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クラウドと法 (KINZAIバリュー叢書) / 近藤 浩 (著), 松本 慶 (著)



@takujihashizumeさんが紹介していたこともあり、内容的にも興味があったので購入。内容の的確な紹介は前記の紹介を見てもらうとして、若干のコメントを。二番煎じには二番煎じなりの味を出すというか何というか…。

既に指摘があるとおり、深入りしないで済むところについては、ばっさり落として、クラウドに伴う法的な諸問題を、手頃な分量で概観できるようにまとめられているのは、著者と編集者双方の腕の冴えによるものなのだろう。リスクの指摘ばかりで、利点の指摘が少ないから、読み進めると、却って腰が引ける感じがしないでもないが、メリットは法的なものではないので、それはやむを得ないだろう。

また、かなりはっきりと割りきって書かれている本なので、過大な期待をして読んでも、この本が十分に応えてくれない可能性もある。また、個々の問題についての記載はあっさりしているので、詳細についての文献紹介(文献といってもネット上の記事だったり、英文の記事だったりするのかもしれないけど)とかあっても良かったと思うのだが、その辺りについても、淡白なので物足りない感じを覚えた。
内容面で気になったのは、その他に次の2点。ピンぼけかもしれないのだけど、一応メモ。間違っていたらこっそり教えて下さい。
  • ベンダーロックインの問題についての指摘があるものの、ユーザー側はどのようにして、ベンダーロックインに対して対応するべきか、よく分からなかった。契約上、契約解除時の処理として、他のベンダーのクラウドへのデータ移行に協力するということは書けるのかもしれないけど、それだけでは十分とは言い切らないだろうし(例えば何らかの理由で、ベンダー側がユーザー側に敵対的なときは実効性に疑問が着くかもしれない)、それ以外に何かやっておくべきこと、考えておくべきことがないのか、よく分からなかった。
  • 本書での国境を超える問題の扱い方は、クラウドが国境を越えた一定のどこかで、しかも、その場所がどこか分かっている場合を前提にしているように思われた。一方で、クラウドのサーバーの場所について、セキュリティの都合上ユーザーにも明らかにしないケースとか、複数のサーバーを効率的に運用するため、クラウド事業者側の都合で動的に使う場合(ミラーリングも含めて)も、ありうるように思われるので、そういう場合は別の考慮が要るのではないだろうか?準拠法とか訴訟管轄の定め方などについて工夫はいらないのだろうか?
    災害時のリスク分散の観点では、クラウド事業者側にその辺のコントロールを委ねることもあり得る(ユーザー側が音信不通になることだってあるだろうし)けど、そうなると、ネットワーク上ではアクセス可能でも、物理的にどこにそのデータを収めたサーバーがあるかユーザー側にはすぐには分からないということも生じうるように思われるが、その場合の準拠法や管轄とかの定め方が、通常の場合と同じで良いのだろうか?その辺がよく分からなかった。

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「クラウドと法」 近藤 浩/松本 慶

「企業法務マンサバイバル」のtac さんが10月21日に紹介されて、「dtk's blog」のdtk さんが10月25日に紹介されて、さらに11月1日には「企業法務について」のkata さんが紹介されていたこの本。 クラウドと...

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