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PL法(製造物責任法)の知識とQ&A (くらしの法律相談)/木ノ元 直樹 (著)



製造業にいるのに、最終製品を作る会社にいないせいか、PL法についての本を読んだことがなかったので、とりあえず1冊と思って買ってみた本。本屋で探してみたけど、PL法についての最近の本は升田先生の判例解説くらいしか見つけられず、さりとて、あの本はそもそも基本的なことを知らないと読む意味がないだろうと考えて、比較的新しめのこの本を買う。法律相談シリーズということもあり、語り口も平易で分かりやすいし、同じような内容が繰り返されるので、通して読むと理解が深まるのではないかという気がした。

個人的に気になったのは、部品メーカーにいることもあり、部品製造業者の抗弁。

要件は次のとおり。効果としては部品製造業者が製造物責任を問われないということになる。
  1. 欠陥製造物が他の製造物の部品または原材料として使用されること(部品性)
  2. 欠陥が専ら他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じること(設計指示従属性)
  3. 欠陥の発生について過失が無い(無過失性)

このうち1については、客観的に判断されるとのことだし、部品であることが明らかな場合が多いだろうから、ここが問題になることは少ないものと考える。


2については、「おおよその指示では足りず、個別具体的な指示が必要とされている」とのことなので、アバウトな指示から、先方の要求などをこちらで先読みして判断して仕上げる、みたいな行動を取ると、製造物責任との関係では不利(気が利くということや、納期への対応力が高いということで、ビジネスとしては有利になるかもしれないので、一概にどうとは言いにくいような)ということになるように思われる。設計についても、ネタは出すけど、共同設計にはしないほうが良いという議論が出てくる(共同設計にして、知財権を主張することで別のメリットを求める考え方もありそうなので、これまた、一概にどうするのが良いという気はしないが)余地がありそう。


3については、「部品や原材料の危険に応じて欠陥の発生についての予見可能性や結果回避可能性がなかったことを具体的に立証しなければなりません」とあり、「したがって、最終製造業者等からの具体的指示に基づいて部品を製造した場合でも、最終製造物等の組み立て過程などで欠陥が発生することを予見していながら、そのことを放置して最終製造業者等に指摘しなかったということであれば、無過失とは認められない可能性が高い」ということらしい。

最終製造業者の仕様とか製造工程を睨んでモノを作るということも、時としてあり得て、最終製造業者とも打ち合わせとかをしながら作るケースも考えられなくは無いわけで、そういうときには、この要件との関係では、無闇に情報を取らないほうが有利に働く可能性もある...とも読めるような気がする。


このあたりは、実際にこの抗弁が認められた事例を見てみたいところ。特に3については、どうやって立証するのか、という気がしないでもない。この辺りは判例を追いかけてみないといけないのだろう(そこまでやる気はあまりないのだけど...)。

追記)国民生活センターがまとめたPL法による訴訟一覧(H20年11月30日まで提訴を把握したものの一覧)をみる限りでは、この点が争われたものはないようだけど...。


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