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Corporate Director's Guidebook -Sixth Edition

ABAのThe Business Lawyerの記事(August 2011, Volume 66 Issue 4)から。Model Business Corporation Actの発展にも寄与したCorporate Laws Committee, ABA Section of Business Lawによるもので、1978年の初版以来版を重ね、今回のものは第6版。思ったよりも読むのに時間がかかったけど、一通り読んだので感想をメモ。

Appendixとか目次とか込みで90ページ程度の分量で、アメリカの企業の取締役の責任のあり方について簡潔に説明している。ちなみに、amazonでペーパーバック版も手に入る。ABAで買うよりも安い。ただし、ペーパーバック版では同内容が150ページ程度になっている模様。

ABAのサイトに細目次があるが、全体が次の12のセクションに分けられている(この後ろにAppendixでOnlne Corporate Governance Resourcesのリストがついている)。
  1. Overiview
  2. Joining a Board of Directors
  3. Responsibilities, Rights, and Duties of a Corporate Director
  4. Risk Management, Compliance, and Oversight
  5. Board Strutcure, Process, and Operations
  6. Committees of the Board
  7. Audit Committee
  8. Compensation Committee
  9. Nomination and Governance Committee
  10. Relationship Between the Board of Directors and Shareholders
  11. Duties Under the Federal Securities Laws
  12. Liabilities, Indemnification, and Insurance
版を重ねているだけのことはあって、文章も読みやすいし、あくまでもLawyerではないDirector向けということもあってか、鬱陶しい脚注の類も一切なく、ややこしい法律論になりそうなところは、別途Legal Adviceを求めるようにと触れるに留めていて、この辺のバランスの取り方も上手い。法務の人が読むものとしても、少なくともDirectorの責任に関するoverviewとして優れていると思う。LLMの学生のうちにCorporateの授業の前に読んでいたら…と思わないでもない(実際授業でreading assignmentに入っているところもあるようだ…)。

昨今の会社法改正との関係でも、アメリカでの取締役、取締役会のあり方を踏まえた議論になっているようだから、議論の前提として、この内容が翻訳されると有用なのではないかと思うのだけど、どこかで翻訳が進んでいるのだろうか?ちなみに、過去の版については、池永朝昭先生たちが第2版を翻訳して商事法務の別冊として出ていたとのことだが…。



内容について、詳細に紹介するのは、能力的に厳しいので(上記でリンクした池永先生のエントリを参照)、個人的に特に印象に残ったのが2点だけメモしておく。

一つ目は、そもそも、Boardに入るかどうか、というところについて、当たり前なのかもしれないけど、どういう点を考えればよいか、そのための情報をどのようなところから得ればよいかという点についての記載がきちんとあること。手元にないが、商事法務の取締役ガイドブックでは、そもそもそこの記載はなかったと記憶している。そもそも商事法務の本は取締役になってしまった人向けの本だから記載がないということでもあるのだろうが、取締役になるか、ならないか、という点について検討の余地が十分があまりないという意味でもあるのかな、と思って、逆に、ここでは、その点についての記載が一定程度あるところに、感心した次第。

もう一つは、主要な3委員会のうち、Audit, Compensationと並ぶ委員会がNomination/Governance Committeeであるということ。単に僕が無知なだけなのかもしれないけど、Governanceと3委員会のどれかを結びつけるなら寧ろAuditというイメージを抱いていたので、ちょっと意外な気がした。ただ、要するに、Governanceを徹底するにはマネジメントのクビの挿げ替えができることが重要という意識が裏にあるのかもしれない、と思ったのでした。そうだとすると、クビの挿げ替えができないということは、それだけでGovernanceが効かないという評価を受けるのではないかという気もしないでもないわけです。となると、昨今の日本の会社法改正で出てきた、監査・監督委員会の議論は、アメリカ人に対して、どこまで説得力を持つのだろうか、クビの挿げ替えをする権限がないなら、結局監査役設置会社と何が異なるの?という見方をされるのではないか、という風に思ったのでした。


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