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英文契約書を読むためのヒント…のようなもの(4)

どうも、不気味な存在感のdtkです(謎)。ま、そう見えてもおかしくないのは否定しませんがね(投)。ま、僕の場合、意地にでもなってないとこういうことをしようとは思わないのですが…。

それはさておき、別にそんなに大したことを書いた気はしない割には、好評だったので、続きを書きたいところだけど、そんなに簡単にネタが出てくれば苦労はしないのですが、それでも、一応考えてみたので、例によって「追記」に書いてみました。考えが簡潔にまとまらなかったので、長いですがご容赦を。

なお、経緯(1)(2)(3)もあります。
さて、この企画、もともと、「初めての人が英文契約書を読むうえでのハードル(心理的なもの)を低くするための、アイデアというかそういうものを紹介する。」ということを掲げていたので、それにそって、もう少し何か言うことがないか、考えてみた。

前の回に書いたことと重なっている気がするが、取引の実態に関する規定のところは、そもそも、担当している人間の考えているとおりに、取引ができるのかどうか、また、相手方との交渉過程が正確に反映されているかは、法務がゼロから話にがっつり入っているようなときを別にすれば、法務だけでチェックしきれないこともあると思う。

加えて、契約締結後の履行過程にいちいち法務がチェックを入れるのも非効率なので、いずれは法務は手を引いて、取引の実務部隊が契約書の記載に基づいて(それをどこまで本人達が意識するかはさておき(おいおい))、動いてもらうことになることが多いものと考える。そうなると、彼らも少なくとも取引の実態的な部分については理解してもらう必要があるし、一旦履行過程に入るとそこまで要求しにくいので、契約交渉の時点で彼らにきちんと理解してもらうのは重要なんだろうと思う。

そんなこんなを考えて、少なくとも取引の実態的な部分については、取引の実行部隊の方々にもチェックをしてもらう必要があるのではないかと思う次第。

しかしながら、ただ、見てくれといっても、どこをどう見たらいいのか、相手が分かってもらえるとは限らない。見たと言っても、どこまできちんと見てくれるか保証の限りではない。

となると、ある程度は法務の側から、「こういうところはどうなんですか?」と突っ込みを入れて、そこを意識して読んでもらうというのは悪い話ではないように思う。そういうことを考えるうえで、どういう見方をすると良いのだろうか、と考えてみた。大きくわけて3つの層に区分できるかな、と思ったりする。
  1. できるかどうか
    • 技術的なレベル:一応書いておく。そもそも物理的に実現不可能とかそういうレベル。このレベルでひっかかるのは、契約以前にもっと問題にすべき何かがあるような気がする。
    • 法規制(取締法規)との関係、コンプライアンス:物理的にできても、法に触れてはイカンわけで。例えば次のものを含むがこれに限られない(including, but not limited to ってなやつだ)これらについては、かならずしも全部法務で調べきれないだろうし、社内に他の担当部署がいるのであれば、そこに意見を求めることになるのだろう。なお、コンプライアンスという観点から言えば、法令遵守に限らずCSRの観点からも考える必要が生じることもあるだろう。
      • 業法、取締法規
      • 環境法
      • 労働法
      • 会社法、金商法
      • 独禁法、下請法
      • 税法、企業会計原則
    • 実行するために必要な権利を持っているのかどうか:権利の有無や契約上の縛りの問題。裏を返すと?、やったら他の人の権利を侵害することにならないか、という点。特許等の知的財産権が関係するところで問題になるケースが多いように思う。
    • 手続き的、時間的に間に合うか:今までのものとはニュアンスが違うが、便宜上こちらに入れておく。色々複雑な手順を踏む話だと、良く考えると実は間に合わない可能性があるということも、遠隔地とのやり取りが絡んで、しかも、日本の長期休暇時期(盆暮れ)とかには間に合わないケースもあるという話。
      簡単な例としては、先方から発注が来たら、5日以内に発注を拒絶する旨返信がないと発注を受けたものとみなすとか書かれていて、でもお盆休みで1週間誰も発注を確認しない、というと、無理難題を振られても断れないという話がありえる。社内の対応体制を調整することで対応可能になることもあるかもしれない。
  2. やってよいかどうか:仮に、やってできないことはない、という話になったとしても、それで直ちにやって良いという話になるとは限らない…ような気がする。
    • ビジネスとして「あり」なのか、というところ。ここは、経営判断、というところがどうしても出てくる。ただし、その場合でも、tacさんが書かれていたように、できないこと、やってはいけないことのフィルタリングはしておく必要があるだろうし、できれば、選択肢と選択時に勘案すべき要素は示したほうがいいと思う(この辺は意思決定権者との間合いや相性の問題もあるので、微妙な気がする)。
    • 取引した結果として、得るべきものを得ているか。共同研究開発とかで、成果が出たときの扱いとかを想定すると分かりやすいかもしれない。その裏返しで、相手に過度に気前良すぎないかということも、気をつける必要があるかもしれない。ただし、相手に対して厳しすぎると、相手が契約をきちんと守る意欲を殺ぐことになるかもしれないので、そこも注意が必要かもしれない。
  3. やってよいとして気をつけるべきことはないか:上記をクリアしたとしても、そのうえで、気をつけておくべきことがあるか、事前に打つべき手はあるか、という辺り。
    • 上記で経営判断となった場合に、経営判断の原則の適用が受けられるようにするために、何を気をつけておくべきか。これは契約書をレビューした後の話ではあるが、早いうちから意識しておいて損はないと思う。
    • 記録、証憑資料の残し方。特に税務調査対応との関係で残したほうが良いものはなにか、資料に何を残しておくべきかというところは、考えておいて損はないような気がする。特に、コンサルタント契約の場合、成果物(レポートとか)がないと、後から実態があったのか、問われることもあると理解している。
    • 履行過程のモニタリングの方法。長期間に亘る契約の場合、相手の履行状況をきちんとモニタリングして、こちらだけが義務を果たして、相手が義務を果たさず、こちらが一方的に損をするという結果にならないようにする必要がある。その仕組みはあるか、ということ。研究開発契約とかでは報告会の頻度だったり、こちらが支払いを受けるだけなら、支払い頻度をどうするかということに繋がってくると思う。
    • 履行過程の中で問題が生じたときに、どのように対応するか、その方法:この辺りになってくると、所謂一般条項にも関係してくるが、問題の性質によって、次の2つのアプローチのいずれか、または併用することになるはずだが、手段は確保しているか、という辺り。
      • 契約解除、または、相手方と争う場合
      • 争うことなく、相手と交渉のうえ、契約を修正する方向で対応する場合

・・・ぼんやりと考えていることを無理やり言葉にしてみたら、無闇に長くなってしまった。まだ漏れている要素もありそうだし、ついでに言うとあまり英文契約プロパーの話とはいえないような気もする(ただし、英文契約だったり、相手方が海外にいるような場合には、これらの考慮をする必要性が高いということはいえるかもしれない)。

ともあれ、ご期待にどこまで沿えているのか分からないが、感想などを何らかの手段でいただけると嬉しいです。
ではまた。

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Re: タイトルなし

匿名希望さま
コメントと情報ありがとうございます。
バベルの講座の方は存在は知っていましたが、you tubeの方は存知あげませんでした。
後で見てみますね。
今後とも宜しくお願いいたします。

ITエンジニアのための契約入門 、拝読いたしました。
続編で英文契約編、期待してます。

ご存知かもしれませんが、youtubeです。
http://www.youtube.com/watch?v=ej5ZCh8Fggk

それとバベルの講座(読み・書き)です。
Professional Legal English 研修プログラム
http://www.babel.edu/program/co/ple_yomi.html
http://www.babel.edu/program/co/ple_kaki.html

いえいえ

tacさん、お気遣いいただき、恐縮です。
確かに、今回のは別に英文との関係は薄いですよね。
まあ、ネタが仮にあったら、この後は軌道修正をしてみようかと。
特に経験が深いとはとても思えないので、僭越至極って奴ですが。
ではまた。

すみませんです

失礼な言い方になってしまって申し訳ないです。
たしかに、英文契約プロパーじゃなくなってきている気もしますが(笑)、条項単位のちょこっとした気づき、とかでも我々には参考になるとおもいますので、ぜひぜひ引き続きご披露下さいませ。
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*コメント等で私に言及するときは
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