スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

英文契約書を読むためのヒント…のようなもの(8)

五月雨式で、思いついたら、順不同で書く形でだらだらと。前回はこちら。頭の中にあったことを書き出しているだけ、ではあるのだが…。

今回は所謂一般条項のうち言語に関する条項について気づいたことのメモ。どこまで誰の役に立つのか不明だけど。




大きく分けて、メモしておきたい内容は2点。
  • 契約書をどの言語で作るか、ということのみに着目しても十分でない場合もあり得る。契約書の内容の履行過程が問題になるときは、契約書に基づいて作成されるその他の文書も含めて検討する必要が出てくるケースも想定しうるから。
  • 例えば、打ち合わせに基づき仕様書を煮詰めたうえで、モノを製作する契約の場合、仕様書の内容としてどういう合意をしたかが、何を作る義務が生じていたのか(瑕疵担保義務を問題にするときとか)を考えるうえでは重要になるだろう。その場合に、契約書の言語と打ち合わせの議事録と言語が異なると、どちらにしても、翻訳時の誤訳のリスクを考えることになる。
  • また、紛争解決時に、判断する人(訴訟であれば、裁判所の裁判官、仲裁であれば仲裁人)がどの言語を読めるのかも考える必要がある。判断する人が読む言語と異なる言語で書類が作成されているとそこでも翻訳の問題が出てくる。
  • つまるところ、紛争解決の条項と同じく、取引の全体像を踏まえて考える必要がある、ということだろうと思う。翻訳が介在することを避けられない場合でも、翻訳による誤訳のリスクがどこで生じるのか、ということを考えておいても損はないと思うのである。どこにリスクがあるか分かっていれば、対策も取り易いのではないだろうか。
  • もう一つ。契約書において、特定の言語での作成を求められるケースがある。中国とかベトナムのようなところで見るが、その言語が読めない場合、翻訳があっているか、または、そもそも翻訳の体をなしているのか、をどのように確認するか、問題になる可能性がある。そういうことを強制される場合は、その言語で作成された契約書を当局に提出することも多く、そうなると、当事者間では英語でも、対役所との関係では別の言語(中国語とかベトナム語)という問題が生じることになる。
  • 複数の言語で作成した場合、双方が同等の効力を有する、と規定することがある。中国語の場合でよく見るような気がする。英語と中国語とで作って、双方に食い違いがあるときに、英語優先、と書くと中国当局との関係で問題になる可能性があるし、中国語優先となると、外国企業側は、中国語で何が書いてあるか、不安が残るので、そういう書き方になるものと思う。その場合でも、中国の当局や中国の裁判所との関係では、結局中国語のものしか顧られないというリスクが考えられる。
  • もちろん、中国人の律師に見てもらうのが良いのだろうが、中国人の弁護士をどのように選ぶか、そして彼らとどのようにコミュニケーションをとるか、ということ自体が一つの論点になりそうな気がする。だからといって、そのために間に日本人弁護士に入ってもらうのも、費用対効果の関係で常に可能とは限らない。
  • 例えば、取引の内容に渉外性があるというから、紛争解決手段をCIETACでの仲裁(仲裁人のパネルの中には非中国人が多数いるし、日本人も含まれている)にして、日本人の仲裁人をこちらからは選任するという手段でリスクを最低限にする(中国の役所との関係で問題になるのは避けきれないが、仲裁合意により中国で訴訟になるリスクは下げられる)という対応は、選択肢になりうるような気がする。もちろん、渉外性のない取引の場合は使えない手であることは言うまでもない。

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

dtk

Author:dtk

日本にある企業の法務部署で働いています。
*コメント等で私に言及するときは
"dtk"でお願いいたします。

旧ブログ

ITエンジニアのための契約入門 iPod touch/iPhone用にリリースされました。詳しくはiTunesAppStoreから入手可能

初めてコメントいただく際には「このblogについて」もご覧いただければ幸いです。

カビバラさん時計
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

twitter
    follow me on Twitter
    カウンター
    Amazon.co.jp

    ブログ内検索
    RSSフィード
    リンク
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。