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内田百の旧カナ

本の話だが、アマゾンへのリンクはない。

神保町で一冊の本を買った。内田百。「」の字は門がまえに月。黒澤明の遺作「まあだだよ」の先生のモデルと云うと通りがよいのだろうか。wikipediaにもきちんと紹介されている小説家というか随筆家である。

買ったのは河出書房の「新輯 百随筆」という奴。編纂本というやつか。本屋で目に留まったので買ったのだが、何が良いって、旧カナのままなのだ。彼は1971年に亡くなるまで旧カナで通したはず(少なくとも東京オリンピックの頃までは使っていたのを見た覚えがある)のだが、今書店で普通に手に入る文庫のものは一部の例外(売れ残っている?中公文庫)を除いて、ちくまとかで出ているのは新カナなのだ(便利なものでネット上には文庫本のデータがあった)。個人的には「納得行かん!」((c)友人のO氏)のですよ。

彼の文章の場合、旧カナというところが一つの滋味というか魔力の一つだったと思うし、彼自身は旧カナというだけで敬遠するような輩に与するほど物分りが良いとは思えないし、彼の場合は、それでも読者と云うか信者は出ると思うから、弟子がやったようだが、どうしても納得できない。

僕自身は、高校の図書室にあった旧カナで、装丁が端整な旺文社文庫の「阿房列車」シリーズや「百鬼園随筆」から入ったので(このシリーズ、高校生の時に3分の1くらいまで集めたのだが、引っ越しのドタバタの中で正・続の百鬼園随筆を誤って処分してしまい、手元には旺文社版の阿房列車3冊しか残していないのがすごく悔しい)、旧カナを読者が増えない理由にする神経が理解できないし、理解もしたくない。そういう「まともな」計算の向こうにいるからこの著者は楽しいという面があることを理解していない人間が、無闇に文章に手をつけていいとはどうしても思えない。

ともあれ、久しぶりに随筆が手に入ったので(阿房列車も良いのだが、僕は、それ以外の随筆が好き。本当は旺文社版の正・続の百鬼園随筆を探しているのだが、なかなか手ごろな値段のものが見つけられない。)、折りを見て、少しつづゆっくりと読むことにしたいと思う。

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