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ソフトウェア取引の契約ハンドブック /吉田 正夫 (著)


1989年初版1刷で、2010年初版刷というロングセラーというか古典。法律分野の本は、古典とか成り立ちにくいのではないかと思っているが、この本は例外のようだ。技術革新の動きの速いIT系の分野に関する法律書籍がここまで長寿なのには驚かされる。技術は変わっても法律上の基本的な枠組みについては変更はないという意味なのだろうか??(識者のコメントを求む)


最初の2章(第1章、ソフトウエアの法的保護、第2章ソフトウエア取引と法律)は総論的記載で、個人的には、ソフトウエアについての著作権法の保護の及ぶ範囲についての検討が興味深かった。その後は各論で、第3章はシステム開発委託契約、第4章はプログラム使用許諾契約、第5章は情報処理委託契約の法的性格、第6章はオンラインサービス契約について、それぞれ解説がなされている。同じ点については、重複を恐れず記載されているので、通して読むと冗長に感じるかもしれないが、用事のあるときには、用事のある章だけ読めばよいので、これでよいのだろう。

開発契約とかについては、新しい本が出ているけど、これらすべてを包括的に論じている本はあまりないのではないかと思うし、内容についてまだ「使える」ものが多々あるから、この本がまだ顧みられているのだろう。オンラインサービスとか今はないと思うけど(web上のサービス供給に近いのかな??)、この分野の法務をするうえで、最初に手に取る一冊の候補ではあり続けるのだろう。

とはいうものの、さすがにupdateをすべきではないかという点もあり、それらを踏まえた改訂版も期待したいところ。取引実務の変遷に応じた変更についてはさておき(少なくとも二段階式のソフトウエア開発は含まれるだろう)、法律面でも次のものは含まれると思われる(この他にもありそうだけど)
  • 書式例における、解約事由の中の「和議」は「民事再生」に
  • 個人情報保護法制定以前の書籍なので、同法に対応した記載が必要ではなかろうか。
  • 下請法についても、情報成果物の作成は対象になりうるので、解説の記載および書式例のところで、同法に対応した記載の加筆修正が必要だろう。

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