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素朴な疑問

英文契約に関する素朴な疑問。答えが見つけられていないのだけどメモしておく。若干恥ずかしいので「追記」に詳細を。

気になっているのは"shall"の使い方。モノの本、例えば、前に紹介した平野先生の本とか英文の書籍(今手元にあるのは"The Elements of Contract Drafting with Questions and Clauses for Consideration" by George W. Kuney (2003))とかを見ても、"shall"は契約当事者の権利義務を定めるところ以外では使うべきではない、という。それ以外の用途で使うと、"shall"が複数の意味を持つことになって、"shall"の意味をあいまいにしてしまいかねない、ので避けるべきということらしい。特定の意味とは異なる意味に解釈されるのを防ぐには、特定の意味(ここでは契約当事者の権利義務を定める)以外で使わないのが安全ということはそれほど的外れな指摘ではないと思う。

でも、往々にしてそれ以外の用途で使われていることが多い。定義とか、準拠法とか、その契約の解釈運用そのほかに関する方針というような類を規定するのにも"shall"が使われているケースがよく見られる。米国人や英国人の法律家が書いた契約書でもそういうものが見受けれる。

疑問なのは、それが何故なのか、ということ。

具体例を挙げてみると、準拠法条項で
This Agreement shall be governed by the laws of Japan.
とか書かれていることがある。日本法に準拠するというのは当事者の権利義務として規定されているかというとそうでもないと思われる。

一方で、単に方針の類であれば、現在形で
This Agreement is governed by the laws of Japan.
と書いておけば十分だろうし、実際上記の書物ではそのような書き方が推奨されている。(*)

* 上記のKuneyの本からの引用。

If the name of a party or other actor (such as an agent or third party beneficiary) does not appear shall/duty clause, it is probably incorrect use of the imperative tense. For example, agreements often state that they "shall" be governed by the law of a particular state. This is incorrect. Rather, the agreement should state the choice of law clause as a present tense actual circumstance, i.e. using "is."



しかも、通常は、冒頭にThe Paties hereto agree as follows:
とした後で書かれている一部として上記のような記載がある。そうなると、契約当事者間でそのような方針を採ることについて合意されていることは、争いの余地はないように思われる。

それにも拘らず、shallを使っている例を多く見るのは何故なんだろう?
(実例については、これまた前に紹介したonecle(SECに登録された契約書類を集めたもの)を見れば、沢山見つけることができる)
単に分かっていないから、というだけなんだろうか?単に合意しただけでは不十分ということなんだろうか?それとも、他の何か別の要素があるのだろうか?

こちらの勤務先の過去の雛形とかを見ても、準拠法とかのところでも"shall"が多用されていて、上記の意味からすれば、修正をしたほうが良いのかもしれないと思ってはいるのだけど、修正する際に、修正理由を説明しきれないと、面倒が起きる可能性があるため、上記の疑問がある程度解決できない限り、踏み切りにくいような気がしている。

勉強不足で申し訳ないのですが、もし、どなたかご存知でしたら、こっそりご教示いただけると助かります。



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