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実務英文契約書文例集 /黒河内 明子 (著), ムーン・キ・チャイ (著)


英文契約について、NDAとか売買契約とか普段よく使う契約形態については、当然のことながら(米国企業の日本現地法人にいるので)、それ相応に手元に雛形があるのだが、普段あまり使わない契約形態のものについてはそうでもないので、何らかの文例集を手元に置いておきたかったので、本屋で見て、新しめの本ということもあり、この本にしてみた。
#一部書き忘れを加筆修正した(2012/5/13)

日本の弁護士さんが、同じ事務所で、韓国系の方でアメリカでJDを取って弁護士さんになった方(外国法事務弁護士)と共著で書かれた本。英文について外国人の弁護士さんにチェックしてもらったというものは見たことがあるけど、共著という形になっているのは見たことがないような気がする。

内容面では、最初に総論で、いわゆる一般条項についての解説も含め、文例を読む上での前提となる知識の説明を行い、次に条単位で文例とその和訳、それから重要そうな箇所については説明、という構成になっている。一般条項については、繰り返しを避けるために文例においては省略となっている(だから第一部で先に解説した、ということでもあるらしい)。



個人的に良いと思ったのは次の諸点
  • そこそこ多くの種類の契約類型の文例がある点。まあ、この手の本は一冊ではどのみち足らないと思うのだが…。
  • 文案については、米国の弁護士さんが共著者で入っているから、というわけではないと思うけど、結構細かいところまで配慮がなされているように思われた(事案によっては、さらに細かく色々書くこともあると思うが…)点。一例を挙げると、秘密保持契約について、秘密情報を受領する側の当該契約の期間満了又は終了時の措置として、通常受領した情報の返還または破棄を規定しているところ、電子メールで受領したものについて、サーバーサイドで自動でバックアップを取っているようなケースについて、一定期間後に自動的に削除するものについては、除外するとか文例がある点。ここまで考えているのは、個人的には見たことがなかったので(僕が不勉強なだけなのでしょうが)。
  • 文例がword fileのデータとして別添のCDROMに収められている点。データを打ちなおして使うのは手間なうえに、打ち間違いのリスクもあるので、そういう手間とかリスクを回避できるのは素晴らしい。
  • 和訳の後ろに、箇所を絞って載せられている解説も、勉強になることが多かった。これまた一例をあげると、知的財産権に関する保証の条項において、特定の権利について、保証はしないけど、補償はする、という規定の仕方をする意味の説明とか…。

逆に、次の諸点については、もう少し何とかならなかったのかな?と思った。
  • 和訳は本文に要らないような気がした。CD-ROMに収めるというのではダメだろうか?全体の分量としてはこのくらい(全体で370p程度)が無難なので、同じ紙媒体のスペースを有効に使うという意味では、もっと解説を充実させるとか(何気なく書いてあるところでも、意図の説明をお伺いしたいところがあったので(一定程度推測はできるけど))、取り上げる文例を増やすとかしてもらった方が個人的には嬉しかった。
  • いわゆる一般条項ではなくとも、通して読むと同じ文言が繰り返し出てくる点も何とかできなかったのかな、と思った。もっとクロスレファレンスを駆使してもよかったのではないだろうか(一部では使われていたが)。
  • いわゆる一般条項の中に、相手方の倒産などの場合の解除権など、期限の利益喪失約款の類の記載がなかったように思う(少なくとも紙の本の部分にはなかった)。ないとマズいような気がする。まあ、他の本などを基に補えば良い話ではあるのだが…。
?と思った点のうち、最初の点に関係するが、ゼロから英文契約を読むような人に取っては解説が必要そうなところについて解説がスルーされているような気がした。文例がメインなので、そのことについて異議を唱えるものではないが、その意味で他の本で基本的な知識は押えてから使用するべき本ではないかと思う。

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