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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2012年 03月号



例によって例のごとく。気になった点を順不同で。

まず第二特集。法分野ごとに官庁の人が書くというのは商事法務とかNBLとかであったけど、企業の人とかがコメントするというのは、あまり見たことがなかったので、目の付け所に関心。

ただ、論点の設定の仕方については、これでよかったのかどうか、ちょっと微妙な気がした。項目ごとの論点の設定のレベル感も異なっているのが良かったのかどうかよく分からなかった。個別の論点についても、個人的には次のものはあってほしかったように思った。既に過去の取り上げた話かもしれないが、過去の号を読者が読んでいると想定して良いのかどうか、というところも考えどころのように思われたので。
  • 内部通報に関する話。オリンパスの内部告発の件の高裁判決とかもあったので、実務をどうするか、というところは重要になるのではないかと思うけど、最高裁判決待ちということなのだろうか。労働法に絡む話ではあるが、個別の論点として取り上げるに値するはなしではないかと思うのだが…。
  • 特許については、特許法改正との関係で当然対抗制度に関係する実務の話とかあっても良かったのではないか。
  • 論点という意味では債権法改正それ自体と、その動きにどのように対応するか、というのも一つの論点と言うか課題なのかもしれない(これは会社法についても同じで、ただ、会社法については、第一特集と重なるから特に不要だと思うが…。)
あと、細かいのかもしれないが、林大介さんの記事のところで、ネットに関する話の記事の最後にコンプライアンス(優越的地位の濫用規制および下請法)の話が出てくるのが、よく意味がわからなかった。その前の部分との繋がりが読めないうえに、独禁法・下請法については別途元公取の方がコメントされていて、重複しているようにも見えたので。
第一特集については、学者、弁護士、企業の実務家とバラエティに富んだ錚々たる面々からコメントを集めていて、興味深いし、大企業の視点だけではなく、中小企業に対する影響についての目配りも忘れていないのはさすが、というところだろう。

個人的には武井弁護士が、企業価値の維持・向上のための監督については、「プラスを伸ばす」ものと「マイナスを防ぐ」ものとあり、その違いを会社法上の制度設計上も意識し、前者については、現場を知る社内での監督が有用な一方であり、業務執行をしていない役員による監督を強制するのになじまず、後者については、現場での利益相反故に自浄機能が作用せず、故に、業務執行をしていない役員による監督を強制する、という整理(正確な表現は雑誌をあたられたい)は、非常にわかりやすかった。また、監査役の名称を監督役に改めるべしという指摘も、なるほど、というところ。会計監査との用語の区別がわかりにくく、監査役が監督機能を果たしていることが、日本の外に伝わりにくいのは、確かにそのとおりだと思うから。

新興国進出におけるリスクの記事は、これはこれで非常に面白いのだけど、3回を通じて、やや抽象的な感じもしないでもなかったので、以前workshopの記事であつかったようなケーススタディがあった方がよかったのかもしれないと思った。また、最終回の今回に、撤退を想定する、旨の記載が少しだけあるが、個人的には、撤退をするときに障害となる要素をどうやって減らすか、という視点での解説がもっと欲しかったと思う(ここは最初の回の記事について同様の感想を書いたけど)。

パテントトロール対応の記事は、これはこれで興味深い。幸か不幸か、トロールと争った経験はないが(そういう意味では経験豊富なsenri4000さんあたりに、感想を聴いてみたいところ)、参考になる。トロール相手といっても、根拠なく思っていた以上にできることは色々あるということは重要だと思う。まとめとして挙げられているのは次の4点。

  1. 相手を見極める
  2. トロールの攻め手(特許)の有効性を見極める
  3. 有利な裁判地の選択(+共同被告の選択)
  4. 訴訟中の戦略
    1. クレーム解釈審理の申立て
    2. ディスカバリーの活用
    3. トライアルのテーマを確定
    4. 反訴の提起
    5. 特許局へ再審理請求


労働法の実務解説は、地味というと怒られそうだけど、実は結構興味深い内容が多いので、労務系の話については、まとめて本になると良いのではないかと思っていたりする。労働審判については、過去の記事などから時間的な制約の厳しさからくる対応の難しさは、認識していたが、今回の記事で会社担当者が期日に出席する必要性の指摘があり、ここまで理解してないなかったし、仮に欠席した場合の、事実面も含めたインパクトについての指摘は、有用と言うか、知らなかったので、万が一巻き込まれたときには気を付けようと認識を新たにしたところ。

最後に例によって本家から目次の引用

[第1特集] 会社法改正をどう理解するか 中間試案のポイントと懸念事項
[INTERVIEW] 何のための会社法改正か 企業統治・親子会社法制の中間試案分析

武井一浩 弁護士
「会社法制の見直しに関する中間試案」の見どころ

田中勇気 弁護士
ANGLE

■ 会社法で定めるべきミニマムスタンダードとは
石井裕介 弁護士

■ 理論と実務のバランス調整が課題
弥永真生 筑波大学大学院教授


■ 持株会社では「親子会社に関する規律」による影響を注視
永池正孝 バンダイナムコホールディングス 
経営企画本部コーポレートコミュニケーション室 ゼネラルマネージャー



■ ガバナンス改革の早道は取締役の業務執行との「兼務」を規制すること
唐津恵一 東京大学教授



■ 中小企業では社外取締役の費用対効果が重要な問題
西村千里 メック 顧問



■ 中堅・中小企業の視点から見た疑問点
金子登志雄 司法書士


[第2特集] 2012課題・論点
契約書審査・回答・提案の運用基準

高橋 靖 ミズノ 法務部長
契約書の先を見る実務力

河西敏章 双日 法務部第三課
主管部門との協働/アジア案件対応

堀江泰夫 新日鐵化学 総務部法務グループマネージャー
リスク管理体制の整備

横須賀雅明 持田製薬 法務部法務マネジャー
企業内弁護士

本間正浩 弁護士
海外M&Aにおける三つの課題

堀見和哉 キリンホールディングス 法務部
クラウド/ソーシャルメディア/画面デザイン保護

舟山 聡 日本マイクロソフト 業務執行役員 法務本部長・弁護士
インターネット上の著作権侵害への対応/私的使用のための複製

林 大介 ニューヨーク州弁護士
特許の無力化と技術流出を防止するための必須課題

原田英一 三菱電機 知的財産渉外部第四グループ マネージャー
商標・デザイン

青木博通 弁理士
独禁法・下請法

上杉秋則 シニア・コンサルタント
労働法

高仲幸雄 弁護士
消費者法

森 大樹 弁護士


 
海外展開を進める企業に向けて
ラテンアメリカ法規制の特徴とグローバル視点での対応

エデュアルド・レイテイ ブラジル弁護士
ジェレミー・ピッツ オーストラリア・英国弁護士
武藤佳昭 弁護士・米国弁護士
パテントトロール対策を成功に導く実務

ライアン・ゴールドスティン 米国弁護士


OPINION
シンプル・イズ・ベスト

齋藤憲道 同志社大学法学部教授


Inside Story
上場廃止は何のためか?

三宅伸吾 日本経済新聞社 編集委員


連載
実務解説

会社が労働審判手続を申し立てられた場合の実務対応
福岡祐樹 弁護士
非公開会社のための 新・会社法実務NAVI

企業再編 ① 手続の選択
山田直樹 伊藤忠シェアードマネジメントサービス ビジネスサポート部長
企業会計法Current Topics

ヨーロッパにおける中小企業の会計をめぐる動向
弥永真生 筑波大学大学院教授
[新連載] Lawyers Viewpoint

FCPA違反の摘発に新潮流?
前田陽司 弁護士 / 黒澤幸恵 弁護士
新興国進出におけるリスク

進出後に発生し得るリスクへの対応策
木内潤三郎 弁護士
[新連載] ハブ法務思考で実践するグローバル訴訟マネジメント

訴訟リスク管理でより重要な日本の「ハブ法務」
長谷川俊明 弁護士
World Legal & Business Guide

フィリピン
平石 努 弁護士 / 村主知久 弁護士 / 立石竜資 弁護士
Global Business Law Seminar

中国における合弁紛争とその解決方法
韓晏元 中国弁護士
具体例に学ぶ e法務ソリューション

本格化するフォレンジックツールの機能と操作性
AOSテクノロジーズ
牛島信のローヤー進化論
[Information] 米国弁護士に学ぶ交渉力
Pick up! セミナー情報
Movie/Art/Book
編集後記・次号予告

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もう並んでいるのではないかと

senri4000さん、どうもです。
おそらくパテントトロール対応のところだけは、知財の方にとっても読み応えがあるのではないかと思います。
21日発行のはずなので、明日には本屋にあると思います。
それでは。

今月号は買いですかね(笑)

お疲れさまです。
BLJは、定期購読の更新をし損なってそのままになっておりまする。
自腹が痛いというのもあるんですけど。
しかし、上記を拝見するとこれは読まねば、という気がしますので、明日の昼あたりにでも買ってきます。
もう書店に並んでいるのかな??
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