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訴訟のときの初期対応についてのメモ

気を取り直して(謎)。

前にsenri4000さんが、特許係争案件の初期対応についてのまとめをされていたのをみて、自分ならどうだろうか、と思ったので、メモを作ってみようと思っていたのだが、すっかり忘れていた。それを唐突に思い出したので、以下メモしてみる(しかも、一旦作り始めてから、しばらく放置していたし)。

訴訟で訴えられたときの初期対応は、最初の会社では結構色々あったのだが、そこから後は(幸いにして)個人的にはあまりないのだが、初職のころよりは色々と経験値があがっている(はず)なので、今だったらこういうことを考えるだろうな、というところ。ただし、senri4000さんの書かれている内容と比較すると、もっと手前のところの対応についてのメモになっている(理由は簡単で、内容を分析した後は、事案によって異なってくると思うから、ということ)。

自分の頭の中にあることを書き出してみたかったので、特に裏取りとかはしていないのでそのつもりで観ていただけると幸甚です。間違いや、抜け・漏れについては、(こっそり)ご指摘いただけると助かります。

前置きが長いですが、本題は「追記」にて。



仮に、何だか分からないが、訴訟関連手続きの開始と思われる書類(日本に限らない)が法務に来たと仮定しよう。その場合、何をするか。相手方の言い分の分析とか、反論の詳細を検討する手前で何をするか、というところ。基本的にはその日にやること、なんだろう(相手方の言い分とか反論の分析の手前なので)
  1. 誰から、誰宛に来たか、どういうルートで来たのかを確認する。
    • 宛先が間違っていないか。
    • グループ会社で被告として上げられているのはどこまでか。
    • 社外の相被告がいる場合は、どこか。
    • 相手は誰か(本人なのか、代理人から来ているのか、も含めて)
    • ルートはどういうルートで来ているのか:正規のルートで来ているかどうかは、管轄を争うときに関係してくるので、重要になるかもしれない。送ってきた封筒等の記載も重要になる。
  2. 内容物を確認する。
    • 何が入っているのか、確認をする。後でなくなったりすると困るので。メモをとって置くほうが良いのかもしれない。
    • 時間があれば、コピーを取る。事業部門(があれば)にオリジナルを、法務はコピーを、というのが筋だろう。実際のところで法務が仕切るとしても、あくまでも事業部門の案件であり、法務はその対応をアシストするのが通常だから。当事者意識を持ってもらう意味でも、そこは重要かもしれない。コピーする際には、上述の点から封筒も含めて取っておくべきだろう。
  3. 締め切りに関する記載の有無を確認する。
    • 見落として欠席裁判みたいなことになっていると困るので、まず最初に確認すべきところの一つだろう。いつまでに、何をすることが求められているのか。急ぐときには、延長申請が必要になるかもしれないから。その場合には担当弁護士の選任が必要になるのだろう。
  4. 内容の確認
    • 手続きの性質:日本語の文書ならここが問題になることはないのだが、それ以外の言語で来たり、その日本語訳だったりすると(翻訳の問題もあるし)、この確認それ自体が手間ということもあり得る。訴訟なのか、仲裁や調停のようなADRなのか、というところ。後者の場合は、強制力のある話なのかどうかは確認しておきたいところ(強制力があるケースとないケースとではシリアスさに違いが出る可能性があるし)。
      ※ここのところは、時間がかかることもあるかもしれない(外国の事務所に問い合わせが必要なケースなど)。
    • 担当事業部門の確認:対象製品・サービスを担当しているのが社内ではどこなのか、確認する(仮に当該案件をそれ以外の部門が担当しているときはそこを確認する)。
      • 既に今までの間にやりとりがあれば、その情報を一式もらう。
      • その過程で既に顧問弁護士などの関与がある場合には、誰が関与しているか確認する
      • 対象製品、サービスが何か確認する。第一報として社内報告する際に必要になるはず。
      • そのうえで、来た書類に書かれている先方の主張に対する事実面での分析ということになる
  5. 社内での情報の共有
    • 上層部まで報告を上げる。全部上げるとは限らないし、上げるとしても、担当役員どまりなのか、その上まで上げるのか、個別に考える必要がある。上げるタイミングも難しい。判断要素は、次のものは最低限含むのだろうか。(これは7までやってから、かもしれないが、それも事案の緊急度による)
      • 金額的インパクト
      • 法規制との関係(許認可業種の場合特に)
      • ニュースバリュー
      • 対象製品、サービスの販売への影響
      • 争っている相手との関係およびそのほか事実上の影響がでるところとの関係
    • それ以外にも、担当事業部門以外の次の部署との連携が必要だろう
      • 広報:問い合わせなどが外部に来たときの対応という意味では必須と考えておくべきなのだろう。
      • IR:場合によっては適時開示などの必要が生じるかもしれない。
      • 経理・財務:場合によっては、引当金を積んだり、銀行口座の差し押さえへの対応が必要になったりするので。
    • 関係会社で相被告の企業については連絡を取る必要があるだろう。併せて、相被告になるべきところで、何らかの理由により漏れているところについても、被告として追加される可能性があるので、予め連絡を取る必要があるかもしれない。関連会社管理部門がある場合には、事後の対応も含めてそちらを通じてということになるだろう(利害が対立した場合の調整役になってもらう必要があるだろうから)。
  6. 弁護士などの選任
    • 既に専任選任されている場合を除き、専任選任が必要になるだろう。専任選任時の判断基準は、最低限次のものを含むだろう。
      • コンフリクトおよび受任してくれるかどうか:当たり前だが。
      • 専門性:同種の事案の対応経験がないと不安かもしれない。
      • 対応体制:マンパワーが十分にあるか、というあたり。大規模案件のときは重要になることがあるかもしれない。
  7. 当初方針の決定
    • 相手方の主張の分析前の時点では、様子見ということになるのだろうし、来たものにどこまでのことが書いてあるか、によっては、しばらく様子見ということもあるかもしれない。既に手続き外で対応してきた場合には、その際の方針を見直すことになるのかもしれないが、そのときの方針を継続することが多いのではないか。

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Re: 概ね共通

senri4000さま
いつもどうもです。いや、ネタに悩んでいるときに、ああいうエントリを拝見すると「法務サイドとしてはどう対応するか?」と考えると…という次第です。

あまり対応の仕方にバラエティがある話とも思えませんが、書いてみて頭の整理になりました。

資料のpdfでの保存、今なら確かにそうですよね。僕が訴訟対応を多くやっていたときには、まだそこまでスキャナが出回っていなかった(と記憶している)ので、あまり意識しませんでした。

書面のオリジナルの保管については、事業部門に当事者意識を持ってもらう(要所要所では彼らが意思決定しないといけないところもあるわけで…)ためにも、事業部門に持ってもらうことが多少意味があるのではなかろうか、という気がしています。実務的にはコピーでも足りるので…。

どうもありがとうございました。

追伸 誤字も直しました。スペルチェックとかないのかなあ、と思ったりしました。

概ね共通

いつもありがとうございます。
こんなふうに関連してエントリーを上げて頂けると大変参考になります。

自分のエントリーでは飛ばしてしまったところが多い(汗)ですが、基本的に同じようなことをしていますね。

2.内容物の確認 では、
必ず全部を(封筒含めて)PDFにします。
紛失も怖いですし、終わったときの後始末の面でも、基本的に紙だけで書類を保有することはありませんね。
全ての作業を電子データベースで行うので、原本はあまりどこにあっても気にしないというか(^_^;)

5.社内での情報の共有
特許関係では、広報とかIRが初動時点で問題になることはまずないので、ここを考えるのは、妥結近くになってからが多いですね(プレスリリースを出すことがあるので)。

同様に、経理部門で引当金やら決算への影響やらを考えてもらうための情報のインプットも、初動段階ではなくてもう少し後になります。決算が近い時期に起こると一応のインプットはしますが、この時点でインパクトは決定していないことの方が多いです。

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