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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2012年 12月号 [雑誌]


例によって例のごとくBLJの感想。いつものごとく、気になった記事についてのみ。

個人的な一番のヒットは前号の続きの仲裁機関の選び方についての記事。ICC、AAA/ICDR、LCIAといった仲裁機関について、数値を交えた比較はあまり見たことがなかったので、特に興味深い。ICCは費用が高いという話は以前聴いたことがあったが、この記事を見ると、そう言われることに一定程度理由がある(一定の同条件で試算すると他の2機関の倍近い費用になっている)とともに、ICCは仲裁人報酬が固定のため、他の2機関がhourly rateで計算するので、案件の内容によっては必ずしもそうならないというところは、押さえておく必要がある事がわかる。結局安易に決め打ちせずに、紛争の内容等に応じてよく検討するしかないというところなのだろう。
この調子で、弁護士さんによる仲裁人の選び方についての記事、企業側の仲裁手続の経験談というあたりを希望したいところ。仲裁機関側の人でない中立的な立場からの記事で読んでみたい。





特集は、解消を前提にして、提携契約及び周辺事項についての解説。最近この手の話題の中心?とも言える淵邊先生の解消時のポイントも、十分に整理されていて素晴らしいのだけど、契約終了後の問題点についての藤川先生の記事や提携前のDDについての森本先生の記事、それから、実にBLJらしい企業の実務担当者の記事、が読み応えがあった。
特に企業の実務担当者の声は、法務以外のビジネス上の観点も交えると、法務的にすべきことでも結果的にできないことがあるが、実務的な手当のしようがあるというところや、定型的なライセンス契約の雛形についても事案の特性に応じてこだわる必要があると事とそうでないところがあるので、その辺の見極めをしつつ交渉にあたることが重要、というあたりは、実務担当者ならではの声ではないかと感じた。

取締役会議事録作成のポイントの記事については、何より元裁判官の門口弁護士から、裁判官の視点からのアドバイスが興味深かった。こちらについても、企業の実務担当者の声が読みたかったのだけど、あまり伝手がなかったのだろうか?
また、石井弁護士の記事の中で、営業秘密保護の観点から議事録への記載を意図的に省略することがある一方で、すべてのやり取りを記載しない点を補うために、録音したり、議事録限りで速記録を作るという記載があり、そういう必要性があることは理解はするけれど、やり方次第では、Discoveryとかとの関係で問題が出ないのか(速記録には記載があるけど、議事録に記載がないことについて、意図的に「もみ消した」とか言われる可能性が生じるのでは?)気になった。

日本ー台湾の企業間契約における紛争解決条項の記事は、エリアとしてはマイナーなのだろうが、以前の勤務先でこれらの点について調査がなされた(僕自身が調査に関与したわけではないが)こともあって、個人的には興味深かった。外交関係がないことが、企業間紛争において、どういう問題をもたらすのかというところも重要なのだろうが、実務的な解決策については、まだまだ先例の積み重ねがなく、引き続き不透明(それでも執行が認められ他事例が出てきただけ、透明度が向上したと思うのだが)ということは理解しておかないといけないのだろう。

著作権侵害の記事は、実例を見ながら解説がなされているので、記載内容についてはわかりやすいが、判断の微妙さ、難しさが印象的。オリジナリティのあるものは、そうそう簡単に生み出せない、ということも実感する。実務担当者の声の中も、いつものごとく興味深い(特にテレビ局の方のコメント)。


最後に例によって本家から目次の引用。

[特集] 解消時に困らない提携契約のリスク管理

アライアンス解消時の検討ポイント ―業務提携と資本提携を中心に

淵邊善彦 弁護士
契約終了後に残されるリスクと対応策 ―販売提携・技術提携を中心に

藤川義人 弁護士
提携前に行う法務デューデリジェンスのポイント ―資本・業務提携を中心に

森本大介 弁護士
[Comment1] ライセンス契約の解約と継続のバランス

横須賀雅明 持田製薬 法務部法務マネジャー
[Comment2] 海外企業との紛争から学んだ提携解消のポイント

メーカー法務担当者


[Focus] 似てる?似てない?著作権侵害の判断の基本
似てる?似てない?著作権侵害の判断の基本

唐津真美 弁護士
エンタメ系法務担当者に聞く 「これOKでしょうか?」への対応実務

・元ネタとの比較と変更提案のポイント

ゲーム会社



・「盗作」疑いのレッテルは番組的にはアウト

テレビ局



・「似ている」の主張が通りにくい理由

映画会社

[特別企画] 取締役会議事録作成のポイント
取締役会議事録作成のポイント

石井裕介 弁護士
[Interview 01] 取締役会事務局のレベルアップが不可欠

名取勝也 弁護士
[Interview 02] 元裁判官から見た 良い議事録、悪い議事録

門口正人 弁護士


INTERVIEW
法務としての“基本動作”を徹底しビジネスに役立つ組織を目指す

大林組 金森 卓 法務部長 / 北川 工 法務部 第一法務課 課長

実務解説
カルテルを発見する 一歩進んだ独禁法監査 「リニエンシー・レース」を制するために

大東泰雄 弁護士
仲裁機関の選び方(下) 主要な仲裁機関の徹底比較と日本企業が選択する際の視点

スコット・ノナカ 外国法事務弁護士(カリフォルニア州・ニューヨーク州)/ 二瓶ひろ子 弁護士
ベトナムの法規制を踏まえた フランチャイズ事業の始め方

澤山啓伍 弁護士

OPINION
「契約法の現代化」から「財産法の現代化」へ

潮見佳男 京都大学大学院法学研究科教授


Inside Story
改正高年法、企業の負担は増すか

八十島綾平 日本経済新聞社 法務報道部

連載
実務解説

日本と台湾の企業間契約における紛争解決条項
山宮道代 弁護士
企業会計法Current Topics

監査人と不正発見
弥永真生 筑波大学大学院教授
ハブ法務思考で実践する 続 グローバル訴訟マネジメント

情報開示の不備がもたらす証券訴訟リスク
長谷川俊明 弁護士
World Legal & Business Guide

フランス
乘越秀夫 外国法事務弁護士 / 富本聖仁 弁護士
Global Business Law Seminar

中国最高人民法院の指導性案例の役割
明治学院大学大学院
黒瀧 晶 法学研究科博士後期課程、GBL研究所研究員
河村寛治 教授、GBL研究所理事・副会長
これまでの「交渉」の話をしよう

オーストラリア、シドニーでの技術援助契約における失敗談
松田 實
牛島信のローヤー進化論
Pick up! セミナー情報
Movie/Art/Book
編集後記・次号予告

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