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Note and Comment:Force Majuere clauses: drafting advice for the CISG practitioner/Jenifer M. Bund

LLMの時にInternational Business Agreementという科目(auditしていた)のassignmentで読まされたものを再読。最初に読んだときは、まだ日本がCISGに入っていなかったこともあり、今ひとつ他人事という感じだったが、今読むと、少しは違う(今でもopt outしているものをよく見るし)ような気がする。多少は経験値が上がったから、ということにしておきたい。

内容としては、Force Majeureの適用については、国ごとの法律上の解釈の差異等があるので、国際取引契約においては、十分に配慮したForce Majeure条項を設ける必要がある、というところ。同じものがpace lawのCISGのサイトにある。paceのCISGのサイトはCISGの原文に加えて、判例とか論文とかもある程度まとまっていて、便利。

全体の構成は、イントロダクションの後で、Part IIで、CISGの下でのdoctrine of excuseおよび(CISGを補完する意味で)ユニドロア契約原則の下でのhardship条項についての説明、ならびに、CISGとユニドロワ契約原則との関係が解説されている。Part IIIではUCCの下でのdoctrine of excuseについての説明および、CISGの下でのそれとの相違の解説、Part IVでForce Majeure条項がCISGとどう関係するのか、およびCISG下でのドラフティングでの留意点がぞれぞれ述べられ、最後のところで、ドラフトする際のtipsを紹介ということになっている。

Force Majeureといっても、訴訟の場でどう解釈されるか、結局のところ不確定なので、なるべく、きちんとドラフトしましょうというのは、CISG(具体的にはArticle 79)抜きでも同じはずで、むしろ、CISGが挟まったことでその必要性が高まったような気がする。

国際取引契約におけるForce Majeure条項のドラフティングについてのアドバイスは、特に興味深かったので、簡単に以下、項目だけをメモしておく。CISG云々は別にして、Force Majeure条項を見る上でも参考になると思うから。
  1. 条項をドラフトする前に考えておくべきこと
    1. 国内法のこの種の事案の取り扱いに引きづられない(用語法とか)ようにする。
    2. Force Majeureを適用することを想定している特定の目的について、CISGArticle 79そのままで良いかどうか検討する(そのままでよければ、そのまま採用するのが時間と費用の節約になる)
    3. 取引の性質に鑑みて、国内契約において得られる保護よりも大きな保護が必要かどうか検討する。具体的には
      1. 複数の政府が関与する
      2. 為替の問題が生じる
      3. 外交面の問題
    4. 条項につき、その成立を後から争われるのを避ける意味で、対等な取引において成立したものと分かるよう、文言を明確にする(裏面約款の中にこっそり入れるようなことは避ける)
  2. 手続き的なこと
    1. 適用を受けるための手続きを明確に定める。以下は内容の一例
      1. 相手方への通知の要否
      2. 通知がいつ効力を発するのか(発信主義/到着主義)
      3. 通知の期限
      4. 通知を書面で行うことを必須とするかどうか
      5. 通知を忘れた場合の処置
      6. 通知する義務がいつ生じるか
  3. 実体的なこと
    1. 明確さに関するもの
      1. Force Majeureに該当する事象を列挙するか、包括条項を入れるか、または併用するか
        1. 包括条項だけでは裁判所の解釈の裁量によって、どう解釈されるか分からないので、包括条項を入れるとしても、その前に具体的事象をできるだけ上げておく。そうすることで包括条項の適用の範囲を狭くする。
        2. 包括条項側の工夫でカバーするのも一つの手
          1. "including but not limited to"を使用など
      2. CISG Artcile 79で明確になっていない点を明らかにする
        1. Force Majuereが適用になった場合の効果:義務の免除は一時的か、恒久的か
        2. 別途hardship条項の適用はあるか
    2. 適用範囲
      1. CISG Article 79よりも広く保護するのかどうか
      2. CISG Article 79の適用を排除するのか、または、それを補完するのか
      3. 当事者のうち一方のみに適用を認めるのか、双方に認めるのか
      4. 適用のためには、義務の履行に実害が生じる必要があるのか、実害が生じる見込みがあるだけで適用可能とするのか
      5. 予見可能な事態について適用を認めるのか
    3. 解釈
      1. 契約書全体で解釈されるので、契約書のほかの条項との整合性を調整する(例えばwarrantyとの関係。Force Majuere事象により、warrantyで保証している品質が達成できないようなケースをどうするか…一つのアイデアは、warrantyをlimitedにしてsubject to Force Majuereとするというもの)
読んだだけだと忘れそうな気がしたとういうこともあり、こうやってリストアップしてみたが、こう見ると、考えたほうが良いことは一杯あるというところか。しかし、これを全部いちいち検討するのも正直シンドイ。所謂ボイラープレート条項を上手く使うことで効率化を図るしかないのだろうが、うっかりすると法務の趣味、とか言われそう。いかんせん、この条項でシリアスな事態になったことがないと、この手の条項の存在意義につき、社内の他の部署の方々が理解してくれない可能性があるわけで…。社外より社内に理解してもらうのが大変そうな気がする…。

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