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ビジネスパーソンのための企業法務の教科書: / 西村あさひ法律事務所 (著)

手のひらを返す返し方も芸のうちってことで(謎)。


福井先生の名著、と同じような見た目の新書なので、あの路線で…と思って見ると確実に失望すると思われる。

そもそも、福井先生の本みたいな本は、「何を」「どこまで」書くかというところで思い切りよくナタを振るわないと書けないので、おそらく特定個人(一人またはせいぜい2,3名)が責任をもって書かないと無理だよね、と最初から思っていたから、著者名が事務所名になっている段階で、まあ、期待するのが酷なはず、そう思いつつ、それでも「もしかして」と思って立ち読みしたら、「案の上」だったので、最初は買わずにブツブツ文句だけをつぶやいていた。

ところが、企業法務戦士さんが、購入して、きちんと読んだ上でエントリにされていた。それを拝読して、思うところがあったので、手のひらを返して、買って読んでみた。
「序論」の部分を読むと、内容的には、福井先生の本の後に続くような本にする意図は事務所側にはなかったと考えるのが妥当な見方だろう。寧ろ「企業法務の最先端」という名前の方が良かったのかもしれない。最先端すぎる内容を理解できるようにするための教科書がいるような高度なものが多かったから。要するに編集の問題と見るべきなのかもしれない(そういう指摘が某先生(ご迷惑をかけるといけないので敢えて名は付す)からあったし)。

正直なところ、そもそも、日本のトップクラスの規模、人材などを有し、法務の最先端を行っているような事務所に、ビジネスパースン向けの法務の「教科書」を依頼すること自体どうなんだろう、と思う。そもそも、最先端の事務所であるがゆえに、企業法務の実務の95%以上はかの事務所には持ち込まれないはずだし。野暮を承知であえて言えば、フィーの水準からしてそうなるのが相当と考える。少なくとも、僕は、案件をお願いするときに案件の難易度と、フィーの水準は気にするし、企業に取ってはコストである以上コストを気にしないのは、法務の担当者として、というか、それ以前に会社員として問題有りと考えるべきだと思う。そういう事務所の人達に見えている部分が、普通の企業の法務部門で行われているような実務からしてずれているというのは、批判としてはやや酷なんだろうと思う。
(念の為に言うと、かの事務所のフィー水準が高いことを難じているのではない。水準に見合う高度な仕事しか来ないと見るのが相当だろうと言いたいだけである。フィーについては、事務所でのセミナー等に行くと、ビルの賃料や調度品などからして、一定程度の想像は不可能ではないように思う)

誤解を避けるために言っておくと、記載の内容については、名にし負う事務所の方々が、様々な分野について、知見を簡潔に述べていて、それが、この値段で手に入る、と言うことそれ自体にも意味は十分にあると思う。ただ、それぞれの分野について、実務でどっぷり関わっておられる方々にとっては、それぞれの内容が簡潔だろうから、もっと詳しく読みたいという内容があるのは間違いないだろう(一部の分野については、それぞれの先生たちが別途著書を出されているのもあるので、それを見れば良いのだが)。個人的には、独禁法のところの同業者間での情報交換のあり方、の記事は過去に悩んだ経験があるので、参考になったし、クライシスマネジメントの記載も、今のところ経験はないものの、そもそもそうそう経験できるものではないので、これまた参考になった。企業の法務の方であれば、各人の実務の状況などに応じて読むと、参考になるものがあると思う。

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