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ここまで知っておきたい債権回収の実務―信用調査から税務問題まで /永石 一郎 (著), 渡邉 敦子 (著), 大坪 和敏 (著)


長らく積読だったのだが、ようやく一通り目を通したので感想をメモ。

版を重ねた債権回収に関する実務書。債権回収系では「債権回収基本のき」「現場目線の債権回収」あたり最初に読むべき本として有名なのかもしれないが、この本は、関連する実務を行うのであれば、手元においておくべき実務の要となるべき一冊ということになるのではなかろうか。

与信から、債権回収の見地からの契約書の文言の注意点、債権回収それ自体、さらには税務上の扱いや回収時に一線を踏み越えてしまった場合にどうなるか、という点に至るまで、広い意味での債権回収分野について、コンパクトに解説されている本。実務書で、基本的な知識があるのを前提に書かれていると思われるので、その辺が怪しいと思ったら、いきなり読むのは避けておいたほうが無難。と、いう僕も、担保周りの話は正直よくわからなかった(それ以外にも「ふーん」としか思えず、理解が十分できなかった箇所はあった)。債権回収の問題についてシビアなケースに業務で直面したことがないから、かもしれない。

個人的には「他の債権者に抜け駆けをされた場合の対応方法」の中の「取締役に対する責任追及(役員等の第三者に対する責任」の辺りが、債権回収の観点から会社法を見ると、こう見えるのか、という感じがしたのと、「債権回収と犯罪」の章が、いざというときにはどうしても、紙一重のところで動かないといけなくなるはずなので、そういうときにこの辺の話が頭に入っているかどうかで動き方が変わりかねないよなという感じがして、興味深かった。

とはいうものの、この本は前記の意味で、first aid kitとして使うには敷居が高いし、法律実務家向けなので、street wiseめいた部分はやや弱いのではないか(特に「現場目線での債権回収」の記載と比べると)という気がしないでもない。債権回収の実務においては、これら2冊と併用するのが良いのではないかという気がしている。

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