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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 07月号 [雑誌]



例によって感想を。順不同で。今回は特集を一番最後に読んだ。

債権償却の記事は、有用な記事であるとの呟きが既にあったけど、確かにそのとおり。「無資力であることを基礎付ける事実」「債権回収を断念してもやむを得ない事情を基礎付ける事実」のまとめの表は手元においておいて損がないと思う。また、債権回収にこだわるあまり償却を遅らせると善管注意義務との関係で問題になる可能性がある、というのは、現場の実務を無視して回収に固執する役員さんを説得する際には重要かと思う。

M&Aのロードマップは、いつもながら、興味深く拝読した。次に引用する指摘が、個人的には印象に残った。
  • 最終契約の交渉が、自分自身の最善のプロテクションを獲得する作業ではなく、相手との妥協(=譲歩)の作業ということである。そして、「譲歩」の判断において最も重要なのは、譲歩の対象たるリスクの把握であるが、一般的・抽象的なリスクの把握に留まってはならず、個別具体的にどれだけの額・性質のリスクを問題にしているのかを把握しておくことが必要である。
  • 弁護士に対して助言をもらうときには必ず、目の前の案件に照らしてどうか、という質問をすべきであるし、こうした観点からの助言をもらわねば、譲歩してよいのか否かの判断には役に立たない。
Legal Technologyの記事も興味を持っていつも読んでいるが、今回のペーパーディスカバリーの記事は、面白いけど、どうかな?と思うところも。紙の資料の場合、経年劣化していたり(感熱紙とか使っていたりすると余計にダメな感じ)するとスキャンも大変だがOCRにはほぼかからないだろう。OCRとかにオカネを費やすよりも、レビューのところで対応を工夫する(外部レビューアーの効果的な使用)とかで対応したほうがよくないか。


郷原先生のインタビューは、twitterでの発言などを見ると、如何にも言いそうな感じの内容だけど、最後に某検定の話になって、その検定についての広告が次のページに出ていると、何らかのバイアスがかかっているような印象を与えてしまうので、よろしくないのではないかという気がする。

井口弁護士のインタビューは「法律・ビジネス分野で活躍するこの「人」に注目」とあるけど、記事の内容とずれていないか?という気がした。

外資系法務部長の7年については、色々思い当たることの多い記事なのだが、詳細はいろんな意味で気まずいので略。

非上場会社法実務NAVIについては、グループ会社、特に非公開会社のグループ企業における機関設計の見直しというのは、個人的にはあまり見たことがなかったので、有用な気がしている。この辺りの業務は現時点では担当ではないが、これらの見直しに伴う議事録とかのチェック依頼が来ることがあるので。

循環取引の記事については、読んでいても面白いと思う反面、実際は対応が難しいのだろうと想像する。幸か不幸かこの手の話に関与した経験がないので、想像しかできないが。チェックリストは、経験豊富な担当者にとっては当たり前なのかもしれないが、経験がないので、個人的にはあると心強い。

利用規約の特集については、正直今の勤務先では、規約を作る側になることが想定できず、正直、読むのが面倒かなと思ったけど、読んでみるとなかなか面白いなと思った。やはり実務担当者の生の声の方が、読んでいて引きこまれるのは、自分がその立場になったら、ということが想像しやすいからだろう。やはりこういう声をきちんと載せられるのがBLJの本領というか強みだろう。今後ともこの点は活かし続けてもらいたいと切に願う。

最後は例によって、本家から目次の引用。

[特集] 利用規約の作成・運用・変更 ―“他社を参考に”の落とし穴 
条項例で理解する 利用規約の基本

横山経通 弁護士
利用規約の具体的な 作成・検討手順 よりよいサービス設計のために

坂下昭宏 エヌ・ティ・ティ・ドコモ 法務部 担当部長
一般的な利用規約の 条項とチェックポイント
改善を申し入れてきた 消費者団体への対応

辻 拓一郎 弁護士
消費者団体は利用規約の どこを問題視するか

五條 操 弁護士


(各社担当者の工夫と悩み)利用規約をめぐる試行錯誤の実例7


・[case01]対面での説明と分かりやすい文章を重視
警備サービス

・[case02]規約はあえて緩めに規定し 当てはめ困難なケースは部署横断で会議
教育サービス

・[case03]約70あった規約を整理して一本化
ヤフー 法務本部法務部長兼政策企画室 古閑由佳

・[case04]ユーザーの同意はできる限り個別・明示的に取得
ミクシィ 経営推進本部 コーポレートサービス部 法務グループ

・[case05]法務のいない時期に作られた利用規約に苦労
IT(インターネットサービス)

・[case06]基準が不明確な日本法に合わせて悩みながらローカライゼーション
外資系メーカー

・[case07]Column ある規約担当者の独白 私が規約を変更した理由
人材サービス


Interview
「ルールの創造」で震災後の社会に新たなコンプライアンスの確立を
―震災、原発事故がもたらした不連続変化を乗り切るために

郷原信郎 弁護士・名城大学コンプライアンス研究センター長
サーティファイコンプライアンス検定委員会 委員長
事業拡大とグローバル化 ─成長を続ける法務部は8年間で22名に─

楽天 
渡邊 真 執行役員 法務部長 / 今枝真一 法務部知的財産課 課長 / 城 譲 法務部法務課 課長
[Frontier]日本企業も国際同時特許訴訟を見据える時代

井口加奈子 弁護士

解説
循環取引の発見と法務の対応~不正行為の兆候にどう対処すべきか?~

遠藤元一 弁護士
“一人法務部員”のための契約書作成講座【特別編】
知的財産権に関する規定はどのように定めたらよいか?

執筆:角田邦洋 弁護士 / 岩佐孝仁 弁護士 / 三浦悠佑 弁護士 / 江崎左千恵 弁護士 / 大倉丈明 弁護士

OPINION
司法から見ると

門口正人 明治大学法科大学院特任教授・弁護士

Inside Story
法は被災者を守るか?

小林健一 日本経済新聞社 編集局証券部記者

連載
実務解説

債権償却のすすめ~債権をうまく回収できないようなときは~
大寺正史 日本証券金融 コンプライアンス統括部・弁護士
非上場 会社法実務NAVI

機関設計の見直し
鈴木龍介 司法書士
実務感覚が分かる!M&Aロードマップ

最終契約(1)―総論
熊木 明 弁護士
企業会計法Current Topics

K-プロジェクト
弥永真生 筑波大学大学院教授
ハブ法務を実践するための日・英・中対応国際契約講座

M&A契約と企業結合規制  日・米・中・欧の事前届出基準を押さえる
長谷川俊明 弁護士
World Legal & Business Guide

ブラジル
江口直明 弁護士 / 玉川雅文 弁護士
Global Business Law Seminar

私的録画補償金に関する最近の争点
杉江 武 神鋼商事 総務部審査チーム次長・明治学院大学法科大学院 非常勤講師
リーガル・テクノロジーの潮流

・第19回 ペーパーディスカバリーのコスト削減
Ji2
・INTERVIEW 
ジョン F. ラビーナ 米国弁護士
外資系企業法務部長としての7年

コーポレート・ガバナンスは誰のため?
光明宏之 英国法弁護士
牛島信のローヤー進化論
Pick up! セミナー情報
Movie/Art/Book/Seminar Report
編集後記・次号予告

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