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反社会的勢力対策とコンプライアンス―CSR主義の実践 / 森原 憲司 (著)




BLJの反社対応の特集(*1)の中のbookguideで入門書としてお薦めと出ていたので、探しまわって漸く購入(*2)。著者が弁護士さんで、外資系金融機関の法務部長を経て独立されているので、金融機関を念頭においているような記載もあるけど、金融機関に限らず企業法務の方なら、分量が多くないこともあって、読んでおいて損はないと思う。

経験豊富な著者が、平易な言葉で、対応の肝について説明していて、実際に経験されていることに基づいたリアルな設例を説明に使ってくれているので、読んでいて肩もこらない。確かに、BLJの記事にあるように、経営幹部にお薦めしても大丈夫そうに思われる。

冒頭に、「清々粛々とした愚直な対応」と「こんな無茶苦茶は許せないという当たり前の正義感」があれば、しかるべき連携は必要なものの、反社対応は誰でもできる、とあって、「そうかな」と思いつつ読んでみると、指摘の意味はわかるし、QA形式で、その手の人たちと相対したときに、気になりそうなところもフォローされているので、なんとなく、頑張ってやってみようという気になってしまうのが、不思議(*3)。大事なのは非日常的な出来事への対応訓練の欠如、というのも頷けるところ。



それとは別に、個人的に印象に残ったのは次の2点。
  1. 契約に反社条項を入れても、実際にその条項に基づいて契約解除する際の、解除事由が存在することについての立証が難しいということについて言及があったこと

    もちろん、牽制の意味もあるから、契約書に反社条項を入れることそれ自体にも十分意味があるし、実際今の勤務先のテンプレートにもきちんと反社条項は入っている。ただ、訴訟リスクにも耐えうる形でこの条項を発動させるのは、難しいのではないか、ということは気になるところ。執行できないとなると単なる紳士協定以上の意味がないのではないか、というところが気にかかる。この辺は、仮に判例・裁判例が蓄積してゆけば、ある程度明確になって行くのかもしれないし、それを期待したいところ。
  2. 反社勢力を排除すると、却って構成員の方々の更生を遅らせる可能性があり、結果的に反社勢力が減少しないという結果になる可能性があるという点について言及があったこと。

    確かに、企業としては、反社勢力との接点を持たないようにすることが様々な形で要請されているのは間違いないし、その要請には応えないわけには行かない。ただ、そうなると、企業側は自分の手をきれいにするのに一生懸命なあまり、そういう世界に足を染めた後に足を洗おうとしている人の雇用が得られなかったり、そういう人が自営業をはじめても、起用しにくくなってしまうのではないか、という気がする。そうなると、彼らが足抜けできる可能性が狭まるように思うし、それはどうなんだろうという気がする。構成員の方々が足を洗い易くするのは、反社勢力の数を減らすうえでは重要なことだと思うし、それは社会全体としてはマイナスではないと思うのだが。部分最適が全体最適に繋がっていないというのでは、問題ありということになると思う。

*1 2011年9月号。 http://dtk2.blog24.fc2.com/blog-entry-1888.html 参照
*2 amazonで買うのは簡単だけど、リアル書店で内容を見ずに買うのには抵抗がある。
*3 僕が単純なだけかもしれないけど

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