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労働法入門 (岩波新書) /水町 勇一郎 (著)



濱口先生の本と併せて読んでみた。

内容については、著者ご本人が次のように「あとがき」で書かれている。

単に労働法の姿を表面的になぞるのではなく、その背景や基盤にある思想や社会のあり方から労働法の構造や枠組みを掘り起こし、そこから、日本の労働法の特徴や今後の課題をできるだけ論理を一貫させて解き明かしていくことを、この本の特長としようと考えた。


読んでみた限りでは確かにそのとおりの本になっていると思う。細かな話が多い分野で、木を見て森を見ず、にならないように配慮がなされていると思う。個別の細かい話に入っていないので、法制度の変遷による改訂の必要性もそれほど高くなく、息が長い本になるかもしれないし、そうなってしかるべき本だと思う。

濱口先生の本との比較でいえば、こちらはあくまでも正統派?の法律の入門書で、日本の労働法を支える社会システムの詳細については、記載は控え目で、判例・法令の記載が丁寧にされている。企業の法務向けというのは、2冊を比べるとこちらであろう。同じ著者の教科書へのイントロダクションという使い方ができるかもしれないし。
(もっとも、企業の法務の人が最初の一冊で読むには、とっつきやすさから言って、おそらく森戸先生の本の方が良いのだろう。)
とはいえ、些細な点(特に後者)で2点ほど引っかかった。
  • 「日本企業の人事部(総務部と呼ばれることもある)」という表現は、モノスゴク違和感を覚えた。やはりアカデミックの人なので、企業内での人事部門と総務部門との関係(人事とか法務とか秘書とかも含む上位概念の意味で総務が使われることはあるけど、それは人事部という名称と総務部という名称が相互に交換可能ということを意味しない)について十分ご理解いただいていないのではないか、という気がした。
  • 「いったん採用が決定されれば、その後はこれらの事由による労働条件差別は一切許されないことになる。採用した後、マルクス主義者だからとか、佐賀県出身だからという理由で差別することは、本条違反となる」(dtkが太字にした)。奥付を見るとご本人が佐賀県出身なのだが、こういう文脈でわざわざネタにするのは何かあったのだろうか?

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