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取締役物語 /中島茂 (著)


書店で見かけたので購入。
「本書は「取締役」として選任された方のために、その「義務と責任」に関して絶対に押さえておきたい事柄、いわば取締役の「必須科目」を、わかりやすくコンパクトに説明したものです。」とあるとおり、総会指導などで知られる著者が、役員になる人向けにわかりやすく書いていて、そもそもの想定読者の方々にかぎらず、そういう方々に説明をされる法務等の管理部門の方々にとっても、説明の仕方、噛み砕く度合いなどについても学ぶところがあるのではないかと思います。

一例を挙げると、善管注意義務については次のような感じ。
「医師であれ、弁護士であれ、およそ『専門家』と呼ばれるプロは、いったん仕事を引き受けたらプロフェッショナルの良心と誇りにかけて、プロなら当然に求められる注意を払って、委任者のためになるよう、一生懸命に仕事をする、それだけのことだ。このことを法律は『善良な管理者の注意義務』と言っている。『善良な』というのは『誠実な』という意味で、『プロの水準に照らして恥ずかしくない注意を払う誠実さ』」ということだ。これを略して「善管注意義務」というのだ。」

ついでに忠実義務については、次のような感じ。
「『忠実義務』というんは、文字どおり、『会社に対して忠実であれ』ということだ。取締役は会社を裏切ってはならないのだよ。これは取締役に課せられた独特の義務だ。西洋では王様に対して忠誠を尽くす、『ロイヤリティー』(loyalty)という言葉があるだろ。日本でも『忠義』という言葉がある。それが一番ぴったりくる感じだな。取締役たるもの、会社、その背後にいる株主さんたちを裏切ってはならぬということだよ。善管注意義務を尽くすためには腕とか能力が必要だが、会社を裏切らないというのは、人としての生き方の問題だ。ざっくばらんに言えば、腕や能力がなくたって、会社や株主を裏切ることはできるだろう!」

このあたりの噛み砕き方は、役員さんとか相手に説明するとき以外にでも、事業部門の人たちに説明するときにも使えるのではないかと思う。

全体として、専門書のように字も詰まっているわけでもなく、読みやすいので、2時間もあればフツーに読み終わりそうでいて、盛り沢山のイベント(蝶ネクタイの小学生でもどこかにいるのではないかというくらいの、引きの強さとでもいうのでしょうか)を通じて、基本的な項目が押さえられていくところが、オカタイ話に縁のない方にとっても、比較的理解しやすいのではないかと思われます。

もちろん、細かいところでは??と思うもないではない。例えば、そもそも選任時の総会の話がスルーされているし、一年が終わった後の話もスルーされているのもどうなんだろうか、という気がしないでもない。細かい話に入りすぎるから、意図的に落としたのだろうけど。ともあれ、取締役の方に「取締役ハンドブック」をいきなり渡す前に、こういうのを一冊お渡しする、というのも、取っつきにくさを軽減する観点では、悪くはないのではないかと思う。

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