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英文契約書取扱説明書―国際取引契約入門 / 中村 秀雄 (著)


丸紅で長らく法務を担当され、その後アカデミックに転身され、その間に、「英文契約作成のキーポイント」をはじめとして、英文契約に関する数々の著作を出されている中村先生の本なので、不見転で購入。

この本の狙いについて、「はしがき」に次のようにある。

この本は、「自分の会社には法務の専門家はいないし、近くに国際弁護士もいないので、完全なことができないのはよくわかっているが、取引規模もそれほど多額に上るわけでもないし、多少のリスクは授業料と思う覚悟はできているから、とにかく海外と直接取引してみたい」と願っている読者に、何とか最初の一歩を踏み出してもらうために書かれた、国際取引契約の「いますぐスタート」編である。

なるほど。ご自身が商学研究科アントレプレナーシップ専攻で教鞭を取られていることも影響しているのかな?と思ったりもするけど、とにかく、はじめの一歩を踏み出すための手助けとなるべく書かれた一冊ということらしい。

実際、資料(参考文献リスト(日本の本だけ掲載)、インコタームズ2010、CISG(共に英日併記)を別にすれば200ページ弱で英文契約について、最低限のところが押さえられているのではないかと思うし、その際に、まずは出てくる用語の説明、から丁寧に説明をされているので、個人的には読みやすいし、説明の仕方については、実務経験をお持ちの方々にとっても参考になるのではないかと思う。

最低限のところの押さえ方としても、最初からリスクの大きな取引はしないだろう(その前提があっているかどうか、隠されているリスクに単に気づいていないだけではないか、ということをどのように確保するかはさておき)とか、いくつか前提を置いたうえで、省けるところを大胆に切り捨てて、最低限として手当をすべきところについて説明をしてくれている。切り捨てる際の見立ての仕方に、長年の経験に基づく、ある種の相場観に関する読みがあって、そこも興味深い。
(なお、極めて当然のことながら、あちこちに断り書きがあるように、「最低限」のカバーを志向しているので、個々の説明については、ある程度学んでくると、?と思うところも出てくるし、それ故に記載に全面的に依拠しにくいということになるのだが、そこは、寧ろ、ここまで端折ることができる、ということがポイントと考えるべきだろう)

英文契約というと、どうしても細大漏らさず規定しようとする方向に偏りがちなんだけど、英文契約になれていない人にとっては、こういうアプローチの方が寧ろプラクティカルなのではないだろうかという気がしないでもないし(たくさん規定しても締結後の運用過程でそれらの規定についてきちんと使いこなせない可能性や、却って逆手に取られることも想定しうるから)、法務の担当者にとっても、重要度の濃淡を念頭におきつつ交渉をする、または交渉についてのアドバイスをするということは重要なので、法務の担当者の方々にとっても、手元において損はないのではないかと思う。

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