スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

磯野家の相続 / 長谷川 裕雅 (著)



図書館で借りた。予約してから来るまでに半年超の時間がかかった本。図表や例文も十分に入っていて、相続という制度の概要について分かりやすく書かれているので読んでおいても損はないと思う一冊。著者の長谷川先生は、永田町で刑事弁護専門の事務所をされているとのこと。

それなりに複雑な相続の制度を説明するのに、磯野家というキャラクターを選んだところが、まずポイントが高いような気がした。家族関係がそこそこややこしく(でないと相続とかの説明に使えない)、その関係も含めての認知度が高く(だからイメージもしやすい)、それでいてヘンな色が着いていない(余計なことを考えさせない)というのが良いと思う。

企業の法務だと、信託銀行とかでない限りは、相続関係を扱うことは、あまりないはずで、そういう意味では相続法については、お留守になりがち。ただ、自分の家族について、相続が発生するというのは、いつかは、あるはず、のことなので、そういうものに備える意味でも、この本に記載の程度は知っておいて損はない。実際には弁護士さんとかにお願いするとしても(当事者が実務を取り仕切ると、間違えなかったとしても疑惑を招くのでやめておいたほうが良いという見方もあるだろう)、そういう方々の説明が分かりにくいときの説明を補足する意味では、こういう例えとして使える方と良いのかもしれない。磯野家を例えに使えば説明も分かりやすく出来る、ということを頭の片隅においておくだけでも有用だと思う。

個人的には、相続は今のところまだ体験していないが、仕事では、最初の勤務先で同期入社の人間から相談を受けたことがある。本書中でも「もめる一番の原因になりやすい」とされる寄与分の関係する話だった。中途半端なアドバイスをすると、却って事態をややこしくするだけなので、寄与分という制度があることと、どこまで寄与分として認められるかについては、難しいので、弁護士のアドバイスを仰ぐように、とだけしか言えなかった。

それとの関連で、もう一つ重要だと思ったのは、判断の方向性は分かっても、具体的な判断については、専門家の判断に委ねるよう書かれていること。著者のリスク管理としても重要なのかもしれないけど(苦笑)、どうしても個別具体的な事情に依存せざるを得ないので、この種のテーマではこういう取扱は妥当だろう。一般的には、納得行かないことが多いけど。

関連して有用だと思ったのは、遺言を書くために、弁護士に相談に行くときに何を持っていくべきかのリスト。一般論として、事実関係の整理ができていない状態で相談しても、そこの整理に時間が取られてしまいがち。企業の内部でそういう状態で相談に来られても、困るか、殺意を覚えるかしかないのだが、ともあれ、手戻りなどを防ぐ意味で、そういう「前捌き」にきちんと目配りがなされているのは大事だと思う。

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

dtk

Author:dtk

日本にある企業の法務部署で働いています。
*コメント等で私に言及するときは
"dtk"でお願いいたします。

旧ブログ

ITエンジニアのための契約入門 iPod touch/iPhone用にリリースされました。詳しくはiTunesAppStoreから入手可能

初めてコメントいただく際には「このblogについて」もご覧いただければ幸いです。

カビバラさん時計
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
    follow me on Twitter
    カウンター
    Amazon.co.jp

    ブログ内検索
    RSSフィード
    リンク
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。