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和解する脳 / 池谷 裕二 (著), 鈴木 仁志 (著)


図書館で借りてみた。脳の研究者と弁護士さんの対談で、「争う」こと、および、「和解する」ことに関する人間の脳の働きについて、語られている本。弁護士さん側が、脳科学についてかなり勉強されていることもあり、対談がきっちりかみあっていて、読んでいてためになる本(その分、基本的な知識の説明は、脚注でフォローされている…けど、個人的には脳科学についての説明は、もっと詳しくしてくれたほうが良かったような…分からなくても話について行くのは不可能ではないと思うけど)。企業法務の方々にとっても、示唆に富むところが多いと思う。


印象に残ったところを書き出し始めたら、多くなったので、一番印象に残った次のところに絞ってみる。弁護士の鈴木先生のコメント。

 ところが、紛争解決の場合、話を聞いているだけで解決するかというと、そうはいかないことが多いんですよね。相手のある話であって、現実に合意を交わさないといけないですし、あまり時間をかけすぎることもできないですから。
 そこで、前半ではとにかく話を聞いて、感情に配慮して、いわゆる関係欲求、受容欲求というものを満たしてあげることを心がける。そうすると、自分が受容されたということで、人の話を受容する能力が高まってきますから、そこまで我慢する。そうやって、いろいろなことを冷静に受け入れることができる態勢が整ったところで、客観的な情報を提供してあげるようにするんです。
 これは、説得するわけでもないし、説得するわけでもない。言ってみれば客観的な情報をそっとおいてあげる感覚です。そうすると、それを受け入れられるような心理状態になっていれば、その情報から結論を読みとって、そのままではまずいとか、こうしたほうがいいんじゃないかといった予測を自発的にすうりょうになる。つまり、自発的に解決しようという意思がでてくるんです。

こういうアプローチが良いのだろうということは、頭では分かっていても、こちらの精神的、時間的余裕がないと取りきれないな、と思うのだが、このアプローチについて、心理学や脳の働きに関する知見からみた説明がなされていて、「腑に落ちる」感が高い。相手の側が感情的に理屈を受け入れられないような状態のときに、不用意に理屈を持ち出すと、拒絶されるばかりでなく、その後の軌道修正も困難になる、という指摘も経験的に頷けるところである。

その他にも、記憶の不確実さ、つじつまを合わせようとする脳の働きについての記載も、理解しておくと、訴訟準備のうえで、証人の方々を不用意に誘導してしまう危険をさけるうえで有用だと思う。


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