スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 04月号 [雑誌]


例によって、定期購読しているBLJの感想をば順不動で。今回は前号について@kataxさんがソーシャルリーディングを試みておられたのが面白かったので、やってみた。#BLJ201104をつけて、印象に残った部分の引用とかしながら呟いてみた。その場でリアクションがあったりして、なかなか面白かった。
(補足:つぶやいた内容はtwilogに残っている(2011/2/19付)ので、そちらをご覧ください)

リアクションが大きかったのは、米国企業との訴訟経験者の「弁護士に使われるな。弁護士は使うもの」という言葉の引用。言われた側にとっては良い気持ちがしないだろうし、殊更に言葉にするのが適当とは思わないけど、それでも、そういう風に企業の中の人が思って訴訟などに臨まないと、外部専門家に振り回されかねないというのも(これは弁護士に限った話ではない)、一面の真実ではあると思う。誰のための訴訟だか分からなくなるのを防げるのは、最後は、企業の中の人なんだろう。



eDiscoveryの記事はなかなか興味深かった。特にFox弁護士が指摘している2件の判決は、読んでみようかと思う。
ただ、Zubulake事件は判決が複数ある(それぞれの英文のサマリーはこちらを参照)ので、この記事だとどの件についての話かよく分からないのは、やや不親切だと思う。参考で上げられているこちらの記事を見ると2004年のケースのことだとは分かるのだが…残念ながらこの事件の判決の原文が見つけられなかった…)

特集については、総論では勉強になるのだけど…。
冒頭の対談での「裁判ではeメールと書面は同じ扱い」という発言は、そう思ってかからないと危ないという意味では理解できるが、常に同じ扱いか、というと、疑問が残るような気がする。どこに出ても良いつもりでメールを書くことが重要なんだとは思うけど。

荒竹弁護士の、訴訟は、実質一発勝負で、主張と証拠を一緒に提出する総力戦、というのは、個人的な、それほど多いわけではない、経験からしても頷けるところ。社内の担当者は自分に不利なことを隠したがるので、それを踏まえて対応する必要があるというのは、基本的かもしれないが、重要なところだと思っている。
加えて、契約書を練り上げるにしても費用対効果が重要というのも頷けるところ。ビジネスを円滑に回すための契約書のはずなので、ビジネスを止めるようでは意味はないだろう(止めないといけないときもあるのは事実だが、それも最小限にするのが法務の腕の見せ所でもあるはずだし)。

松山弁護士のコメントの中で、不利な証拠も残しておくべき、というのは、まったくその通り。自社に不利な証拠が出せずに、相手から出てきたら、意図があろうがなかろうが、こちらが隠したと取られかねず、そう取られるとこちらの主張・立証の信頼性が揺らぐことになりかねないと思うので。
また、他社水準と判例の事実認定を参考に注意義務を考えるというのも、重要な指摘だと思った。

松島弁護士のコメントの中で、システム開発のような専門的な事柄を裁判官が理解しないのではないかという懸念はあたっていないというのは、示唆に富むと思った。別にシステム開発に限らず、専門的だから裁判官が理解しないというのは、理解させられない弁護士または法務の側の問題ではないのか、という気がしているからだ。主張立証は当事者の責任という以上は、裁判所が自分で勉強して理解する義務はないはずだから、その点について難じるくらいなら、裁判所に分かりやすい主張、立証をどのように行うかを考えるべきなのではないだろうか。

企業の担当者の紛争解決に関するコメントなどは、業界ごとの差異とかが反映していて、面白いし、それでいて、反面では、どこも似たようなことを考えているんだな、ということも実感した。ビジネスを止めるのは最後の手段、というところは共通しているから、なのかもしれないが。

相良弁護士(元裁判官)のコメントも示唆に富んでいるが、特に、企業法務における予測可能性についてのコメントは、なるほど、と思う反面、そう簡単に行くかな、という気がした。単にこちらの勉強不足と言われると反論できないけど(爆)。

アジア企業との取引における裁判管轄リスクは、前にこちらのblogでも考えたことを書いてみたけど、それが大ボケかましていたことになっていたら、どうしようと思いつつ読んだけど、とりあえず気づいた範囲では(見落としている可能性もあるが)、それほどおかしなことにはなっていないようで何より。インドで、かの国での実体法規に反していることをもって、公序に反するとして、外国仲裁判断の執行が否定されるリスクがあるというのには、ちょっと驚いた。

インコタームズの話は…勉強しないといけないと思いつつ、手がついていない(会社で公式解説は買ったが)。後でもう一度じっくり読みます。

メンタルヘルス不調者への対応については、細かいところで難しいところがあるな、と実感。でも、よく読むと、本人とよく話せ、という以上のアドバイスが少ないように思ったのだが、気のせいだろうか。

M&Aのロードマップについては、今回も面白かった。メリハリのないリクエストリストを最初に出すことにも意味があるというのは、なるほど、と思った(単にこちらの経験不足なのだろうが)。
また、「質の高い法務DDになるか否かは、このような取引自体に伴うリスクをどれだけ炙り出せるかが分かれ目となる」という一言は、頷くと同時に、その難しさも感じている。

インドネシアの記事は、企画は面白いのだけど、そもそもインドネシアの司法制度がまともに動いているのかというところが…(以下略)。


例によって最後は、本家から目次の引用。

[特集] 責任制限条項から訴訟まで 損害賠償トラブルの回避・解決策
弁護士が指南する 紛争解決のポイントと裁判実務の傾向


・最近の紛争案件における裁判所の判断傾向
小林秀之 弁護士 / 末 啓一郎 弁護士 / 橋本 円 弁護士



・主張と証拠を一挙に提出する総力戦
荒竹純一 弁護士

・裁判官の思考を意識した訴訟対応を
松山 遙 弁護士



・システムに関わる損害賠償トラブル対応の落とし穴
松島淳也 弁護士
責任制限のための 契約ドラフティングと交渉のポイント

寺村 淳 行政書士
担当者が語る ビジネスの実情に応じた紛争解決の方法

「契約書でできること できないこと」

・化学品製造業
法務担当



・コンサルティング会社
法務マネージャー

・ウェブコンテンツ事業
法務担当



・[対談] サービス業×メーカー
法務担当
COLUMN 元高等裁判所長官が語る「訴訟は水物」談義

相良朋紀 弁護士

特別解説
インコタームズ2010と貿易実務 

新堀 聰 商学博士 財団法人貿易奨励会専務理事

Interview
豊富な開発パイプラインをベテラン部員がサポート

山田 猛 グラクソ・スミスクライン 法務部長
[Frontier]米国企業と戦って分かった「訴訟ほど面白いものはない」

山地克郎 ソフトウェア情報センター(SOFTIC)専務理事

実務解説
アジア企業との取引における裁判管轄リスク

小林和弘 弁護士
現行法と改正案の比較で理解するインド会社法入門(1)

―会社・株式の種類と設立手続―

松尾栄蔵 弁護士 / 岡田英之 弁護士 / 林 康司 弁護士

OPINION
テレビ局にとっても不幸なまねきTV事件最高裁判決

城所岩生 国際大学客員教授・米国弁護士

Inside Story
カルテル・談合で株主代表訴訟相次ぐ 企業のコンプライアンスへの関与が狙いに

瀬川奈都子 日本経済新聞社 編集局 証券部

連載
実務解説

メンタルヘルス不調者への休職制度の適用
松林智紀 弁護士 / 鈴木 翼 弁護士
実務感覚が分かる!M&Aロードマップ

デューデリジェンス(2)
熊木 明 弁護士
いじめない、いじめられない!下請法違反の境界線

どちらが適用される? 下請法と独禁法の複雑な適用関係を理解する
玉木昭久 弁護士
企業会計法Current Topics

監査人の適正意見
弥永真生 筑波大学大学院教授
ハブ法務を実践するための日・英・中対応国際契約講座

国際売買契約における PLリスク対応
長谷川俊明 弁護士
[新連載] World Legal & Business Guide

インドネシア
平石 努 弁護士 / 川村麻紀 弁護士
Global Business Law Seminar

中国における準拠法問題は解決するか
河村寛治 明治学院大学法科大学院教授 /
黒瀧 晶 GBL研究所研究員・明治学院大学大学院博士後期課程
リーガル・テクノロジーの潮流

・第16回 裁判所からの制裁に学ぶ eディスカバリー対応法
Ji2
・INTERVIEW 
マックスウェル A. フォックス 外国法事務弁護士
牛島信のローヤー進化論
Pick up! セミナー情報
“一人法務部員”のための契約書作成講座【第1回 売買契約編】
Movie/Art/Book
編集後記・次号予告

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

dtk

Author:dtk

日本にある企業の法務部署で働いています。
*コメント等で私に言及するときは
"dtk"でお願いいたします。

旧ブログ

ITエンジニアのための契約入門 iPod touch/iPhone用にリリースされました。詳しくはiTunesAppStoreから入手可能

初めてコメントいただく際には「このblogについて」もご覧いただければ幸いです。

カビバラさん時計
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
    follow me on Twitter
    カウンター
    Amazon.co.jp

    ブログ内検索
    RSSフィード
    リンク
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。