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役員のための株主総会運営法 / 中村 直人 (著)


機関法務系の続きで、今度は役員向けの総会運営法の本。改訂版が出たばかり。役員向けだからなのか、紙も厚め、字も大きめ、分量も控えめだけど、議長、その他の役員それぞれが、何を理解して、何をすべきか、分かりやすく書いてある。当の役員(議長またはその他の役員)に限らず、スタッフになる人も読んでおいて損はないと思う一冊。


まず、総会は何をすることか、ということについては、次の2つを、会議として実施すること、と規定している。
  1. 決議事項として採決をすること
  2. 報告事項について報告をすること
そして、会議であることとは、発言の機会を確保したうえで、相談をして決めたということにあるとしている。相談というからには質問には説明する必要があり、よって、株主の発言機会確保役員の説明義務が重要ということになる。

次に、総会で何を達成すべきか、という点については、本書では、次の4点を挙げている。最初の点は前に取り上げた本にある、「決議取り消しにならないこと」と重なると思う。
  1. 適法に運営すること
  2. レピュテーションの向上
  3. 取締役会提案の可決
  4. 濫用型株主に蹂躙されないこと
そのうえで、議長については、次の役割を担うものとしている。
  1. 適法に審議を進めること
  2. 効率的に、合理的な時間内で必要な審議を行うこと
  3. 総会の秩序を保つこと
具体的には
  1. 決議事項については、審議をし、採決をすること
  2. 報告事項については、それを報告・審議すること
であり、議場整理権や秩序維持権は、これらを果たすためのものとして議長に与えられると説明されている。

議長以外の役員については、説明義務を果たすものとして、その義務の考え方について、総会は何をするところか、という上記の記載から段階を踏んで考えを説明し、最終的には
  • 原則、参考書類の記載事項
  • プラスして、それを補足する程度の情報
という結論を導いている。

上記のとおり、ステップを踏んで何をすべきか、を徐々に論を細かくしていっており、文章が平明なこともあいまって、会社法の知識に関係なく、誰にとっても読みやすいと思う。内容についても、議長にも、役員にも過度な負担となることがないよう、役割を割り切るとともに、どのように考えていけば、問題とならないか、考え方も書いてあるので、読めば役員さんたちは安心できるのではないだろうか(もちろんスタッフ側がきちんと準備していることが前提だけど。スタッフ側にしても、どういう準備をすれば良いのか手がかりが多く書かれているので、スタッフの方々にとっても有用だと思う)。

役員の方々だけではなく、スタッフの方々も読んでおいて損はないというか、むしろスタッフがまず読んで、役員さんに説明するときに、使うのが良いのかもしれない。

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