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Guide for Managers and Counsel Applying the CISG Guides for Business Managers and Counsel by John P. McMahon

さて、CISGについてのお勉強ということで、Pace Lawのデータベースからこちらの論文を読んだので感想などをメモ。Introductionになるような論文ということで、別の論文を読んだのだが、何だかヘンな気がしたので、気を取り直して、こちらを読んでみた次第。

Guide for Managers and Counsel Applying the CISG Guides for Business Managers and Counsel by John P. McMahon

Business Managerたちも想定読者に入っているということもあって、平易な文章で非常に分かりやすい。QA形式で、アメリカの読者にとって重要そうなところを説明していて、後半では、CISGに関するresearch guideとか、Advisroy Council Opinionsとかについての説明(及び原文がこのデータベース内にあるので、そこへのリンク)もあり、日本の企業法務の人でCISGについて調べたい人にとっても有用なのではないだろうか。

…というだけではつまらないので、CISGとUCCとの違いについて、備忘がてらメモ。ここの差異は結構重要なのではないだろうか。
  1. CISGの下では口頭証拠も排除されない。契約文言の記載と契約締結に至るまでの当事者の意図が食い違う場合は、契約文言に記載のない後者についての主張が許容される可能性がある。結果的に所謂完全合意条項に工夫が必要。
  2. 英米法の下での申し込みと承諾の関係に関する所謂mirror image ruleについて、UCCではこれを排除したが、逆にCISGはUCCよりもmirror image ruleに近い。
    申し込みに対する承諾に追加条項または修正条項があると、CISG下では、それは元の申し込みの拒絶および新たな申し込みとされ、新たな申し込みに対する受諾がない限り契約は成立しない。ただし、追加・変更部分がマイナーなもので、当該部分について、遅滞なく異議が出なかった場合は、その限りではない。
    UCC 2-207では、契約は成立するが、内容について、どちらの内容になるか(追加・変更が加わったものか、元のものか)が状況如何で異なってくる。
    これらの結果として、書式の戦い(battles of the forms)の取扱も両者で異なってくる。
  3. 申し込みについて、CISGの方が取り消し不可能と取扱いがち。UCCでは期間制限を含む一定の条件の下では取り消し可能。
  4. CISGでは、書面での契約は、必ずしも求められていない(Article 11。ただしこの条項の適用除外を締約国が選択する可能性があることに注意)。UCC下では、詐欺防止法の条項により、一定の契約は書面化することがenforceするための要件(相手方に履行を強制できない)になっている。
  5. UCCの下ではPerfect Tener Ruleの下、合意内容と完全に適合しないと、受領を拒絶可能だが、CISGの下では拒絶が認められる条件がもっと厳しい。
  6. financial hardshipについて(事情変更ということになるのだろうか)、UCCの下では、契約締結後の事情変更で契約の履行が困難になっても契約当事者の履行義務は免除されないが、CISGの下では締結時に合理的に予見不可能だった事情の変更により、不均衡な形で履行が困難になった場合には、契約当事者に再交渉義務が課せられる。

この他、CISGにおいて注意すべき事項として、契約内容に適合しない納品があったときの、代金減額による救済ならびに相手方への通知義務(通知について十分詳細な通知でないと通知をしたことにならず、通知に基づく救済が受けられなくなる可能性がある)、履行期前の履行拒絶の取扱、債務不履行における様々な救済措置(売主側の瑕疵修補権)、不可抗力、出訴期間(従前ネタにした時効条約)、delivery term(INCOTERMSの適用が排除されていない)、および、権利追求に要した弁護士費用を損害賠償に含めることの可否、が挙げられている(が、詳細は、疲れたので略)。

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