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企業間紛争解決の鉄則20 /高取芳宏 (著)


国をまたいだ取引紛争に関わって来られた経験豊富な訴訟弁護士・仲裁人の著者が、経験則に基づく「思い切った独断」を「鉄則」としてまとめたもの。紛争予防、紛争解決手段の選択、紛争遂行の3つの段階に分けて論じている。架空の(それでいて、紛争前の対応の中途半端さも含めて、ありそうな)設例に対して、「鉄則」を当てはめた場合の帰結についても論じられているので、「鉄則」が上滑りする感じもなくて、興味深く読むことができた。企業の法務の方々なら一度は読んでおいて損はないと思う。
個人的に特に印象に残ったのは次の3つ。
  • 初動段階でまず時系列に事象を整理するというところ。そうしないと混乱するからやっているのだけど(言わなくても事業部門側が整理して持ってくることもあるし)、整理の仕方というか、表へのまとめ方が参考になる。
  • 日本の訴訟における、非公式な手続きの活用方法。過去の勤務先における訴訟で、指摘されているような活動を勤務先の代理人が活用しているのを見たことがないわけではないのだが、活用方法について書物で論じているのははじめて見たので(僕が不勉強なだけなんだろうけど)。
  • 「専門性」に関する次の指摘。
    「もちろん、専門的な知識や経験が活用できる場面自体を否定するものではないが、むしろ、弁護士が、専門的な知識やバックグラウンドを含めて自ら学習し、その自らが学習したプロセスを、判断権者である裁判官などに、学習してもらうプロセスこそが重要なのである。裁判官などの判断権者も、近時確かにある程度の専門性を持ち、専門部などが構築されているが、本来、例えば、科学や医学、建築などについては素人であり、やはり学習しなければ理解できないのである。その意味では、知財訴訟も、医療訴訟も、建築紛争も、表層的な専門性のみで区別すべきではない、と筆者は思っている。むしろ、自らが学習するプロセスによって、判断権者を説得するプロセス自体を学習できる、という効果もあり、かつ専門分野を超えた、多角的かつ包括的な視野を持ちことによって、色々な武器を駆使する選択肢が広がることもありうるのである」
    この指摘自体もご自身の「成功体験」によるものだと思うのだが、過度の一般化はできないだろうけれど、「専門性」の前に常にひれ伏す必要はないということなんだろう。

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