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新訂版 英文契約書作成のキーポイント / 中村 秀雄



英文契約書についての書物として、常備しているところも多いと思われる一冊。新訂版になっていたのに、気づいたので、追加で増えた分があるということもあり、いまさらながらではあるが、一通り読んでみた。最初に英文契約書を読むようになったときに、この一つ前の新版を買って読んでいるが、再読してみると、追加された部分に限らず、新しい発見がある。それだけ、最初に読んだ時点では、こちらの理解が足りていなかったということだろう(今が十分かどうかについては、もちろん争いの余地があるのだが)。

今読むと、英文契約書作成について、かなり細かいところまでフォローされていることに気づくのだけど、一方で、背後にある理論的なところについては、あまり親切に書かれていないことにも気づく。「新訂版へのまえがき」にあるように、その辺については、ほかの本をあたってほしいということ(実際そのあたりについては、別途「国際商取引契約」という英国法ベースの分析をされた大著がある(買ったけど半分くらいしか読めていない…)のでそちらを参照してほしいということのようだ)だが、そういう意味で、英文契約書を初めて読むとする人にはやや敷居が高いかもしれない。
以前は類書がなく、他の選択肢がなかったが、今であれば、ゼロから英文契約書を勉強するための日本語の本としては、次のものあたりがお薦めではないだろうか(個人的にも読んだことがあり、お薦めできるものと考えている)。


もちろん、だからといって本書の価値は一切毀損されることはない。タイプライターの存在を前提としている一部の記載はさすがに時代遅れというか古色蒼然という感じがしないでもないが、大半の記載は今でもなお、有用だと思うし、上記の本で全体像を把握してからこの本に進むというのが、勉強の仕方としては良いのではないかと思うのである。

新訂版を読んで有用だと思ったうちの一つが「積み上げ式チェックリスト」。契約書のチェックリストは、作り始めると、どうしても網羅的なものにしがちなのだが、結局それは使い勝手が悪くなるように思う。欲張らないで、最低限を押さえるチェックリストを作る方がむしろ難しいような気がするのだが、本書ではうまく作っており、ちょうどそういうものを必要としていたので、非常に参考になった。

もうひとつ有用だったのは、以前ネタにした、"shall"の使い方について。「義務」についての用法以外に、「指示」をするもの、すなわち、「直接に当事者に義務が発生するのではなく、その規定の適用の前には、何らかのステップを踏むことが必要である」旨を示すもの、があると指摘している。そのうえで、「このように同じ言葉に二義をもたせることは、統一的な言葉の使い方という見地からは好ましいことではない」としている。ただし、準拠法の記載については、実害がないので、"shall"の使用も許容している。

つらつら見るに、厳密には誤用または好ましくないが、広く使われている以上はやむを得ない、という感じなのだろうか。

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