情報共有ノウハウ&漏洩防止策
情報共有ツールで効率アップ!

エヌ・ティ・ティ・ドコモ 法務部 二階 信 担当部長 / 坂下昭宏 担当課長 / 松木清倫
法情報と知恵のポータルサイト Law Librarianの部屋

清沢由美 西村あさひ法律事務所 ローライブラリアン
不正競争防止法による営業秘密の適切な保護

土肥一史 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授
漏洩防止にこそ役立てたい コンピュータ・フォレンジック・ソリューション

西澤 晋 シーエーシー(CAC)  技術プロダクツセンター プロダクツグループ長
万全な秘密保持契約はこれだ!

浅見隆行 弁護士
組織の内部統制の観点からみた漏洩防止策

丸山満彦 公認会計士
情報漏洩した従業員への処分はココに注意

浜辺陽一郎 早稲田大学大学院 法務研究科教授・弁護士
[情報保護の具体策を大公開]

リスクレベルを見極めて利活用と保護のバランスを実現
富士ゼロックス 総務部 情報セキュリティグループ
神林 彰 マネジャー / 黒澤秀晃 マネジャー / 相田昌史

ノートPCは持ち出し禁止が原則―PC、メール、紙文書の徹底管理
日立情報システムズ CSR本部 情報セキュリティセンタ 根木正幸 主任技師

従業員教育と体制・システム整備の両輪で漏洩防止
凸版印刷 法務本部 コンプライアンス部 情報リスク管理推進チーム 黒川勝己 課長

漏洩事件を再発させない!対症療法でなくCSRとして考える情報セキュリティ
ジャパネットたかた 吉田周一 常務執行役員
Focus
日本版フェアユース規定の導入でビジネスは変わるか?

著作権者の利益を害さずに社会全体の便宜となるビジネスを救う
中山信弘 東京大学名誉教授・弁護士

中長期的な観点から法的インフラの整備として必要
内藤 篤 弁護士

一般規定の濫用が権利者の泣き寝入りを生む恐れも
伊藤 真 弁護士・弁理士
Interview
積極的な連携でNECグループ全体の法務力を上げる

木下 肇 日本電気株式会社 法務部長
立法・行政機関に対する積極的なロビー活動で法曹界をリード

西川 シドリーオースティン法律事務所・外国法共同事業
特別企画
あなたの説明はなぜ伝わらない?今日から始める ロジカルシンキング!

金井高志 弁護士 / 山岸弘幸 リーガルスタッフ
巻頭言
大学と実務界との交流を望む

杉浦保友 一橋大学大学院 法学研究科教授
連載
実務解説

企業に求められる反社会的勢力への対応
田辺総合法律事務所 薄井琢磨 弁護士
企業会計法Current Topics

コンバージェンスというアプローチの限界
弥永真生 筑波大学大学院教授
Legal Updates Europe

ドイツにおける公開買付け
フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所 内田敦子 弁護士
プラクティカル英文契約講座

「補償条項」
長谷川俊明 弁護士
中国ビジネス法務Q&A

中国の弁護士制度
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 北京事務所 中川裕茂 弁護士 / 李 加弟 外国法顧問
Global Business Law Seminar

EUの化学物質規制(REACH)入門
河村寛治 明治学院大学法科大学院教授
独禁法違反になる?ならない?「不公正な取引方法」の境界線

小売への要望は「再販売価格の拘束」にならぬよう注意!
森・濱田松本法律事務所 玉木昭久 弁護士
差し込まれないための交渉力トレーニング

弁護士を使いたがらない営業部
双日 法務部 澤井信宏
ロースクール事情あれこれ

競争社会の現実
木俣由美 京都産業大学教授
説明の技法

情報提供義務
岡 伸浩 弁護士
今すぐ使える! IT Tools&Tips

メール活用術
たつき総合法律事務所 平岡 敦 弁護士/たつき総合法律事務所 柴 詠美子 秘書
牛島信のローヤー進化論
Pick up! セミナー情報
Movie/Art/Book/Conference

ヤング@ハート/没後40年 レオナール・フジタ展/『常識崩壊』 / 「世界の特許は英語で読める」TotalPatent発売
編集後記・次号予告




(追記)同じ雑誌を見てエントリ書いているtacさんのところにトラックバックしておきます。

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【雑誌】BUSINESS LAW JOURNAL No.10 1月号―制約vs利便性のジレンマを乗り越えた情報漏洩防止策を

  今月のBLJの特集は「情報共有ノウハウ&漏洩防止策」。 情報漏洩防止策に関する新しい会社への提案をまとめていたところだったので、じっくり読ませて頂きました。 究極の漏洩防止策は・・・やっぱりない まずどうしても目が行ってしまったのが、実際に?...

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いやああれは凄いと思いますよ

tacさんどうもです。何でもかんでも、とはないようですが、一応大所の雑誌は買っていて、この雑誌は今月たまたま回ってきた(誰かから送られてきた?)だけかもしれません。個人的には興味深い雑誌なので、回ってこなければ買って読もうと思っています。
それでは。

中山先生

dtkさん

小生blogへのご来訪ありがとうございました。

会社で購読ですか。書籍を社費で惜しみなく買ってくれる会社っていいですね。私の現職は書籍の購入については理解がないので、必要なものは会社に自分の本を持ちこんで対応しなければなりません。持ち運びが面倒です。

中山先生のフェアユース論は、dtkさんの論評を読んで読み直すと確かにアグレッシブですね。最近彼の論に賛同する場面が多かったので、このぐらいの刺激には麻痺しちゃってたようで。気をつけたいと思います。
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