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米国人弁護士が教える 英文契約書作成の作法 /チャールズ・M・フォックス (著), 道垣内正人 (監訳), (株)日立製作所法務本部英米法研究会 (翻訳)


以前こちらで紹介した本の和訳が出たということで早速買って読んでみた。内容についてのコメントは前のエントリのとおりだが、補足をすると、金融系の契約書を前提にしているところは、メーカーの法務とかからすれば違和感を覚えるかもしれないが、そもそも、メーカーの法務の人たちが翻訳をしているということからしても分かるように、メーカーの立場でも十分参考になると思う。

僕がどうこういうまでもなく、原書が良書なのは間違いない。英文の契約書の作成についての英語の本なので、英文で読むということにも一理あるけど、日本語版があれば、日本人にとっては、やはりそちらで読むのが楽だろうから、和訳があるのは正直助かると思う。翻訳も、元の文章のややこしさ故の読みにくさが多少あるけど、それ以外は読みやすい。現職では翻訳業務が避けて通れないのだけど、その経験に照らしてみると、ここまでこなれた日本語にするための作業量は相当だったと思う。お疲れ様でした。

英文契約についての本ではあるけれど、単にドラフティングだけではなく、作成された契約書のレビューの仕方、DDにおける契約書のレビューの仕方まで扱っているので、契約法務をしない人でも読んでいてタメになるところがあると思うし、和文の契約書においても、英米法の概念が取り入れられている条項(例えば表明保証とか)も多くなっているので、そういうものを理解する上でもタメになると思うから、原書はちょっと、ということだったとしても、和訳については、結論としては、法務系のすべての方々にオススメということになろうかと思う。
冒頭の「監訳者まえがき」で2つ印象に残ったことがあったので、ついでに書いておく。

一つ目は、この本の翻訳者である、株式会社日立製作所法務本部英米法研究会について、
「この研究会は若手法務担当者の集まりであり、会社の海外活動の拡充を法務面からサポートするために英米法の知見を深めることを目的として、1963年に会社内におかれ、現在まで続けられている。
 私は、前任者の故・澤木敬郎教授(立教大学)の後を継ぎ、1994年から研究会の講師の役目を仰せつかっている。これまで、仕事に直接に役立つというよりは、そのバックグラウンドとしての英米法の理解を深めることを目的に、米国民事訴訟手続、英国契約法、M&A、弁護士・依頼人間の秘匿特権やRICO法などに関するケースブック、論文、判決等を研究会で輪読し、論点について議論するお手伝いをしてきた。」
長くなったけど、こういう形で、法務の若手の育成に会社が、50年近くもの間、一定のリソースをつぎ込んでいるというのがやはり凄いなと思う。この辺が歴史と伝統のある企業の底力になっているのかもしれない。

もう一つは、道垣内先生自身による表明
「本書の翻訳の一言一句をすべて詳細に監修した者として、本書の翻訳に責任を負うことをここに表明しておきたい。」
「監訳」という立場の人がどの程度関与するのか不明なことが通常だと思うが、積極的に関与(その方法については、引用はしないが、これも「監訳者まえがき」の中に記載されている)されて、翻訳の内容に責任を負う旨を積極的に表明までするケースというのはなかなか無いのではないかと思う。
 
追記)英語版と見比べたら、末尾のグロッサリーが和訳にないことに気づいた。必須とは思わないが、一応メモ。

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