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製造物責任法と企業のリスクマネジメント/赤堀勝彦

Google Scholarで検索したら出てきた論文(神戸学院法学第38巻第3・4号(2009年3月))。

損保会社に長く勤務した後にアカデミックに転じられた著者による、PL法を中心とした(加えて消安法も視野に入れた)製造物責任に関する法律とリスクマネジメントの方法を概観した論文...という感じだろうか。PL法それ自体について、立法経緯や米欧との比較を含めた解説が前半で、後半はその内容を踏まえたリスクマネジメントについての議論。

リスクマネジメントについて、PLP(Production Liability Prevention)とPLD(Product Liability Defense)に分けて考え、それぞれについていくつかの要素に分けて考えるというのは、興味深かったところ。正直あまり意識していなかったので。



具体的には文中の分け方によると次のとおり。図を再現しにくいので、表現方法は変える。大きな柱がPLPとPLDの2つ。
  1. PLP
    1. 製品安全対策
      1. 製品それ自体
        1. 設計上の欠陥対策
        2. 製造上の欠陥対策
      2. 指示・警告上の欠陥対策
  2. PLD
    1. 文書作成・保管の適正化
    2. 関連業者との責任の明確化
    3. 生産物賠償保険の手配

自社について、ここに書いても差し支えなさそうな範囲で書いてみると、PLPのうち、指示・警告上の欠陥対策との関係では、
僕の今の勤務先は部品メーカーで、消費者が製品を直に手にすることはなく、直接こちらの会社の製品を手にするのは、こちらの会社の製品を部品として使用する製造現場の製造スタッフが主なので、指示・警告上の欠陥対策という意味では、ある程度のバックグラウンドのある人が読むことを前提に考えることになる(仕様書とか、僕は見ても正直訳が分からないけど、技術のバックグラウンドがある人が読めば分かるらしいので、問題はないものと考えている)。

製造それ自体については、設計については、相手からの指示による場合も多く、ケースによっては、日本のPL法上では「部品製造業者の抗弁」が使用可能なケースもあるのかもしれないが、実際にそういうことをしたことがないので、正直明らかでない部分が残っているように思う。製造については、品質管理の部門も協力しながら対策は講じている。

一方PLDについては、生産物賠償保険は当然手配しているし、付保義務が取引基本契約において課されている場合もよくあるので、手配が十分かどうか、のチェックは必要であるものの、一定程度実施している。関連業者との責任の明確化という点については、一定のPL責任を負担してもらう旨の取引基本契約書を締結してもらう等の対応が必要なところだが、ここは、まだ改善の余地がありそう。サプライヤーさんとの契約関係については、全部整っているわけではないので。
文書作成・保管については、品質に関するISO9000との関係で、作成・保管については、社内でも一定水準が保たれているし、保管年限については、PL法上の時効との関係も勘案しているが、契約相手先からも契約上の義務として保管義務を課されているところでもあり、そこは長めに期間を取って保管するようにしている(保管状況の確認まではしていないが)。

こうしてみると、PLPについては、仮に出番があるとしても、指示・警告のチェックくらい(でもきっと簡単ではないのだろう)で、むしろPLDの方が法務とのかかわりは多いのかもしれない、という気がした。

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