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質問の仕方

拝読している、企業法務戦士の雑感さんのエントリを読んで思ったことをメモ。例のスカイマークの「サービス・コンセプト」の話。例によって一部はつぶやいたことの焼き直しで、すいませんすいません。

かの文書を出すに際して「法的なチェックはすませ、周到に準備した」ということのようだが、その際、法務とどういうやり取りをしたのだろうか?ということが気になった。まあ、平たく言うと自分が法務でこういう相談が来たらどうしたものか、と思ったのだ。


ありそうな気がしたのが、文書と背景事情を説明して、「問題がないかどうかチェックしてほしい」という依頼の仕方。そういう依頼をしつつ、タイミング的に文章が直せないようなタイミングで言ってくるというパターンもありうる。それだと依頼の意味は無いに等しいかもしれない。時間的には間に合うけど、「既に社長のOKはもらっているから、今更大きな直し(そもそもこんな文章を出さないという選択肢を含め)はするな」という形(実際に言葉に出すかどうかは別にして)で依頼が来ることも考えられる。これについても依頼の体をなしていないのは大して変わらない。そういうプレッシャーがなくても、上の方々の空気からしてラディカルな直しを許さない、有り体に言えば「俺のアイデアにケチをつけるのか」という空気があって、言えない、または言ったとしても実質上通らないのであれば、依頼の意味が無いと言うよりも体制自体に問題があるということになりそうな気がするし、もし仮にそういう状態だとすると、きっと内部統制とかの関係でも問題が隠れているのではないかという気もしないでもない。

ここでもう一つ思い出すのが、以前の職場で上司から「事業部門の質問には答えるな」というもの。別に権威主義的なのではなく、言わんとしているのは、そもそも事業部門が質問してくる内容それ自体、質問者の置かれている状況に照らして適切かどうか疑問の余地があることがあるということ。つまり、質問してくる側は法的な知識が十分にあるわけでもないし、個人的な利害の絡む話では、自己弁護の色が入って都合の良い物言いをする(都合の悪い内容を伝えないことも含む)ことがあるだろう。それ自体を責めてもあまり意味がなく、そういう可能性を理解した上で、そもそも何が質問としてあるべきなのか、ということまで把握して、そのうえで、その「あるべき質問」に対して答えを出すことで、会社全体として望ましい状態になるようにする必要がある、ということのようだ。実際細かく訊いたわけではないが、言葉の端々をつなぎ合わせるとそういうことを言っているものと理解した。

この種の議論が出てくるのは、社内で法務が一定の立ち位置を確保していたからというのがあるのだが、それを前提にしても、そこまで相手の状況を把握するには、時間もかかるから、種々の制約条件の中で常にできることとは思いにくい。もちろんそこまでのことができるに越したことはないのだろうとは思うのだが。

ともあれ、そういう発想からすると、おそらく、かの文書に関する相談が来た時に、そもそも質問となるべきなのは、例えば、
「この文書を出すことにより、法的なものを含めたリスクが増大するようなことがあるか、あるとすれば、それはどのような表現であり、それを緩和するのはどのような表現か、代案も含めて出してほしい。また、そもそもこの種の文書を出さない方が良いという重大な理由はあるか」
という感じだろうか。これに対しては、例えば
「文案は、直ちに法令に違反する内容ではない。ただし、責任を取らない、または他者に転嫁しているなどの批判を受け、レピューテーションリスクがあるため、表現の修正が必要」
というような回答になるのではないだろうか・・・。

ただ、こういう切り返しを思いついたとしても、それを実際にするのは、どう考えても相当の勇気がいると思う。特に、法務を取り巻く状況が、そういう対応を許さない時には。このあたりは経営者側のスタンスの問題もあるので、簡単な話ではないと思う。同社の法務の方々は、結局本件の後始末にもおわれたのだろうから、とにかくお見舞い申し上げるしか無い。

(余計なことながら書いておくと、上記は、かの会社の法務の方々を批判するものではない。気分を害された方がいたら、こちらの書き方が不十分なために、ご迷惑をおかけしたことをお詫びする。)

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