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Contract Drafting: A Prerequisite to Teaching Transactional Negotiation

ネタ探しにSSRNのLegalのところを見ていて見つけたpaper。書いたのがBUに新しく(個人的な感覚では新しく、だな。)来たTina L. Stark。BUでTransactional ProgramのDirectorらしい。実務よりの教育を行うプログラムらしい。

このpaperでは、交渉、その中でも契約交渉(訴訟の和解交渉のあり方とは様相が異なるとしている。個人的な経験からしてもそうだと思う。)について教える際に、どのように教えるか、ということについて述べられている。

個人的に興味深かったのは、まず、契約書のドラフティングができることを、契約交渉について教える前提としていること。さらに、ドラフティング、法、ビジネス全体、および当該取引が、相互に密接に絡むから、それぞれについて十分な理解が重要としていること。ドラフティングをするといっても、特定の文言の修正が何をもたらすか、理解していないと、その修正をすべきなのか、否かについて適切に判断できないし、その判断をするうえでは、行っているビジネスの全体像および今回対象になっている取引がクライアントにとってどういう意味を持つものなのかを理解している必要があるというのは、どこまで理解していないといけないのか、という点については、議論があるように思うが、確かにそのとおりだと思う(以前の職場で上司から言われたことがあるし...)。

そのうえで、実際に教えるときには、ロールプレイと解説を交えるということが述べられている。実例として出てくるやり取りについても、いかにも契約交渉でおこりそうなやり取りをのせていて、臨場感があるのではないかと思う。

こういう形で教えを受ける機会があるのは、意義のあることかもしれないと思う一方で、日本で同じことがどこまでできるのだろう、と心配をしないでもない。実務家とアカデミックの距離がアメリカに比べると、遠い日本では、実務家教員が行うしかないのかもしれないが。

それと、本文の脚注でハンドアウトについての記載があり、こちらを見ると、弁護士視点から見た契約書のチェックポイントというのが記載されているので、以下勝手にざっくりと訳してみる(精度には自信がないので、そのつもりで...)。上記の趣旨が遺憾なく発揮されていると思う。クライアントを社内のクライアントと思って読むと社内の法務担当者にとっても参考になることがあるのではないかと思う。



  1. その規定のビジネス上の目的は何か?
    1. クライアントはこの規定から何を得るのか
    2. 相手方はこの規定をどのように受け止めているのか?それについて、もっとも重大な問題は何か?
  2. 中立的な視点から見て、ドラフトされたままで、その目的は達成されるのか?
    1. 取引を適切に表現した契約になっているか?表現の仕方が異なる場合、事実関係は正しく盛り込まれているか?契約書の中に記載があるからといって、その内容が正しいとは限らない。
    2. 契約法の概念として適切なものを用いているか?
    3. この種の文言をドラフトするときの規則に従って書かれているか?(例:もし金銭の支払いについての規定ならば、金額の記載、および個々の種類の対価について支払義務の記載の双方を含んでいるか?誓約事項の場合、誰が、何を、いつ、どこで、どのように、どのくらい、という質問に答えたものになっているか?裁量的な権限を示す意味で"may"を使っていないか?)
  3. ドラフトされたもので、クライアントのビジネス上の目的は達成しているか?クライアントの利益が促進または保護されうるのか?この規定がクライアントを害することはないのか?何か記載もれはないか?
  4. その規定が他の規定に影響を及ぼさないのか(カスケード効果)?
  5. その規定が別の法的な問題に影響しないのか?
  6. 業界または実務特有の問題点は検討されているか?
  7. 分析した結果、他のビジネス上の問題が明らかになっているか?次の5つのポイントによるフレームワークを使って考える。
    1. 金銭ーこの契約書はキャッシュをもたらすか?
    2. リスクーリスクについては適切な割り振りがなされたか?
    3. 統制ー意思決定は誰がするのか?その権利は拡張または制限できるか?クライアントはどのようにリスクを管理するのか?
    4. 基準ー基準は、クライアントにもっと親切なものにならないか?いかなる種類の基準が最良か?曖昧なものか、詳しいものか?
    5. 解除ー契約書には、債務不履行、救済措置、契約解除および円満な契約関係満了の規定を含んでいるか?
  8. ドラフティング上の問題はないか?
    1. 削除すべき法律専門用語はあるか?
    2. フォーマットから明確さが生まれているか?
      (訳注:インデントとかを適切に使って、入れ子構造が明確にわかるようになっているか、というようなことなのだろう)
    3. 文の構造の変化を通じて、明確さが生まれているか?
    4. 曖昧さがないか?

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