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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 01月号 [雑誌]


毎度お馴染み?BLJが届いたので。既に2011年1月号。うーむ。

コンプライアンスの形骸化防止は、どこでも難しいわけで、特に、機微な話にもかかわる部分もあるから、正面切って他所の会社の方に話を訊くのも難しいところがある。だから、こういう記事は助かると思う。取り組み事例とか、外注に出した場合の費用の相場観とか、浅見先生の内部通報の改善方法についての提言(特に専任者をおかないときの兼務のさせ方は参考になると思う)とか、山口先生の点検ポイントとか、盛りだくさんで、この特集だけでも、買う価値は十二分にあるのではないでしょうか。欲をいえば、兼任者の取り組み事例(本業との兼ね合いとか)や、BtoB企業での取り組み事例が、見たかった。あと、こういう内容のときこそ、企業トップのインタビューとかも…(でも建前論に終始するだけになるんだろうな)。

個人的に今回の特集で印象に残った言葉・フレーズをいくつかメモ

個人的には、コンプライアンスは結果的に自分自身が幸せになる(または不幸にならない)ために必須と考えていて、研修でもそう話しています。むしろ、会社の社会的信用のためのコンプライアンスには違和感を覚えます。雇用が流動化している現状では、会社の社会的信用を強調しても、帰属意識の薄い人には何の効果もないでしょう。それよりも、会社の信用喪失が結果的には失職という形で自分に跳ね返ってくるという点を強調したほうが効果的ではないでしょうか。

管理部門だけで「例外を作らない」とする方針を徹底するだけなく、「どうして例外を作らないのか」社内にきちんと説明する(社内に不幸な犯罪者を出さないため)ことが必要である。

たとえ、法律問題にならないような軽微なトラブルであったとしても、社員が気軽に窓口を利用できる雰囲気を作っておくことが、社内の適度なガス抜きになって、ある日突然大問題が発覚する可能性を減らすことに役立ちます。

個人的に注目しているのが、本号から連載開始の「ハブ法務」に関する長谷川先生の記事。英文契約に関する記事は重要性は否定しにくいものの、正直新味にかける感じが否めないので(内容面ではそうでもないのはよく知っているが)、新機軸として面白そうなのと、今の勤務先がそういう法務を目指すべきなのだが....というところで得るものがありそうな気がしている。今後に期待。

同様に注目しているのがM&Aロードマップ。書いているのが、この分野では有名なスカデンの弁護士さんで、時間との競争の中で、何について、どこまで拘るべきかについて、相場観を踏まえたコメントが秀逸。時間軸を睨みながら話を動かしていかなければならないというプレッシャーがより強い以上、相場観を踏まえた見切りが重要になるはずなので。

Workshopの外国企業への出資戦略の記事も、面白い反面、実際に噛むことになったら大変だよな、と実感。法律・会計上の出資比率の意味合いの差異の図解は明快。今後撤退場面での紛争から逆算した出資戦略なんてのが読めると面白そうなのだが…。

経営判断の記事も面白いが…、まず余計な突っ込みを。注11については、森田果さんはまだ准教授だと思うぞ。経営判断の原則について、最高裁が「あるべき姿」から論じないのは、そもそも「あるべき姿」を事後的に確定することが難しいから、判断せずに済ませようとしている、しなくても良い判断を無理にして、変な結論になるのを防ぐ意味もあるのではないか…という気がした。

三角株式交換の記事は、必要な人にとってはきっとものすごく役に立つのだろうが、さしあたって、そういう人ではないので、ピンと来ないことが多いが、ただ、細かいところまで気を遣わないといけないことだけはよく分かった。まあ、現時点ではこの程度の理解で良いのだろう。どのみち、この手の話が必要になったら、外部の専門家の手助けを求めることになるわけだし、記事の中にも書いてあったが、up-to-dateな知識がいる話は、きちんと情報をフォローしている人に確認してもらわないと間違うだけだから。

ライセンス契約の実務の記事は、今回は汎用性のありそうな話も出ていて、それはそれで役に立つ範囲が多そう。個人的には錯綜するライセンス契約間での齟齬を生じさせないためのtipsとかあったら、教えて欲しかったような気がする。当然のことながら、企業の現役の実務家の話が一番具体的で興味深い。

最後に例によって、本家から目次の引用。

[特集] 限られた時間と費用でどこまで取り組む? 形式的コンプライアンスの打開策
[300社アンケート] 企業におけるコンプライアンス教育の現状

~数値で見る平均像
コンプライアンス研修改良のためのアプローチ法

笹本雄司郎 マコル 取締役 代表コンサルタント
不祥事発生のメカニズムから学ぶ

コンプライアンス体制の要点検ポイント

山口利昭 弁護士
コンプライアンス体制と運用の取組例



・月1回のマネージャー報告で小さなリスクも確実に把握
人材サービス業 コンプライアンス室 マネージャー



・社員自身が不幸にならないための主体的なコンプライアンスを
金融機関 コンプライアンス部 マネージャー
グループ企業のコンプライアンス施策

岩倉秀雄 日本経営倫理士協会 主任フェロー研究員
弁護士が提案する 現場から改善できること

浅見隆行 弁護士
費用はどれくらい? 外部リソースのコスト


BLJ Workshop
外国企業への出資戦略① ~出資比率に応じた留意点を考える~

出題者・ファシリテーター
桑田和弥 三井物産 法務部法務第二室 室長


[徹底マスター 契約実務] 業界別 ライセンス契約[電機]
代表的な契約条項例とチェックポイント

電機業界特有の事情を踏まえたドラフティング

岡田 徹 弁護士
情報通信分野の特徴と今後の展開

技術が複合化する中でのライセンス交渉

加藤幹之 インテレクチュアル・ベンチャーズ 日本総代表・慶應義塾大学特別研究教授
知財担当者の視点

紛争の種を残さない 明確な契約書にするための交渉ポイント

原田英一 三菱電機 知的財産渉外部 第四グループマネージャー


Interview
事業部との連携とグローバルな意思決定における効率化を重視

日下雅章 DIC 法務部長
[Frontier]これからの情報セキュリティは「事故前提」で考える

安冨 潔 慶應義塾大学大学院法務研究科教授・弁護士

OPINION
親子上場はいけないことか?

宍戸善一 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授・弁護士

Inside Story
転勤命令は是か非か? 時代を映す司法判断

小林健一 日本経済新聞社 編集局 証券部記者

論文
通常の事業遂行局面における経営判断の原則の適用

~アパマン事件最高裁判決の検討

渡辺直樹 弁護士 / 手塚 舞 弁護士

連載
実務解説

子会社再編の手法としての三角株式交換
伊藤英之 弁護士
[新連載] 実務感覚が分かる!M&Aロードマップ

守秘義務契約
熊木 明 弁護士
いじめない、いじめられない!下請法違反の境界線

下請代金受取額の実質的な減少を防ぐ二つの禁止行為
玉木昭久 弁護士
広告審査のOKライン

原産国表示の留意点/総括~不当表示の防止策と事後対応
高橋善樹 弁護士・弁理士
企業会計法Current Topics

内閣府令とコンバージェンス・アドプションの関係
弥永真生 筑波大学大学院教授
[新連載] ハブ法務を実践するための日・英・中対応国際契約講座

日本企業に求められる「ハブ法務」とは
長谷川俊明 弁護士
Global Business Law Seminar

商標権および特許権と並行輸入
浅井敏雄 シャネル 法務部長・弁理士
リーガル・テクノロジーの潮流

・第13回 IT部門とのコミュニケーション・ギャップを解消
Ji2
・INTERVIEW 
奈良房永 米国弁護士
牛島信のローヤー進化論
Information

郷原信郎弁護士に聞く 真のクライシスマネジメントに必要な資質とは
Pick up! セミナー情報
Movie/Art/Book/Seminar Report
編集後記・次号予告

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