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企業法制改革論―対談集 日本経済活性化に向けた提言 / 武井 一浩 (著)


#書き終わるのまでに時間が空いたのでupが遅くなった。

勤務先の某役員宛に献呈されていたのがこちらに来たので読んでみた。西村あさひの武井先生が次の5名の方(敬称略)と対談したもので、「ビジネス法務」誌に連載されていたものを中心に書籍化したもの。
  • 五味廣文:元金融庁長官
  • 柳川範之:東大大学院経済学研究科教授
  • 阿部泰久:経団連経済基盤本部長
  • 冨山和彦:株式会社経営共有基盤代表取締役CEO
  • 中山信弘:東大名誉教授

こちらの勉強不足で十分話しについていけない部分(特に金融とか税制のあたり)もあったけれど、熱く議論が展開されているのは、その内容の当否を別にしていても(論じる能力がこちらにないという意味で別にしているだけだけど)、読んでいても十分にわかるし、武井先生の問題意識もクリアなので、ついつい引き込まれるように一気に読んでしまった。
個人的に、一番ツボだったのは、阿部さんとの対談。ビジネス法務誌が会社にあったので、連載時に読んだときも、「お!」と思ったのだけど、単行本になって再読していても、同じように思う。特に印象に残ったところをいくつか引用。

阿部 そもそも、どうして独禁法では、公正取引委員会が訴追側と裁判官の両方を果たす、審判制度という非常にいびつなシステムがあるのでしょうか。この制度がおかしいことがようやく理解され、改正法案として提出されていますが、また今回も審議に入る見込みがないという自体に陥っています。


前半部分が印象的。

これにかこつけて僕自身の感想を付言すると、そもそも訴追側と裁判官側とが同じ組織にあること自体が問題であって、訴訟の内容の専門性とかをそれに優先させるのは、正当化しにくいのではないかと思う。やはり裁かれる側の納得感(表現としては好みではないが、代わる表現が思いつかない)も重要ではないのか(たとえ事件の被害者になる側のことも忘れているわけではない)。行政サービスの一環である以上、行政サービスの受け手の「顧客満足度」が重要でないと思えない。

阿部 今の民法典にまったく不都合がないとは言えません。特に債権法の部分について言えば、経済・社会の実態と法文が異なっていたり、有力な解釈や判例が法文を無視していたりということがありますから、そういう意味で改正は必要です。
 しかし、今回の民法改正の議論を、私は「学者の野望」と名付けていますが、推進されている先生は、今まで債権法が描いていた絵をすべて描き直そうとしておられる。われわれとしては間違ったところは直してほしいし、困っているところは何とかしてほしいけれども大半の条文は不都合なく動いておられるのですから、実務を混乱させるようなことには反対ですね。



僕自身がエラそうなことを言えた義理ではないが(だからこういう機会?に牽強付会な物言いをするのだが)、基本法の分野であまりラディカルなことを一気にするのは避けるべきだろうと思う。寧ろ定期的にメンテナンスをするような感じで改正をやっていくのが、基本法のあるべき姿なのではないかという気がする。ユーザーが混乱するのは避けるべきだろうから。伊勢神宮の遷宮ではないが、10年とか20年単位でメンテナンスな改正を制度的に法の中に織り込んでいる方がよいのではないか。



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