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言語の問題についてのメモ

ある種のアイデアとしてのご紹介。紹介しようと思って忘れていたのだった(*1)。

以下のネタについては、その実効性について裁判とかで争ったことがないので、その旨はご理解いただきたく。


所謂、発展途上国における契約では、民間同士の契約であっても当局に提出しないといけないことがある。契約の結果手にした利益を日本に送金する際の許可とかの関係で必要になるというようなケースがそう。現地当局の担当者は、現地語しか読まないので、英語(相手が日本語が読めるなら、日本語ということもあり得ない話ではない)と現地語で契約書を作成しないといけないということになる。

となると、当然のことながら、複数の言語の版の相互関係が問題になる。翻訳するということには、どうやっても自ずから限界があるから、どちらかを正として、もう片方を劣後する参考訳とすべきだが、現地語版が英語版(または日本語版)に劣後するとなると、当局との関係で問題になるから、そうはできない。当局の担当者の立場になれば、そんなものを出されても判断できない、と言うのはある意味当然だろう。だからといって、現地語版優先とすると、現地語が読めないときには、リスクが高いということになる。時間と費用とかけて翻訳の精度を上げても、限度はあるだろう。

その結果として、消去法的にどちらも正で効力は同じ、としておくことがある。教科書的には避けるべき事態だし、お薦めするような対応方法ではないが、そうしないと別の問題が生じるので、止む無く、というところだろう。

そうするとどうなるかというと、当局および現地の裁判所などでは現地語の方しか読まないということが想定される。その結果、英語版しか読んでいないと理解できないような解釈をされるリスクが残る。

で、前置きが長くなったが、そういう場合に現地語版が英文版と極端に乖離しないようにするために、英文版の方で歯止めをかけようとした一つの例を見たので、ご紹介。現勤務先での前任者がドラフトしていた事例から。

This Contract shall be executed into 02 sets in both X language and English with equal effect; provided always, however, that no provision of the X language text shall be construed contrary to the confidence of Party A put in the substance of the English text.

この文言を訳して現地語の方にも入れておけば、現地語版だけを見て変な解釈をされたら、この部分を使って文句を言う余地を確保しようという意図で、交渉の足がかりくらいは確保しようというところ。

ただし、最初にも書いたけど、これを使ってそういう交渉をしたことがない(この条項を入れた契約書について、まだトラブルになっていない)ので、実効性については、無保証ということは留意されたい。


*1:万が一既にネタにしていたら、その旨ご指摘ください

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