スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 03月号 [雑誌]


毎度お馴染みBLJです。例によって気になったところだけ感想を順不同で。一部は既にtwitterで呟いたことと重なるけど。

冒頭のアジア最新リーガルトピックスは、正直微妙。本当に必要な話ならもっと詳しい話が必要だろうし、この程度のレベルなら事務所のサイトとかを回ると出ているのではないか、という気がしたので(確かめていないけど。おそらく英語まで含めれば妥当すると思う。探し方が難しいかもしれないけど)。個人的に興味を持ったのは、内容よりもついていた各弁護士さんの写真。撮られ方について、事務所ごとの差異が現れているように思えた。写真の撮りかたについてまで気配りができているところは、凄いと思う一方で、その分の費用は…と考えてしまったのも事実。

秘密保持義務違反の防止策についての記事は、特に企業担当者のコメントにBLJらしさが出ていてよかったと思う。弁護士さんのコメントはまあ、他でも見られるし。担当者の方々のコメントは、業界ごとの差異が現れていて面白かったし、結局のところ、紙(契約書)だけを見ていてもあまり意味がなく、個別の事案の状況を踏まえて(特に、本気で一から十まで相手に守らせる必要・こちらが守る必要があるのか、それとも「お守り」に近い位置づけなのか、見極めないと手間ばかり増えて得るところがないということになりやすい)、締結後の運用、社内管理体制との整合性の中で考えて行く必要があるというところは、頷けるところ。B社の方の「できない約束はしない」「グループ会社間の情報管理」の2点の指摘は、僕も普段から特に注意しているところの一部なので、同じことをいう人がいるんだな、変に納得。

実務的な観点という意味では北岡先生の記事も面白かった。割り切りの重要性は、その通りで、とはいえ、実際には難しいのだけど。クラウドサービスについて、専門の担当者を確保できない社内よりは安全ではないかというコメントは確かにそういうことがあるかもしれないと思う(今の勤務先はそうではないけど)。

松村先生の記事については、とりあえず訴訟睨みの対応に重点を置き過ぎではないかという気がした。最終的に訴訟になったら、どうなるか、は確かに重要だけど、その一方で、訴訟になる前にきちんと解決するのが費用対効果との関係では望ましいというのは言うまでもない。気になったのは、明確化の要請を強調しすぎると、却って特定の情報が秘密保持義務の範囲に含まれないような事態が、事態の進展によって生じたりしやないかということ。研究開発で、予想外の結果が出たようなケースで、そういうことが生じたりしないか気になった。訴訟の時に明確になっていないと問題というなら、包括的な文言をいれたうえで、個別の成果については、出た都度、書面(研究開発の場合は双方で成果を報告する会議をもつ場合もあるから、その議事録を使うという手があるのではないかという気がする)で、秘密保持契約の範囲に当該情報が含まれるということを都度確認するというほうが、良いのではないかという気がした。

原先生の記事については、一番知りたいところが書いていなかったのが残念(仮処分などの扱いとか)なのだが、それを除いても、注意義務の水準をfiduciary dutyと表現するのは、僕は見たことがなかったので、勉強になった。

Legal Technologyの記事は、色々思い当たる節があるので、頷けるところばかりだった。文書レビューで弁護士に見てもらう文書が多くなるとコストが跳ね上がるので、そのフィルタリングは重要で、場合によっては、担当事務所の弁護士ではなく、もっと時間単価の安いcontracting lawyer(自費でLLMに行って、その後米国でこういうことに従事している方のblogも過去見たことがある…(今はない))などに中間処理を頼むケースもありうるだろう。社内でリソースが足りないときに、日本企業の場合なら、日本語の分かる人に中をレビューしてもらって、明らかに関係のないものを除いたり、内容を分類してタグをつけるとか、内容について英語のサマリーをつけるとか、Privilegeの適用可能性を判断してもらうとかして、米国人弁護士が見る資料を減らせるわけだ。

意見書の記事は、これも、BLJでないと書けなかったのではないかという記事。学者の方のコメントがあるのが特に、有意義な気がした。正直、学者の方々は、どう思って書いているのだろう、と思っていたので。クライアント自身がいい意見書を書かせる、リスクジャッジには周辺事実も不可欠、という弁護士さんのコメントも重要な気がした。

M&Aのロードマップの記事は、そもそもDDをしない選択肢があるか(結論としては、原則としてない)というところから始まり、DD準備段階についての話が面白い。最初の段階から、このdealはどういうdealなのか、ということを明確に意識していないとダメなんだな、と改めて納得。

workshopについては、最初から出口を考えておくこと、および、PMIの2つの重要性というところが印象に残った。どちらについても、その辺がイマイチ(と思われる)事例を見たことがあるので…。

最後は例によって、本家から目次の引用

[第1特集] 秘密保持義務違反の防止策
明確・最適な秘密保持契約のための条項例18

松村幸生 弁護士・弁理士

英文秘密保持契約の起案・検討のしかた

原 秋彦 弁護士

中小企業でもできる現実的な秘密管理体制の構築

北岡弘章 弁護士・弁理士

担当者が本音で語る

秘密保持義務の守り方と守らせ方の実例

・秘密情報を開示・管理する上での留意点
素材メーカー 法務担当者

 

・現場主体の秘密管理
情報機器メーカー 法務担当者

・ライセンス契約における秘密保持
電機メーカー 法務担当者

・契約でカバーしきれないリスクをいかに手当てするか
機器メーカー 法務担当者

必ずしも秘密保持契約の優先度が高くない会社の場合…
・非メーカーで秘密情報を受領する側の本音

サービス業 A社

・“お守り”としての秘密保持契約
小売業 B社

[第2特集] ベテラン担当者・弁護士に聞く 法律意見書の有効活用
ベテラン担当者の活用事例

・交渉ツールとして活用
メーカー 法務担当者

・求めるのはソリューション型の意見書
情報・通信業 法務担当マネージャー

・判断材料の一つなので形式にはこだわらない
メーカー 法務部長

学者の意見書事情
弁護士の要望から探る

意見書を上手に引き出すポイント

・信頼できるクライアントか慎重に見極める


・リスクジャッジには周辺事実も不可欠

・クライアント自身が“いい意見書”を書かせる

[Focus] Asian Topics 2011 アジア関連法務最新動向
中国 

佐田友浩樹 弁護士

台湾

魏 正杰 台湾弁護士

韓国

朴 寅東 外国法事務弁護士

ベトナム

小口 光 弁護士

インドネシア

平石 努 弁護士 / 川村麻紀 弁護士

タイ

関口智弘 弁護士 / 村主知久 弁護士

インド

小川浩賢 弁護士

BLJ Workshop
外国企業への出資戦略③ ~合弁契約の重要条項からPMIまで~

出題者・ファシリテーター
桑田和弥 三井物産 法務部法務第二室 室長

 

Interview
業務平準化と効率化でレベルアップを目指す

─限られた人的リソースを有効活用

福本真一 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ 法務考査部長

実務解説
インサイダー取引防止のための社内管理

吉澤敏行 弁護士

OPINION
特許権侵害訴訟の停滞を考える

塚原朋一 早稲田大学大学院法務研究科教授・弁護士

Inside Story
司法判断は絶対善か

三宅伸吾 日本経済新聞社 編集委員

連載
実務解説

不動産取引における土壌汚染リスク
中保秀隆 弁護士

実務感覚が分かる!M&Aロードマップ

デューデリジェンス(1)
熊木 明 弁護士

いじめない、いじめられない!下請法違反の境界線

下請事業者の不利益となる「給付内容の変更」「やり直し」はアウト!
玉木昭久 弁護士

企業会計法Current Topics

国際会計基準の任意適用
弥永真生 筑波大学大学院教授

ハブ法務を実践するための日・英・中対応国際契約講座

ライセンス契約の応用としての「フランチャイズ契約」
長谷川俊明 弁護士

Global Business Law Seminar

動画共有サイトの著作権侵害責任(下)
林 大介 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 法務部バイスプレジデント・米国弁護士

リーガル・テクノロジーの潮流

・第15回 社外弁護士にゴミデータを渡さない
Ji2
・INTERVIEW 
マシュー・E・ディグビー 外国法事務弁護士

牛島信のローヤー進化論
Pick up! セミナー情報
Movie/Art/Book
編集後記・次号予告

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

dtk

Author:dtk

日本にある企業の法務部署で働いています。
*コメント等で私に言及するときは
"dtk"でお願いいたします。

旧ブログ

ITエンジニアのための契約入門 iPod touch/iPhone用にリリースされました。詳しくはiTunesAppStoreから入手可能

初めてコメントいただく際には「このblogについて」もご覧いただければ幸いです。

カビバラさん時計
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
    follow me on Twitter
    カウンター
    Amazon.co.jp

    ブログ内検索
    RSSフィード
    リンク
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。