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デジタル時代の著作権 /野口 祐子 (著)


本屋で衝動買いしたものの、読まずにいたら、FJneo1994さんの熱い煽りを受けて、一気に読んでしまった。

まっとうな紹介はFJneo1994さんの紹介を見ていただければ十分かと(おいおい)。著作権についてのダイナミックな現状をコンパクトに鳥瞰することができる貴重な一冊というのが個人的な印象。

難しいはずの内容を平易に語って、しかも、一気に読ませるだけの読みやすさと読者をひきつける力は、なんとかの伝道師と言われても一向におかしくないと思う。迫力も十分。結構面倒そうな話も、事例や喩えを適切に使って居られるので、非常に読み易く説明されている。冒頭の王様の寓話も、著作権法の現状を表すのに、実に的確。また、現状の制度についてのまとめも、最初の章で簡潔になされているし、それ以上の細かな点についても、適宜必要な範囲でこれまた簡潔に紹介されている。デジタル情報に関しての現状の制度についての情報の量という意味でも十分だろう。

中山教授、レッシング教授の下で学ばれて、Creative Commonsの関係者(その立場としてのインタビューもある。その1その2)というところから分かるように、特定の立場に立って自説を主張されているのだけれども、語り口が熱い割には暑苦しくないので、仮に、立場を異にしていても読んで不快に思うことは少ないのではないかと思う。

個人的には、露出と囲い込みのバランスの重要性、そのバランスを戦略をもって決めることの重要性(アメリカの動きの説明は分り易かった)、という点は、納得するところが多いのだけど、日本でフェアユース的なものを導入する点については、この本を読んでも、それがアメリカで運用されているよりも狭い範囲で運用されるものとして想定されているとしても、やはり違和感が残る。

自分の違和感について考えてみると、英米法的な物事の決まり方が良いのかどうか、疑問があるという点に行き着く。裁判所で議論を積み重ねる中でルールを決めていくというやり方については、少なくとも短期的には予測可能性は下がるように思うし、長期的にも、言った者勝ち、または、モノを言う資力のあるもの勝ち、になるのではないか、という気がする。この本で出てくる、国内制度を変えるために、条約をうまく使ったアメリカの事例等を見ていてもそういう気がしてしまう。そういうことを可能にするような制度の導入には、どうも違和感が残る。

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