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ビジネス契約書の起案・検討のしかた―リスク・マネージメントの道具としての / 原 秋彦 (著)


定評ある本の改訂版というかupdate版という感じの第2版。図書館で借りてみた。

最初に書いておくと、この本は法務、特に契約法務においては、有用な本であるということについては、異議はない。ただ、初版が出て9年経って、法令改正があったから版を改めた、というのは必要だったのかどうか疑問。初版を読んだところ、内容について、契約書起案・検討についての考え方の本と理解しているので、文中で出てくる法令はある種、例示とかであって、出てくる法令が最新のものであることが重要とは思えない。だから買わずに借りてみたわけだ。初版があるのに、もう一冊買うか、と言われると、そういう意味で微妙な気がする。
あと、最初に読んだ時には、それほど感じなかったのだが、一つ気になった点がある。つまるところ、この本の主な主張に従うと、契約について、細部をおろそかにせず、可能な限り事細かに交渉して、契約書を精緻なものに創り上げていく、ということになるのだろう。契約内容の可視化とでも言うべきなんだろうが、それはそれで、悪いとは言わないけど、常に妥当するのか?というところで疑問がある。

当事者間の権利義務を事細かに規定すればするほど、弁護士さんとか法務以外には読んでも理解できないものになっていく可能性があって、そうなると、本来は、当事者間の権利義務について規定し、契約対象のビジネスを遂行していくための拠り所になるはずの契約書が、その役を果たさなくなるのではないという気がする。一生懸命時間と手間をかけて契約書を作っても、契約は契約、実務は別というような形になって、事態がこじれて話が法務に持ち込まれるまで、営業マンは一切契約書を顧みない、というような書類になって良いのかどうか、ということ。もしそういう結果になったとしたら、契約はリスクマネージメントの手段としてどこまで機能しているのか、と疑問に思う。訴訟になったときのことを考えて精緻にドラフトをするのも悪くはないが、そもそも訴訟にならないようにする方が大事なはずで(訴訟になったら、その時点で有る意味「負け」だし)、そういうことを考えると、何だか本末転倒になっていないか、という気がしないでもない。



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