スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2012年 04月号 [雑誌]


出遅れたものの、例によって、気になった記事についてのみ、感想などを順不同でメモ。読み応えがあった割に感想自体はいつになく凡庸なのはご容赦あれ。

第1特集は、ありがちなものかと思いきや(それはそれできっと有用だと思うのだけど)、よい意味で期待を裏切るもので、なかなかよかったように思う。それぞれのパートについて一つずつ印象に残った記載をメモしてみる。
  1. 売買契約:法律用語を条項中に用いることは避けるべし。
    →dtk感想:法律用語は抽象度が高すぎるので、使わずにもっと具体的に権利義務を記載すべきとのこと(と理解した)。あまりそういう形で意識したことがなかったけど、確かに、と思う。
  2. 業務委託契約:業務委託契約書の審査をする際には、「この契約では、こんなトラブルが発生するのではないか。この契約書でそのトラブルが発生したときに対処できるのか」といった危機管理の視点を忘れてはならない。
    →同上:ある意味当然かもしれないけど、(情けない話だが)時に忘れそうになるので自戒の意味を込めてメモ。
  3. 特許ライセンス契約:実質的な契約審査のためには、「彼らは(dtk注:営業担当者)、この契約書によって、いったい何をしようとしているのか」に興味を持ち、想像力豊かに、具体的な事業をイメージすればよい。「一方当事者の」法務担当者である以上、会社の営業担当者なり事業部門なりが意図している事業をその意図どおりに実現させるべく、付加価値を加えればよい。
    →同上:興味を持つ、というのが実は一番重要だと思う。興味を持てば情報は入ってくるというか、入ってきているはずの情報を認識しやすくなるし、それにより想像もしやすくなるはず。今の勤務先について、それが十分でないと思っているので反省するところ。
  4. 提携契約:営業担当者から提携契約の審査依頼がきた場合、契約書案の内容を見るよりも前に、その場でまず営業担当者に確認すべきは、「その提携は独占的提携ですか、それとも非独占的な提携ですか」である。
    →同上:理由は記事を参照、だけど、確かにそこが最初に押さえておくべきところ。契約書の細部に入る前に、というところが重要。細部に入り込んでしまうと、そこを忘れがちになるし。
  5. 取引基本契約:買主が瑕疵が些細であるとして特別採用したときに、瑕疵が拡大して最終製品において損害が生じたようなケースを想定して売り主側の免責規定をいれるべきとの指摘。
    →同上:前にも書いたけど、秘密保持の条項で、秘密情報の例外のところに官公庁からの開示要求があったものを入れておくのは、どうなんだろう?開示要求があった際にそれに応じて開示する事が秘密保持義務違反にならないように手当をするのは必要だが、それは、その要求限りで手当をすればよくて、要求があったらその情報が秘密保持義務の対象から除外されて、以後は自由に第三者に開示可能となる、というのでは手当の仕方として問題があるのではないか。

第2特集は、最先端の話で、こういう分野をやる醍醐味や難しさのようなものは伝わってくる反面、正直ピンとこなかった。自分がそういう分野から縁遠いところを歩んできたからなのだろう。いつもながらに各社の生の声が興味深い。

本田技研の法務の方のインタビュー。「米国のロースクールへの派遣を過去に試みたこともありましたが、長期的に見ると、海外に駐在員を派遣した方が得るものは大きい気がします。」というあたりが、派遣でLLMに行った人間としては興味深い。何と何を比較したのかが訊きたいところ。

ローパフォーマーの解雇の記事は、なんのかんの言っても、一応やることをやれば解雇はできるんだな、と実感させてくれた。もっとも、そのやることをやれば、というのは、よく読むと結構手間がかかるわけで、いつも簡単にできるものではなさそうだけど。ただ、よく争われていることもあってか、ある程度のマニュアル化、みたいな感じでまとめられるところが印象的。あと、まあ、中途採用は、特定の能力・職責を前提にしている分だけ、それを果たさないときは、相対的にはクビにしやすいという趣旨の記載があって、気をつけないと...と自分のことをちょっとだけ心配してみる(今の勤務先では、現時点ではまだ、そういう話にはなっていないと思うけど...)。

更生手続における動産売買先取特権等に基づく債権回収の記事は、なかなか関与する機会のない(望むようなものではないが)更生手続の対処法のヒントになりそうで有用な気がした。

非公開会社のための新・会社法実務NAVIも興味深かった。グループ内再編の場合、再編の手続き前にそもそもこの再編をするのかどうか、というところの擦り合わせからしないといけないだろうと思うのだが、その辺の点についても含めて、細部に目配りしつつ、手続きの流れがわかりやすいので、この種の手続きが必要になったときには有用ではないかと思う。再編を奇禍として、買い取り請求を通じて投下資本の回収をはかってくる機関投資家への対応は何とも悩ましそう。

会計監査人の報酬に関する記事は、今まであまりというかほとんど考えた事がない分野なので、正直「ふーん」という感じだけど、問題の所在は理解できたような気がする。時として難しい問題になりうるのはわかるけど、それ以上は正直なんともわからないけど。

グローバル訴訟マネジメントの記事は、開発危険の抗弁の国ごとの違いは興味深いのだけど、できれば、もっと突っ込んで判例紹介とか詳しくしてほしかった。これだけでも十分有用なのだけど。メーカーの割に、今までのところPL問題に巻き込まれた経験がないので、勉強不足なので、精進が必要。

中国からの撤退方法の記事は、内容に比して短い分量だけど要領よくまとまっていると思った。個人的にも、この手の話に興味があったので、読めてよかった。やはり、中国特有の事情があって、撤退は一筋縄では行かないということを痛感した。事前の、できれば、進出時からの、撤退の可能性を見込んだ管理が重要なんだな、と思う。

最後は例によって本家から、目次の引用。

[第1特集] 契約審査の着眼点 無難な書式の落とし穴
売買契約

田路至弘 弁護士
業務委託契約

浅見隆行 弁護士
特許ライセンス契約

岡田 徹 弁護士
提携契約

熊木 明 弁護士
取引基本契約

佐藤孝幸 弁護士


[第2特集] インターネット広告規制の現在
インターネット広告における法規制の全体像

森 亮二 弁護士
インターネット広告とプライバシー保護

二関辰郎 弁護士
米国でインターネット広告・宣伝活動を展開する際に押さえるべき法規制

フローレンス・ロスタミ 米国弁護士
どこから火がつくか分からないと、用心するに越したことはない

上沼紫野 弁護士
各社の取組み

[広告主]
■ ソーシャルメディアガイドラインの作り方
石井龍夫 花王 Web作成部長

■ ソーシャルメディアポリシーは作ったものの…
食品メーカー 法務担当者


■ タイアップブログが炎上
アパレル 法務担当者



[メディアレップ]
■ 仲介の立場としての責任範囲
インターネット広告会社 法務室長



[制作会社]
■ やみくもな抑制ではなく違法行為の回避に注力
ウェブサイト制作会社 法務マネージャー



[媒体]
■ 大手媒体だからこそ厳正に審査
別所直哉 ヤフー CCO 法務本部長 兼 政策企画室長

■ 変化の激しいインターネットサービスの健全な発展を法務・渉外の面からサポート
長島恵美子 楽天 法務部 法務グループマネージャー / 小木曽 稔 渉外室 渉外課


INTERVIEW
ビジネスラインに付加価値を与える戦略的な対応を

清田 聡 本田技研工業 法務部部長

実務解説
ローパフォーマーに対する解雇等の実務的な対応

遠藤元一 弁護士
競業禁止・秘密保持義務に関する最近の裁判例の傾向

末 啓一郎 弁護士


OPINION
50年ぶりの国税通則法大改正

三木義一 青山学院大学法学部教授


Inside Story
自炊代行訴訟、「複製者は誰か」が焦点に

瀬川奈都子 日本経済新聞社 編集局 証券部記者


連載
実務解説

更生手続における動産売買先取特権等に基づく債権回収
辻 拓一郎 弁護士
非公開会社のための 新・会社法実務NAVI

企業再編 ② 手続の進め方
山田直樹 伊藤忠シェアードマネジメントサービス ビジネスサポート部長
企業会計法Current Topics

会計監査人の報酬
弥永真生 筑波大学大学院教授
ハブ法務思考で実践するグローバル訴訟マネジメント

「開発危険の抗弁」の各国の違いを知る グローバルなPL訴訟の武器
長谷川俊明 弁護士
World Legal & Business Guide

カンボジア
永田有吾 弁護士
Global Business Law Seminar

中国からの撤退方法
韓晏元 中国弁護士
具体例に学ぶ e法務ソリューション

デジタル証拠開示への関心の高まりを実感
AOSテクノロジーズ
牛島信のローヤー進化論
Pick up! セミナー情報
セミナーのご案内
Movie/Art/Book
編集後記・次号予告
ページトップへ戻る

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
04 | 2017/03 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
プロフィール

dtk

Author:dtk

日本にある企業の法務部署で働いています。
*コメント等で私に言及するときは
"dtk"でお願いいたします。

旧ブログ

ITエンジニアのための契約入門 iPod touch/iPhone用にリリースされました。詳しくはiTunesAppStoreから入手可能

初めてコメントいただく際には「このblogについて」もご覧いただければ幸いです。

カビバラさん時計
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
    follow me on Twitter
    カウンター
    Amazon.co.jp

    ブログ内検索
    RSSフィード
    リンク
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。