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残るのはたヾ

タイトルに他意はない(謎)。

いつもお世話になっている@takujihashizumeさんの以前の呟き、

マイクロソフトが法務業務をインドのCPA Global社にアウトソース開始。同社の知財業務は2005年から同社にアウトソースされ、すでに同社知財チームには弁護士はいないと。日本でも企業内法務部門の縮小は進むでしょうね。 http://bit.ly/fAlRWB

とか、これまた、いつもお世話になっているsenri4000さんの「特許事務所との付き合い方」等のエントリを見て、ちょっと考えてみた。例によって、思いつき以上のものではないが。
(考えながら書いているうちに、時間が経ってしまったことを付言しておく)


法務業務のアウトソーシングをやるといっても、全部が出来るのだろうか?できるものとできないものがあるとしたら、できないものはどこで、それは何故か?ということを考えてみた。

ちなみに、上記のマイクロソフトの例でアウトソース先はインドの事務所のようだ。英語圏だからインドがアウトソース先になったのだろうが、日本企業の法務の場合は、言葉の問題があるので、同様の発想で海外にアウトソースするとしても、インドよりも中国とかにアウトソース先が出来る確率が高そうな気がする。要するに人件費のメリットを取ることだろう。弁護士法72条の問題も、誰か日本のライセンスのある弁護士さんがいて、その補助者という位置づけで、債務整理系と同じ発想で対応すれば、クリアする可能性はないとはいえないのではないか

さて、別に海外でなくても、企業外にアウトソースの依頼をしやすいのはどういう業務だろうか。訴訟対応で弁護士代理が必要だが、内部に有資格者がいない場合、というのは当然として、その他のケースを考えてみる。
(訴訟についても、内部に有資格者がいても、大規模案件の場合、弁護過誤のリスクを事務所の保険でカバーするために、あえて外に出すというケースも場合によってはあるのかもしれないが、そこまで考えて外に出したという話は、僕自身が直接見聞きした中にはない)

まず、契約書のチェックはやりすそうという気がする。特に定型的なものは、量も多いだろうし、見るべきポイントが固定的であれば、やりやすいのではないか。何をどう検討すれば良いのか、アウトソースする時点で説明ができる確率が高いから。必要に応じて事業部門の人たちとface-to-faceまたはVCで打ち合わせをする、という格好で乗り切れる確率はそれなりにある(全部それで乗り切れるとは思えないが)のではないか。

逆にアウトソースしにくいのは、そもそも何をしてほしいのか、判断基準がはっきりしないものがあるのではないか。一つの例としては、所謂戦略法務と呼ばれるもので、企業戦略を練る中で、都度、法務の観点からのインプットをするものがあるだろう。事実、法務の人員が少ないときに、契約書のレビューは外部の弁護士事務所に任せて、戦略法務の部分にインハウスの資源を集中させるという議論は聴いたことがある。アウトソース先にそれなりの事務所を選んでおけば、アウトソースしたものの検品も不要にできるかもしれない(海外のアウトソース先についてはそこまでできるかどうかは定かではないが)。

また、法的な観点とそれ以外の観点を総合評価して判断が求められるものは、アウトソースしにくいのではないかという気もする。具体的には危機管理系の話。外部の弁護士さんの関与なしでは進められないとしても、「丸投げ」に近いような依頼の仕方はできないのではないか。所謂レピュテーションリスクも混みでの判断となると、ビジネス判断と法的判断とミックスさせた形になるので、さすがに「中の人」が判断をしないといけないのかもしれない。加えて、社内のほかの部署との調整が相当必要な案件についても、外の人に頼みにくいかもしれない。それは打ち合わせ時間の調整コストという問題かもしれないので、弁護士事務所からの派遣の弁護士さんが常駐している場合は該当しないかもしれない。

別の方向からも考えてみる。アウトソースした業務について、中の法務はなにもしないでよいのか?内容のチェックについては、しないで済ませるという割り切りをするのもアリだろう。ただ、ずっと何もチェックしないで大丈夫か、という気もしないでもない。事務所との間での適度な緊張関係を維持するうえでも、ランダムチェックくらいはしても良いのだろう。また、そもそも依頼する時に、どこに依頼するかということは、考える必要があるかもしれない。依頼内容が整理されていないときの交通整理もいるだろう。また、コメント等が帰ってきたときに、大本の依頼部署が内容を理解していないときのフォロー(ある種の「通訳」役)は、状況によっては必要かもしれない。

もう一つ穿った見方をする。直接の費用以外に、費用というか、外に出すことによって失われるものは何か。契約書のレビューについて考えると、レビューを内部でしなくなると、レビューするうえでのノウハウが失われるかもしれないということは考えられる。この種の問題は、全部外にアウトソースせずに、一部は意図的に中に残すということで対応可能かもしれないが、そもそも中に必要なのか、という問題が残る。ほかの業務についても同様だろう。この辺は、法務に何を求めるのか、という会社の方針でもあるのかもしれない。

・・・と今思いつくのはこのくらい。あまり大した内容ではないが、自分用のメモということで。

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Re: 参考になります

tacさん、いつもどうもです。
> 何点か意見が異なる点もあるのですが、網羅的な検討が大変参考になります。
参考になったようで何よりです。意見の異なるところについては何らかの形で教えていただけると幸甚です。

> 参考までに
> >(訴訟についても、内部に有資格者がいても、大規模案件の場
> >合、弁護過誤のリスクを事務所の保険でカバーするために、あ
> >えて外に出すというケースも場合によってはあるのかもしれな
> >いが、そこまで考えて外に出したという話は、僕自身が直接見
> >聞きした中にはない)
> アフラック組織内弁護士の芦原さんは、客観性・中立性という点で訴訟も大物の契約検討も外に出すと著書などで述べられていました。そういう会社の方が多いのではないでしょうか。
代表訴訟リスクとかを睨んでの対応でしょうかね。その予算があるのなら、それもありかもしれませんが…。

参考になります

何点か意見が異なる点もあるのですが、網羅的な検討が大変参考になります。

参考までに
>(訴訟についても、内部に有資格者がいても、大規模案件の場
>合、弁護過誤のリスクを事務所の保険でカバーするために、あ
>えて外に出すというケースも場合によってはあるのかもしれな
>いが、そこまで考えて外に出したという話は、僕自身が直接見
>聞きした中にはない)
アフラック組織内弁護士の芦原さんは、客観性・中立性という点で訴訟も大物の契約検討も外に出すと著書などで述べられていました。そういう会社の方が多いのではないでしょうか。
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