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JALの整理解雇訴訟2件の判決文を読んでみた。

旧聞に属するが、前にも若干触れた、JALの会社更生手続きの過程で整理解雇となり、訴訟で解雇無効を主張された方々に対する判決が2件、3月末に出ていた。既にNBLでも紹介されており、そこで判決文のpdfコピーが原告団のサイトにあるという記載があったので、読んでみた。既に事件としてはともに控訴されているうえに、そもそもこの再生手続自体が相当異例だと思うので、どのみち先例的な価値という意味では疑問があるが、ともあれ、読んだついでに若干の感想などを。
個人的な関心点は次の点だった。
  1. 整理解雇を認めるかどうかについて、いわゆる四要件説に立つなのか、四要素説に立つのか。 一応四要素説が有力という認識でいるのだけど、労働者より(という言い方が適切かどうかはさておき)の弁護士さんの最近の実務書とかには、四要件説を堅持されておられるかのようにみえる(その差異がどこまであるのかも疑問があるけど)ものもあるので、どっちと判断されるか、というところが気になった。
  2. 整理解雇と会社更生との関係。更生計画として審査した上で裁判所が認めたものの一部として実行するのだから、裁判所がそう簡単に否定するとも思えないけど、一方で、更生計画の一部だから即OKという話も何だか乱暴かもしれない、と思ったので、どういうバランスのとり方をするのか。
  3. 上記の四要素または四要件の中の、「整理解雇の必要性」と会社更生との関係。会社更生をするのだから、整理解雇の必要性はあるのだろう、と思ったのだが、そういう理解で良いのか。

1については、どちらの事件においても特段の説明なく、「総合考慮」ということで、四要素説に立つ旨(というか、四要件説に立たない、というべきか)が書かれていた。原告側が争わなかったのかもしれない。

2については、どちらの事件ににおいても、会社更生(再生機構の支援と会社更生手続を併用して事業廃止を回避した事前調整型企業再建スキーム、というのが正確な表現)は、整理解雇に至る一つの事情として考えるということで、会社更生だからストレートに解雇を認めるという話にはさすがにならないようだ。

3については、原告側が4つの要素のうち最重要と捉えていた(という記載が判決文にある)ことを受け、今回のスキームに至る過程から検討して、結論としては、合理的な経営判断だったとしている。双方の事件の判断過程の中で、事業規模に応じた人員構成にするというのが更生計画上要請されていたことが言及されていることからすると、会社更生の手続きについては、程度はさておき、相当重要視されているのではないか。

読んでみて思ったのは、3/30の判決で指摘があったのだが、機構の出資の償還に伴うリファイナンスの交渉、そのための更生計画の前倒しでの実施の必要性というところまで考えると、更生管財人は更生計画よりもさらに手を縛られていたとも言え、そうなると、今回の解雇の必要性については、なかなか反論がしにくいのではないかという気がした。
(もっとも、判決しか読んでいないので、そもそも事実認定から問題有り、という議論の余地があるのかもしれないが、そこはさすがによく分からない)

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