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契約の神聖さ 住友信託 vs. UFJ銀行 (信山社双書 実際編) /石黒 一憲 (著)



僕には、面白かったのだが、他人様にオススメしたものか、ものすごく迷う本。とても個性的な本だが、そもそも分量も少なく安価なので、読んでおいてもそれほど大きな損はしないと思う。、本屋で第1章(8ページほど)を立ち読みしてみて、面白いと思ったら買ってみても良いのかもしれない。

そもそも、この本は何なのか、どう表現すべきか難しい。少なくとも純粋な論文ではない。論文が核になっていて、そこでは、次の諸点が論じられている(と理解した…どこまでが核の部分か判断しにくいが…)
  • 表題になっている事件の最高裁決定の問題点、および、その決定に至る過程での諸々、背後での政治的な動き
  • 「約束は守られねばならない」という命題の相対的な地位の低下
    (契約を破る自由に象徴されるローエコ的なものの見方に対して、ローエコでは救いにくそうな倫理的な要素を忘れてはいけないという問題意識)
それと、執筆時の状況についてのドキュメンタリー的なもの、ゼミの様子などが挿入されて、渾然一体となっている。ご丁寧に、重要度に応じて、二種類の下線が付されていたりもする。そんなこんなで、正直読みにくい。


しかしながら、個人的には、それでも、全体として、論文としてどうかという以前に、まず読み物として面白いと感じた。字がずさん、もとい、自画自賛めいたところが鼻につくのも確かだが、それ以上に、自らの主観を前面に出して、信じるところへ猪突猛進して行くところが印象的。その猛進振りの当否を論じる能力はないが、アカデミック一筋の研究者の方(特に法学系)が、ここまで率直に自分のことをさらけ出してくれるのを見る機会はなかなかないのかもしれないという気がした。例え、傍から見てどうかと思われるところがあるとしても、己が信じるところへ、断固として突き進む背中(知的な誠実さということだろうか)を見ておくことは、特に若い世代にとっては、必ずしも悪いことではないと思う。

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